リペア ファイル その406
フェンダー・JAPAN ストラトキャスター/ ナット作製・ポット交換・5wayスイッチ交換・シンクロ用のザクリ穴埋め
神田商会が企画していたFender JapanのSTです。現在はフェンダー本社が日本法人を設立したので、この頃のギターは中古市場でしか入手できません。ただ最近、日本で作られたFender / Japan Exclusiveシリーズが発売されたので、少し混乱します。
このフェンダージャパンSTはミディアムスケールのストラトで、弦長がギブソン・レスポールと同じです。本来のSTより短く 弾き安さとテンション感緩めが特徴になっています。また22Fです。こういう仕様は一時期スティーブ・ルカサーが使用して一世を風靡した”ヴァレー・アーツ”にもありました。このスケールならではのサウンドがあり面白い設計だと思います。
ナットが不良でしたので新たに作りました。指板の底がアールになっているタイプで、ナット下面にアール加工します。専用のサンディングブロックを作って正確なアールを作ります。
日本製の指板はナット下面がまっすぐなタイプが多いですが、ここは本家と同じですね。まっすぐなナットだと指板自体にアールがついているので弦下の質量がバラバラになるので、アール仕様の方が音のバランスがいいと言えます。(わずかですが・・・)
この楽器は2点支持のシンクロでフローティングするようにザクリ加工がしてあります。使用者はベタ付けをお望みだったのでザクリ部を木で埋めてフラットになるようにしました。
サドルが錆び錆びでイモネジが動きません。”クレ550”をシューと振りかけて何とか外しました。裏蓋にもザクリ加工がしてあります。手が込んでいますね。蓋が大きく嵌らなかったのでサイズダウン加工しました。
トーンポットが破損していたので交換しました。ミリサイズでできていますので、いつは交換に使用する米国産のポットではなく、日本製のポットを付けました。5wayスイッチも劣化していたので交換。これは米国製パーツにしました。
トラスロッドはヘッド側からできるような仕様です。ロッド穴は一度ローズで埋めてそこに再び穴開けしてあります。手が込んだ加工。ヒールもカットしてあり、アジャスト用の穴が開けてあります。フェンダーの”いいとこ取り”って感じですね。
フジゲン製のフェンダージャパンは、中古市場でも人気があります。作りがいいからですが、後にフェンダージャパンの主力工場になったダイナ楽器製も負けずにハイクオリティーだと思います。USA製と日本製の大きな違いはラッカー塗装かウレタン塗装か、アッセンブリの耐久性(米国製の方がいい)、金属パーツの剛性(米国製の方がいい)かなぁ。加工技術とセッティングは日本に軍配が上がるかも。いずれにしても、フェンダージャパンがなくなったのは、さみしい・・・
小さな楽器店からフェンダーの名が消えて久しくなり、フェンダージャパンを懐かしむ声が強くあります。(特約店しかないからです)
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