リペア ファイル その423
フェンダー・カスタムショップ ST/ フレット交換・ナット交換・フレットのボールエッジ処理
レフティーのブルースマン所有のFenderカスタムショップ”ダゴダレッド”のストラトキャスター(レリック仕様)。この色が渋いねぇ。スプリングがローヴィンテージ製に、イモネジがスティールに、キャパシティーが古いものに交換されていますが、後はオリジナルだそうです。シングルPUなのに驚くべきノイズの少なさでした。さすがカスタムショップ。
フレットの交換時期に来ていたので「リフレット」することに。依頼者と相談のうえ”JESCAR #55090 Evolution"を選択しました。Evoは通常のフレットとステンレス・フレットの中間くらいの硬さを持っていて、減りが少ないうえステンレス特有の硬い音が苦手な方にピッタリなフレットです。
同業者から「スタジオミュージシャンが頻繁にリフレットするのを嫌い、なおかつ硬い音はイヤなときにEvoを勧めている」と聞いたのでその話を依頼者にしたら乗ってくれました。(依頼者も元々リペアマンだから理解が早い)
丁度カスタムショップが採用していたフレットも「ミディアム・サイズ・フレット」だったので、幅はほとんど同じ背だけ少し高くなるサイズ(#55090)でした。指板を削るとハカランダであることが判明!「スラブボード」でなく「ラウンドボード」です。ドットはマザーオブパール。あまり指板面のストレート性を求めると指板が薄くなってしまうので、指板面で精度を追求しないようにしてフレット上面で精度を出すようにします(楽器の寿命を長くするためとサウンド変化させないため)。
切り込みもフレットタングの深さギリギリに収めます。そうしないと指板を分断してしまうので。「ラウンドボード」はそこを気をつけないとね。タングの厚みを調節しながらフレットを打ち込んで行きます。やはりニッケルのフレットより硬い。
カスタムショップのこだわり”ボールエッジ”を再現するためフレット端処理を施します。この処理をするとフレットの引っ掛かりがなくてスムーズなうえ、エッジが立っているのでフレットが端から端まで使えて広くなります。1弦と6弦が”弦落ち”しなくなりますね。
ナットを牛骨に新調します。指板アールに合わせてナット底面を加工。ナットの弦溝の間隔はオリジナルをコピーします。こうすると違和感なくプレーできます。めったにレフティーの”ナット切り”をやらないので若干感覚がおかしい・・・
ヘッドもリバースになっています(当然か)。Evoの色が金属の配合からやや”黄金色”なのが難だと思われましたが、磨いてみるとそんなに違和感はありませんでした。酸化すると色着くか。
”レリック”仕上げなので”ラッカー・クラック”が入っています。けっこうハードなレリックです。レフティー仕様は右仕様の反転ですが、頭がそれについていけないです。ポットはCカーブ、シンクロナイズドトレモブリッジのアームの位置が逆、PUのマグネットの頭の出も逆、なので通常とは別パーツが使われていることになります。
依頼者は元々は右利きのギタリストでしたが、アクシデントがあり左に持ち替えプレーしています。並大抵でないよ。ほんまもんのブルースマンやね。
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