リペア ファイル その424
MARTIN LX1 ”リトルマーチン” / トップ割れ補修
小さいけれどりっぱな”マーチン・ギター”です。表板(トップ)はスプルース単板、サイド&バックはデコラ(?)。ドレッドノートをスケールダウンしてあります。ちなみに”ドレッドノート”とは「イギリス海軍の戦艦名」から拝借した名称です。
トップの駒下の板の継ぎ目が剥がれてしまっていました。乾燥から割れてしまったと思われます。駒は表板に対して垂直に貼り付けてあるため、その周辺の木は伸び縮みしにくくなります。そのため駒付近の表板が割れる現象がおきるのです。
湿度調整して表板の割れ目を再び復元してから接着します。(湿度調整しても復元しないときは、薄い板をその隙間に差し込んでふさぎます)割れ止めのため『パッチ』を作ります。0.8ミリくらいのマホガニーの薄板を2枚 ポンチで抜いて作り、その木目が交差するように重ねて接着したものを使います。(ケースによっては『パッチ』を使わないこともあります。板厚が3ミリあれば大丈夫、と考えるからです)
『パッチ』に接着剤を塗り、その上下からマグネットではさみんでプレスします。上側のマグネットの位置をあらかじめ決めておけば、正確なところに『パッチ』を貼り付けられるのでこの方法は優秀です。(米国の通販会社”スチュアート・マック”が推奨し広めましたね)
ほとんど分からないくらいにくっつきました。
指板と駒は黒檀にすごく似た材が使われています。たぶん樹脂製だと思うのですが、黒檀ぽいです。ネックはラミネート材でできています。木目のようできれいなラインです。バインディンなど省略されていますが、うまく全体のバランスを考えてまとめてあります。
ヘッドには「マーチン・ロゴ」が。駒のブリッジピン穴からサドルにかけて弦の誘導溝が切り込まれています。これはいいですよ。ほかのモデルにも是非採用してもらいたい。
スケールは短いですが、レギュラー・チューニングなので気軽に演奏できますね。ボディマスがないので若干高音よりサウンドですが、これはこれで面白い響きです。ベッドサイトに一本欲しいという方も多いと聞きます。テーラーやSヤイリなども作っていますね。2本目のギターとしていかがでしょう。
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