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2015.03.07 Saturday

リペア ファイル その139

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    Guo Yulong  ガオ・ユーロン チェンバーコンサート /   フレット打ち替え 

    クラシック界の重鎮・掛布雅弥氏のクラシック・ギターのフレット打ち替えを依頼されました。掛布氏がGuo Yulongのギターを使用しているのですが、もっと堅いフレットに打ち替えて欲しいとのこと。

    掛布氏はメーカーと品番まで指定されています。私のようなリペアマンからするとクラシックギターリストがフレットを指定することは稀だと感じます。エレキギタリストはメーカーや品番指定をすることがあるのですが、スティールギターやクラシックギターの世界の人が、そういうことを言うことはほとんどないです。

    しかし実際は、フレットの材質や幅・高さでプレースタイルや音も大きく変化しますので、それにこだわるのは当然といえば当然です。掛布氏はその辺りの熟知していることが解ります。

    東京で柏尾氏より掛布氏を紹介されました。クラシック界の人はクラシックギターの製作家にリペアを依頼するのが普通ですので、私を信用していただけるか心配しましたが、私が名古屋出身だと知ると名古屋出身の掛布氏が打ち解けてくださいました。
    同郷とはありがたや。(納品後、リフレットに対してお褒めの言葉を頂戴しました。)

    さて、指板の設定をほとんど変えないようにとのことで、慎重にフレットを抜いていきます。指板面をなるべく荒らさないでフレットだけを交換するリペアです。


    新しいギターなのでネックの状態がいいので、ほんのわずかの修正だけでフレット打ちの工程に入れます。ただフレットタング寸法が違うのでフレットタングと溝の関係を正します。掛布氏が選んだフレットは一般的なクラシックギターのフレットよりも硬度が高く、また幅・高さとも大きなタイプです。フレットが堅いことで芯のあるサウンドと出音の良さが得られるでしょう、また高いフレットは早いパッセージに最適です。エレキの早弾きスタイルと同じですね。


    フレットを打ち替えたら「すり合わせ」します。ガオ・ユーロンの指板はわずかアールが付いています。そういう配慮がこの楽器が人気の秘密でしょう。プレーヤーに寄り添っていますね。


    掛布氏の指定弦はプロアルテのノーマルテンションでした。(ハイテンションでない)また氏より弦高を指定されています。なんと12フレット 6弦2ミリ 1弦1.5ミリ!!!エレキ並です。これでビビらないフレット上面精度とネックの反りを計算したフレット打ちを行いました。私もプロの仕事をしないと要求の高い要求に応えられませんので、何度もやり直ししながらの作業でした。

    ナットとサドルも交換しました。その牛骨も掛布氏から送られて来ました。米国製だそうです。しっかり詰まったいい部材でした。(私の使用している牛骨は国産ですが、取り寄せた中からチョイスして使っています。中には骨粗しょう症みたいなカスカスなのもあるので、そんなのはNGでして使用しません)

    ガオ・ユーロン/チャンバー・コンサートを観てみましょう。
    トップはダブルトップです。米杉+ノーメックスハニカム+米杉で作られており軽く強いのが特徴です。またこのタイプはトップのみ薄いフレンチポリッシュ仕上げになっています。薄い塗装とダブルトップで反応が早いく出音が大きいギターです。
    力木はラティス構造です。

    レイズドフィンガーボードを採用。ハイポジションでの弾きやすさとトップと弦に角度を付けることによって振動エネルギーのロスを減らすことができます。サイドにはモニター用のサウンドホールが開いています。これがあると自分の演奏時の音がモニターできて便利です。


    トップ脇には膝置き用のアームレストがついています。トップ振動を阻害しないのと演奏時にアームレストがあると疲れが半減されます。


    駒の弦止めはドブルホールになっています。この仕様により、シングルホールよりサドルへの角度が強くなります。結果サドルへの圧力が高まり出音が大きくなりるのです。音に分離にも優れます。


    サイドはインドローズ単板。バックはローズ合板。バックはアーチバックになっています。グレッグ・スモールマンみたいなバックと思ってください。(単板削り出しではない。最近のスモールマンは合板だと聞いているが)

    サイド・バック・ネック塗装はウレタンです。作りは多少荒いですね。中国製なのでというより、仕上がりに無頓着だからでしょう。楽器は音が命だからか・・・

    たしかにその音は「すばらしい!」と言えるでしょう。まず音が大きい。ソロパートでは抜きん出て表現できるでしょう。また弦振動の反応が早い!アルアレイ奏法では、その効果がよく解るそうです。特筆できるのが「反応が早い」とミストーンが減るということです。生理学的にもそうらしいです。

    その楽器を掛布氏は弦高を下げて弾かれるのですから、驚きです。フィンガーピッキングによるビビリ音を出さないということですから・・・・それに普通弦高を下げると音量も下がるのですが、ダブルトップ使用によりそれが解消されるのでしょう。氏の所属するJ・Sバッハ協会の方々の多くが「ダブルトップ」の楽器を使われるそうです。古典も最新機により表現の幅が広がると思います。

    世界でもっとも売れてる「ダブルトップ」クラシックギターです。うなずけます。


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