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2014.06.05 Thursday

リペア・ファイル その80

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    ギルド D-50 修理 (フレット交換 ナット交換 サドル調整)

    弾き込まれたギルドD-50、フレットが磨り減って交換時が来ました。指板調整し、フレットを打ち直し、ナットも新調し、弦高を適正に調整して上げます。


    フレットをすべて抜きます。私は2種類の「くい切りニッパー」をグラインダーでフレット用に作り変えて使用しています。フレットを抜くとき指板を痛めないように注意します。この時の手間が仕上げの良さに直結するのです。ローズはまだいいのですが黒檀はフレット溝から「欠け」が発生して、修正しても仕上げがすっきりしないから注意が必要です。


    指板調整をしました。ややロッドを閉めて逆反りにしてから直線を出します。そしてフレット打ってタングで逆反りにしてやるのが私のやり方です。こうすると弦を張ったときに指板がまっすぐになるのと、ネックが常にテンションが掛っている状態なので、ネックが弦振動をしっかりと受け止めくれ、またフィードバックさせてくれます。
    私なりの「ネックアライアメント」のひとつです。


    ナット溝のクリーニングには、「一分(いちぶ・3ミリ)鑿」とこの「革漉き」を使います。一分ノミは溝底の修正に、革漉きは指板の木口修正に使っています。革漉きは、ノミよりも軽く刃も薄いので扱いが良いので、よく使います。パイプオルガン工房にいた頃「ふいご」を作るために手に入れた道具ですが、木工にも十分役立つ道具だと思います。


    ナットを取り付けたら、ナットの弦溝を切ります。そのとき深く切り過ぎないように、フレットと同じ高さ(正確にはわずか高めの)ゲージを枕にして切り進めると安心です。溝の深さの最終仕上げは、弦を実際張ってからサドルの高さ調整と合わせて行います。弦高調整は、ネックのそり具合・サドルの高さ・ナットの弦溝深さで微妙に変わって来るからです。


    古いギルドの魅力のひとつは、パワフルでパーカッシブなサウンドが持ち味だと思いますが、今回、駒下の補強材が厚めで大きめなローズ板が使われているのを確認しました。この板とネック下の大きめのネックブロックが、そのサウンドを決定づけている気がしています。この辺りの作りが明らかに、マーチンやギブソンと違うところですね。ウッド・ストックでギルドギターをかき鳴らし「フリーダム」を歌ったリッチー・ヘブンス。このサウンドはまさにギルドならではでした。

    リッチー・ヘブンスな亡くなられたみたいですね。合掌。


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