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2014.05.03 Saturday

リペア ファイル その77

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    C・F・Martin & Thomas Humphrey 修理
    フレットすり合わせ・サドル交換 

    ビッグネームがダブルで登場するこのクラシック・ギター。マーチン社はいわずと知れたアコースティック・ギターメーカーの老舗ですね。そのマーチン社と個人ルーセアー「トーマス  ハンフリー」氏がコラボレーションした楽器がこのギターだと思われます。


    トーマス・ハンフリー氏は表板からネックを角度をつけてジョイントする「レイズド・フィンガーボード」を考案したアメリカの製作家です。「レイズドフィンガーボード」とは、ハイポジションを弾きやすくするための考案と、弦の張力方向と表板の角度を平行でなくして弦信号を有効に使おうとする理論 を駆使した形であると私は理解しています。

     
    指板がスチール弦のギターのようにアールが付いていましたので、今回はそのアールにあわせたサドルを作ることと、弦高を下げて弾きやすくするため指板面の精度をあげるべく「フレットすり合わせ」をしました。

     
    サドルにアールがついています。クラシック・ギターは平面の指板ですが、指をセーハするには若干アールが付いていた方が楽ですよね。その点この楽器は、スチール弦のアコギの良さも取り入れてあります。


    力木はラティス・ブレイシング構造になっていましたが、面白かったのが「レイズドフィンガーボード」の下の表板の補強材が、Xブレーシングになっていたことです。マーチン社の面目躍如たるのが現れていますね。

    材料は良質なスプルースとローズウッドが使われていました。塗装はラッカーでネックはつや消し塗装になっており、どうやらマーチン社で作られたことが伺われます。するとトーマス氏はアドバイザー的な役割だったか?

    トーマス氏の理論を駆使したモダンな楽器ですが、マーチン社もこういう新たな挑戦で何かを得たいという現われでは?と感じました。老舗メーカーも常に新しいものを取り入れようとしているのではないかな。

    私なんどは、マーチン社にすぐ反応してしまうフォーク寄りの人間ですが、クラシック弾きの方は「ハンフリー」の楽器に興味がおありになってこの楽器を入手したそうです。前にも書きましたが、クラシックギターの世界は、新しい理論でできた楽器と従来のトーレスタイプの楽器が高いレベルで存在しています。

    もちろんスティール弦用のアコギにもそのな楽器があるのですが、全体から見れば少なく多くはメーカーが作ったギターが主流です。値段も本格的なクラシックギターよりもずっとお値打ちで、そのため世界的に普及しています。

    音楽がポピュラリティーを得るのには、お値打ちな楽器が貢献していると思いますが、一方、楽器の進化と完成度を求めるには個人製作家の作った楽器がもっともっと必要です。そういう個人製作家の楽器の数が増えることを願っています。
     

     

    関連ブログ ・リペア ファイル その104

    (C・F・Martin & Thomas Humphrey / 指板アール変更・フレット打ち替え・ナット、サドル交換)


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