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2014.03.06 Thursday

リペア・ファイル その66

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     マーチンD−76   リペア
    /駒はずし・再接着、トップ塗装はがし・トップ割れ修理・再塗装、ピックガードはずし・製作、フレット打ち直し・弦高調整

    マーチンのリミテッドモデルのD−76「アメリカ建国200年記念限定モデル」です。鷹のインレイが入っているので石川鷹彦さんが使っていましたね。


    セルロイド製のピックガードは経年変化で縮んできます。そのときにトップもいっしょに引っ張ってしまうので「マーチンクラック」と呼ばれる割れが入ってしまいます。
    この位置の割れも結構多いです。

    ピックガード回りの塗装がひどい状態だったので、再塗装することになりました。めくれたピックガードを外し、駒も外して、塗装準備に入ります。

    フレットも磨り減っていたので、打ち換えになりました。指板修正をしてからトラスロッドのないマーチンですので、反りをつけてやりながらの打ち込みになります。

    状態により決まったやり方はありませんが、14フレットから1フレットに向けて打ったり、今回のように7フレットから上下に打って行ったりして行きます。そのときタングの調整でベストな逆反りネックにします。ここが腕の見せ所。


    トップ塗装の剥離と木地研磨です。あまり磨くとトップの強度が落ちてしまうし、音にも影響します。
    仕上がり具合を想像しながら微妙に木地を完成させます。


    下地作りしてからトップコーティングしますが、マーチンはやや色が着いていますので色も載せます。できるだけ元の感じに近づけます。


    駒を再接着し、ピックガードもオリジナルよりやや大きめにして割れ箇所も隠し接着しました。

    あらかじめ指板修正時に仕込み角度を確認し、駒接着時に適正なサドル高さになるようにしてあります。サドルからブリッジピンまでの角度を十分つけてやることができるのは、指板調整を同時に行なったからです。

    多くの場合、トップは脹らんで結果的に仕込み角度が浅く、駒を薄くかサドルを低くしないといけないケースが多いです。

    ところでこの個体は、なんとドーミングが施されていませんでした。
    「ドーミング」とはあらかじめトップに「ふくらみ」を持たせる製作方法で、こうするとトップの剛性が上がり、かつ音の遠達性が良くなります。

    この個体はフラットだったんです。珍しいですね。元々マーチンもドーミングしてなかったという説があって、リペアマンがマーチンの古い楽器を調べていたら自然とドーミングされていたので、新しいギターに施したら良かったから定着した、とどこかで読んだ気がします。(確証はないです)

    クラシック・ギターではドーミングされていないのと、してあるのが現在も両方存在します。
    製作者の意図で決定されているのだと思います。

    このドーミングされていないDー76ですが、張りのある音がしました。音も大きくよく鳴っていました。
    遠達性も問題ないと思ったのですが、ドーミングってどうなの?と考えさせられました。理論通りじゃないのですね。

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