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2018.06.02 Saturday

リペア ファイル その462

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    ウード /  指板交換・仕込み角度変更・弦高を下げる・木芯入れ

     

    Oud(ウード)はアラブ圏の民族楽器でフレットのない5コース11弦の”撥弦楽器”(弦をはじく楽器)だそうです。私もはじめて見ました。演奏には細長いヘラのようなピック(プレクトラム)を使用していました。

     

    弦高が高く演奏しにくいので指板を張り替えて、弦との間隔を近づけるようにして欲しいとの依頼でした。指板を演奏者 自ら貼って改造してありましたが、それを外して新たに作り直します。ヒーターで熱をかけて指板を外しました。その下からオリジナルの指板が現れてきました。表板とフラットな作りだったのですね。

      

     

    ネックがずい分反っていたのでネック強度不足と判断し、黒檀の「木芯」を入れる加工をしました。ルターで溝を掘って黒檀棒を埋め込みます。木製の”トラスロッド”のようなモノです。

      

     

    指板面と表板には若干角度が付いていましたので、それを「面一(つらいち)」にするべく 薄いローズを貼ってネック上面をサンディングブロックで「平面を出し」をしました。それからローズ指板を貼り付けます。

      

     

    今度は弦と平行になるように指板面をクサビ状にカンナを使って整形しました。事前に計算して有りますが、実際弦を張らないと解らない部分もあり一度弦を張ってチューニングして指板面との距離を計測し、再びカンナで削り直して指板を完成させました。

      

     

    ナット部で4ミリ サウンドホール部で7ミリ。ナットも新調します。ヘッドは折れ曲がっていますので弦はナットに巻き付く感じになります。弦高は2ミリ〜3ミリ。

      

     

    12本のペグがありますが、11弦分だけ使います。サウンドホールは大1・小2。内部は覗けないですが、たぶんラダーブレイシングでしょう。駒から直接 弦が張られてサドルはありません。これは琵琶もそうですね。

      

     

    民族楽器ゆえ若干アバウトに作られているところもあり、精度が求めらるリペアがやりにくいところがありました。楕円形の胴には見事な象嵌で装飾されていました。

      

    演奏を聴かせていただきましたが、平均律ではない音階・音程で摩訶不思議な感じを受けました。そこがアラブ・中近東の音楽のミソでしょうね。音楽にはリュートや琵琶に繋がる”シルクロード”のかほりがしました。

     

     

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