2014.08.09 Saturday

現代的なお仏壇

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    お盆なので、こんなものを紹介しましょう。
    現代的なお仏壇です。マンションのリビングや寝室に置くのを想定して『キャビネット型』になっています。


    欅で作ってあり、摺り漆で仕上げています。寸法は、高さ66センチ 幅57センチ 奥行き42センチです。

    扉を開けると2段の棚があり、その下に引き出し式の棚とモノをしまえる引き出しがあります。
      
    以前、家具工房を主宰していたことがあり、そのときのメイン商品です。

    私は、キリスト教カトリック信者の親の元に育ったので、仏教や仏壇とは縁のない暮らしでしたが、父が他界したおり十字架と父の写真を飾る祭壇を作りました。実家に帰ると手を合わせる対象物としての「祭壇」があるのは、何か安心が得られるものだと実感したので、その後「仏壇」や「祭壇」を作るようになりました。

    今回、商工会の木工展に出品するためひさびさに作品を表に出しましたが、欅に漆の艶が馴染んでいてきれいになっていました。我ながら、きちんと作ると価値が下がらないものだなぁ、と感じました。欅は硬い木でカンナが使えないと指物になりません。木工は手間が掛る仕事ですが、奥が深く魅力のある仕事です。


    お値段が¥45万(税別)ですが、内容的に決して高くないかと思います。

    マーチンやギブソンを所持する世代は、お墓や仏壇を考える世代にも重なっていて、リペアに見えるお客さんにたまたまお話する機会があると、興味を持たれる方がまま見えます。

    関心を持たれた方は、「9notes」へ一度お問い合わせください。パンフレット用のDMはがきがあります。

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    2013.11.23 Saturday

    帯ノコと木取り

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       帯ノコと木取り

      楽器を原木から作るとき、木工するとき、基本となる作業は「木取り(きどり)」です。そのときにかかせない木工機械が「帯のこぎり:帯ノコ」です。材木を製材するのにこの機会が威力を発揮します。

      楽器となる、家具となる木材は、木材市で原木や製品としてセリに掛けられます。(製品とは原木をあらかじめ挽き割って板にしたモノを差します)そこで購入した板を小割りして、自分が欲する寸法にするのが「木取り」作業です。原木であれば、どう挽くかで完成品の良し悪しが決まるので、製材の木取りに神経を使うことになります。

      大型の帯ノコです。右に見えるがレールに載る台車で、ここで原木や板を爪でホールドしてノコに当てて材を製材するのです。まるで鉄道のようです。これが製材の原型ですね。丸太を挽くのに使います。ここでは私が購入したエレキボディ材のマホガニーを指定の寸法に挽き割ってもらっています。一度GOサインを出したら後戻りできないので緊張の一瞬です。


      こちらはもう少し小さい帯ノコですが、高さが45センチまで挽き割れる機械です。帯ノコの挽き割り可能寸法は重要で、厚い板を製材・挽き割りするには、大型の機械がないとできません。レスポールの裏板30センチ幅やドレッド・ノートの表・裏板20センチ幅などが挽ける大型機械は、個人で持ち合わせていませんので、製材所にお願いして挽き割ってもらうことになります。

      楽器製作者は、あらかじめ小割りした材木を購入することが多いですが、それでは本来の木材の姿を想像することが難しいでしょう。どのような木目が欲しいのか、どのように板を挽いたら望みの板を手に入れられるのか、原木から読み取る経験が得られないからです。

      一本の丸太には「節」とか「割れ」とか「ねじれ」とか特徴があります。それを避けなが望みの木目を思い描いて丸い木から四角い板を木取るのです。

      木取り方法で「柾目」「板目」など選択します。ただし「柾目」を取るには大口径の原木が必要で、かつ材を取る効率も悪くなり、一枚の単価が高くなります。「板目」が簡単に多くの材を一本の丸太から取れる木取り方法ですね。

      木工の世界を遡ると、かつては山に入って原木を選定していました。山のどんな場所に生えている木なのかを見極めて材を得ていたのです。本来はそうであるべきでしょうが、現在は難しくなっています。山の北向き斜面の峰スジに生えている木はいい材料になりそうですね。実際、伊勢神宮に使われる木材は、そんな条件が揃ったものです。

      さて、下はウチの帯ノコ2種。

      小型の帯ノコに特注の刃物を付けて、高さ15センチまで挽けますがパワーが不足気味です。あらかじめテーブルソーで板の上下から割れ目を入れておいて、届かないところをこの機械で割るようにしています。

      こちらは、ふところが深いので板を引き回して外周を木取るときに活躍します。ふところ寸法も機械の重要なポイントですね。これは糸ノコでも言えますが、糸ノコでは厚い板を切り口を真っ直ぐに切ることは無理です。同じくジグソーもそうです。似たような道具でも用途が若干違うので、いろんな機械を保有しないと仕事ができないのが不自由ですね。やろうと思えば手作業で全部できるはずですが・・・(それでも板を挽くには大鋸がいるし、引き回し鋸もいるし、道具は必要か)

      最後に、帯ノコの注意点をひとつ。
      帯状の鋸は円を描いて回転しているので、刃の「アサリ」の左・右が円に対して内径と外径にあたりるということになります。その結果、内径と外径でスピードの違いが現れて来て、左・右切れ味が違ってくる現象が起こります。つまり真っ直ぐ切れない現象が起きてくるのです。

      刃物に対して直角に材を当てても刃と平行に切れないので、少し斜めに押すことになります。

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      2013.07.28 Sunday

      「ものつくり」にものもうす

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        よく「ものつくり大国日本」とか「ものつくりを再び」とかのキャッチフレーズを聞くことがあるが、これって何を指しているの?と思ってしまう。


        この「ものつくり」は工業製品およびその現場を意味してると私は解釈しているけれど、ここに「ギターつくり」とか「木工」とかは含まれていないだろう。


        つまり「ものつくり」とは「車つくり」のことだと思う。またその周辺。もしくは「電化製品」の開発・製造のことだろう。


        手でつくる「ものつくり」は時代遅れの代物で、官民が声高に叫ぶ「ものつくり」と別次元の事として語られている。そう解ってしまってから、何言ってんの?って感じてしまう。


        実際「車つくり」は裾野が広く多くの仕事を生んでいる。それによってこの国の経済は左右されるていると言っていいだろう。


        車をつくるには、雛形が必要で、その雛形をつくるには機械がさらに必要で、その雛形の部品も必要だ。それで始めてスタートラインに立てる。そして車一台には無数の部品が必要であるから、その部品をつくる工場が複数なくてはならない。


        その工場の現場での「創意工夫」が品質の高い車を効率よくつくる要(かなめ)となるから、官民上げてお題目のように「ものつくりを大切にしよう」と言うのだ。


        つまりその結果「国際競争力を高めたい」のがその真意であるのであろう。


        そこから逆算してみると、日本人の「創意工夫」する意欲が低下している、と読める。そうなんだよね。仕事への意欲の低下は、生産現場で少し昔から起こっているよ。


        なぜなんだろう。


        先ほど、手でつくる「ものつくり」は論外視されてると書いたけど、ここにヒントがあるんじゃないかと私は思っている。


        工業の発展に伴い、手工から機械化が進んで生産性は抜群によくなった。モノも安く手に入るようになり、暮らしは便利になったと言えるだろう。


        でも「ものをつくる喜び」みたいな人間の原初の感動が置き去りにされたんじゃなかろうか。
        そんなもん効率化の前には前時代の感覚よ、と一蹴されてしまった感があるのだ。


        「ものをつくる喜び」は、小さな幸せかもしれないが、それがあるからこそ「創意工夫」が生まれるのじゃないか、というのが私の結論です。

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        2013.05.27 Monday

        テニス肘

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          このところずっと左肘辺りに鈍痛があり、ものを持つと痛みを感じていました。
          関節炎だと思っていますが、名称がありました。


          通称「テニス肘」正式には「上腕骨外側上顆炎」と言うそうです。


          同じ痛みを持つ元同僚が、教えてくれました。職業病ですね。ギターを片手で持てなくなったと言っていましたが、私も同じ。ギターを塗装するときギターを片手で保持できなくて困っています。買い物の荷物も、なるべく右手で持つようにしています。


          私が学ぶ漢方の世界では、現象には原因があり、病の原因を身体の場所や陰陽で分けるほか、気・血・水に食べた物の巡りを加えた4つの分類から、病の原因と場所を割り出すことができます。


          たとえば関節炎は、水の流れが滞って原因を作っていることもあるようです。もちろんその部を酷使すれば故障するのですが、遠因として気・血・水・食が影響を及ぼしていることがあるのですね。


          また、これは年齢によって故障が発生した、とも言えます。疲労や原因となる停滞がそこに積み重なって、中年期に現れるのです。「テニス肘」は40代から50代に多く見られるそうです。


          眼も老眼が進行してきました。定規のメモリが読みにくく難儀します。普段、新聞読んだりパソコン使ったりするのは、プラス1.0の度で、仕事で細かいメモリを読む時は、プラス2.0度を使っています。(ときにそれに虫眼鏡も加えたり)


          ナット溝を切る、フレット打ち込む、など精度の高い仕事は、眼鏡をとっかえひっかえしながらやっています。


          体力も落ちて来ていますので、機械の連続加工は疲れますね。


          そうやって考えると木工で油の乗った仕事ができるのは、30代から40代かと思います。
          昔は親方になる50代以上の仕事は、「墨付け」や「木取り」仕事のほか「監督」でしたね。


          「墨付け」とは、設計すること、材料の加工ラインを決定すること、です。設計に沿って材木に墨壺から張った糸でラインを書きつけて行きます。適材適所に材木を配置することを緻密に計算しながら、全体を見渡すことができる力量が求められます。


          「木取り」は、材料を墨に沿って実際に割ったり、長さを切ったりします。木材は、長さを決めてカットしたら、もう繋げませんので重要な仕事です。木取ったら、もっと細かな「加工」に入って行きます。


          木の癖を読み取り、それを有効に使う、年季がいってできる仕事なので、年長者の仕事だったのですね。体力よりも経験や勘がものをいいます。


          まぁ、それはある程度の集団や組織の仕事の仕組みで、個人は何でもやらないといけませんし、ファクトリーでは管理職がそれを担うことになるでしょう。


          「テニス肘」になっても、仕方がない 、と仕事せなばなりません。


          しかしながら、テニスをやってそうなった訳ではないので、せめて好きなサッカーがらみで「サッカー肘」としたいところですが・・・サッカーは手は使わないからそりゃダメか。


          「ギター肘」って言いたいですね。

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          2013.05.09 Thursday

          職人気質

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            創業家の跡取り息子が大学卒業後、数年間 外のメシを食ってから親の会社に戻って来るケースはよくある話ですが、雑誌で読んだ大手家具メーカーの跡継ぎもそれでした。


            金融畑出身だったので、会社の経理を見直し、無駄や経費削減を大胆に慣行したそうです。


            そのうち社内を見回ると、生産現場の職人さんのモチベーションが落ちているのに気づきます。


            効率重視で、職人気質の「こだわり」を許す空気がなくなっていたから なのでしょう。


            そこで若い経営者は、その「こだわり」こそ我社の強みであることを、再認識し、職人とともに新しい企画を立ち上げて行くのでした。


            職人は生きづらい世の中です。生産効率が最優先で、創意工夫する「ゆとり」が失われています。
            いい意味でも悪い意味でも、職人は「お金じゃないぜ」と「いい仕事」に対するプライドがありました。
            (職人の賃金は30年以上変化ありません。)


            しかし、いくらプライド高くとも東南アジアの国々との安さ競争に勝ち目はありませんよね。(世間や経営陣は、プライドだけを職人に押し付けようとしますが、モチベーション維持は不可能で、「効率化」に職人が敗北しているのが現実でしょう。)


            これでは、職人は消え行くばかりです。ここはドイツやフランスのように職人の仕事や身分を、社会的に認知し守っていく国政として、考えてもらう時期に日本も来ていると 感じます。


            スイスの超高級機械式時計が売れているそうです。職人仕事が芸術に昇華しました。デザインもさることながら、職人技術を高めるモチベーションを、国も企業も理解しているから結果が出ているのでしょう。


            伊勢神宮の式年遷宮に全国から腕利きの職人が集まっていると聞きます。その中に志願した若い職人もおおぜい含まれているそうです。


            お金じゃないくて「いい仕事」がしたいと集まる人がいるうちに、次の作を練るべきです。

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            2013.04.16 Tuesday

            高松とジョージ・ナカシマ

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              自ら「うどん県」と名乗りインパクトあった香川県。うどんの讃岐だけでないぞ、と高松の工芸について記します。


              最近、高松で開催されている「瀬戸内生活工芸祭」。2012年は、実力派「器」作家5名が集合して豪勢な布陣でした。(赤木明登、辻和美、内田鋼一、安藤雅信、三谷龍二ら売れっ子ばっかり。彼らがこの工芸祭に力を入れているのが解る。)


              でも私にとっては、高松は「ジョージ・ナカシマ」のライセンス家具を製作している「桜製作所」がある場所、とのイメージが強いです。


              (もうひとつは、イサム・ノグチのアトリエがあったところ、です。)


              現在、木工を本科とする人にとって、直接的であれ間接的であれ 大きな影響を与えた人物は「黒田辰秋」と「ジョージ・ナカシマ」であると思います。


              黒田辰秋氏は以前少し書いたhttp://www.takamineguitars.co.jp/blog/2010/06/9.html
              ので、もう一人の雄「ジョージナカシマ」を高松がらみで紹介すると、日系2世であるジョージは、米国内で建築・木工家具の製作で揺るぎのない地位を築きました。


              米国でそれを成すのは、本当に実力があってのことで偉業と呼べます。


              彼の家具のデザインは、革新的でありました。それまで使われることが無かった「木の皮」を残した大胆なフォルムのテーブルやベンチを作成したのです。今となっては、普通の見かける「木の皮」とか「木の耳」を残す「自然な形」のテーブルは、彼が最初に道をつけたのでした。


              板に挽いた「ブラック・ウォールナット」の自然な形を損なわず、かつ優美に洗練されたデザインにまとめた彼の作品は秀作揃いで、そのデザインを受け継いだのが「永見眞一」率いる「桜製作所」です。


              それがあるのが高松ですが、歴史を少し辿ると ここにかつて気鋭の製作者・職人が集い「讃岐民具連」を結成し、高らかに名乗った地でもあります。ジョージもそれに賛同して、これに参加しています。


              イサム・ノグチやジョージ・ナカシマをここに連れて来たのは、この地にアトリエを構える彫刻家「流政之 」で、石の彫刻家です。そうです高松では、いい石材が取れるのです。


              石の彫刻や木の家具には、職人仕事がつきものですよね。彼らが結成した「讃岐民具連」は、古くから伝承された民具を、今に再生しようとする運動を独自に展開したのでした。これは明らかに「柳宗悦」率いる「民藝運動」に対抗したものだと解ります。


              柳の活動は、東京を中心に展開していたのに対し、高松でこれが起こったところに讃岐の人たちの骨太の気質が感じられますね。


              ジョージ・ナカシマは、英語表記の「ミングレン・シリーズ」の作品を発表していて、その名をインターナショナルなものにした かと思います。私は、この「ミングレン・シリーズ」を先に知っていて、後でそれが日本語の「民具連」だと知った口です。


              「桜製作所」は銀座にお店を出しましたね。ついに讃岐の民が本丸に乗り込む気か?

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              2013.03.26 Tuesday

              「欅」好き

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                日銀総裁が交代する一連の騒動。「アベノミクス」について云々言いたいところを、ぐっと抑えて「日銀」のワンシーンから連想したことを記します。


                日本銀行の会見用の部屋なのでしょうか?

                その部屋の壁一面に「欅」の付き板が貼り付けられています。「付き板」とは材木を薄くスライスして合板に張った板のことですが、退任した総裁のバックに欅の「中杢」がテレビ画面いっぱいに映っていました。


                「中杢」も説明しないといけませんね。木目が中央から左右に楕円形に広がっている姿をそう指します。この「中杢」はいい杢目の基本中の基本です。


                そんなイメージで日銀の会見室をご覧ください。見事な杢目が画面いっぱいに観られるでしょう?(この騒動ももう終わってしまったんでしょうか。たぶん近いうちに次の総裁が、言い訳してる画がテレビから流れると思います。)


                日本人は「欅の杢」が好きだったです。奈良正倉院の最古の家具も欅の玉杢でできていますし、お寺やお城の正門にお扉には、ピカ一の杢の入った大判の欅板が使われていました。


                その流れでしょうね。日本の権威・日本銀行でも、スライスされたといえども「欅」板が使われている訳は。


                私も欅好きです。欅が材木の中で一番好きです。
                特にそれに漆を吸わせて艶を出した「拭き漆」仕上げは、抜群だと思っています。


                杢目の種類は「中杢」から始まって、鱗のような「如麟杢(じょりんもく)」、葡萄の実のような「葡萄杢(ぶどうもく)」、それに丸い玉が浮き上がって見える「玉杢」などなどあります。特別杢が無くても赤味を帯びたその木肌と匂いはいいですよ。カンナを掛けたときに発するその匂いが、独特でなぜか安心感を与えてくれるのです。


                「広葉樹の王様と称せられるほど、威厳があり存在感がある木材ですね。


                私も長年、こつ」こつと集めて来て結構ストックがあるのですが、今度はそれを生かす仕事が無くなってしまいました。欅の良さが解る世代は中高年でして、すでに色々お持ちゆえ新規に購入する気が薄い、若い人には人気がなく、女の人には「重い」と言われるようになってしまったのです。


                そこでこれをギターに使えないかと考えています。アコースティックギターのサイド・バックに充分使えるはずです。最近、外材のベリーとかゼブラウッドとか原木を挽き割ったりしましたが、油分はたしかに多い特徴はありますが、比重やらタッピングしたときの音の伝達具合だとか、欅のある部分と似ていることを発見しました。


                欅材と言っても、千差万別で、出身地・木齢・山の生えていた場所(南北・尾根側/沢側)あるいは平野のどの辺り、日当たり具合によっても大きな違いがあります。また一本の樹の何番目に玉切りされた部分かによって質が違います。


                うまく木取ればローズウッドやココボロに似た性質の材も欅から取れるんじゃないかと思うほどです。
                欅の赤味は耐久性もいいですし、比重・強度など楽器材に適した良好な数字です。硬質な板は高音の倍音も含んでいます。和太鼓の胴は欅のくり貫き材でしたよね。


                外材を有難がるのもいい加減にして、国産材をもっと活用してもいいと思います。

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                2013.02.08 Friday

                木工について

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                   木工について


                  私はギター製作以外にも木工・家具の製作もやるので、しばし木工について考えてみます。


                  木工に興味のある若い人や団塊の世代はたくさんいっらしゃり、木工の専門学校や職業訓練校は大流行だと聞きます。


                  一方、それを受け入れる場所は、どんどん減っていて”腕”を鍛えるところが少ないのが現状でしょう。


                  私の知人・友人も数名それらの学校に「失業保険」を数ヶ月から1年貰いながら通っていました。しかし残念ながら現在彼らは木工を職業としていません。条件の合う雇ってくれる所が見つからなかったのです。


                  木工でなくとも職人仕事は、ある程度の見習い期間が必要になります。


                  昔は、不器用なヤツほどものになる、と言われたそうで、辛い修行期間を耐えながら終えたものは、職人として認められ仕事が保障されたと思います。


                  今は、雇う側にその忍耐・体力がないのが現実です。一方、見習い修行中の者も「辛抱がない」との話も親方からよく聞くセリフです。仕事を見て盗むなど知らない世代ですから、教えてもらってないことは「知りません〜」の一言でお終い。


                  世の中が工業化し大量生産・低価格路線を歩んでいますので、安さを求めて仕事はアジア各国に流れて行く構造です。職人仕事は時代遅れという訳です。


                  でもねぇ。木工に関して言えば、「木が好き」な人は、この「木工」にこだわるのですよ。

                  味のある「材木」(=木が好き)を見ると触手が動き、なにかコレを使って「ものになるもの」をこしらえたい、と思ってしまう人種があるのです。


                  天然・自然が作る木目や形は、何とも言えず美しい。それを例えば家具・例えばギターとして身近に置きたい衝動に人は駆られるのだと思います。


                  そこで作り手が、それを最大限生かして「形」にする。そこが木工で生きる生命線じゃないか、と考えています。


                  締めくくり。この「形」が重要。「形」には寿命があり、主張があります。そこを製作者が引き出さないと、ただの箱であり物置になり下がってしまいます。


                  そこを見極める「センス」を磨く作業を製作者/職人は、怠っててはいけません。
                  自戒を込めて・・・

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                  2012.11.27 Tuesday

                  裏押し

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                    ずっと使ってなかった鉋を使おうとしたら、錆びは出てるわ、「裏切れ」はしてるわ、で「裏押し」することにしました。

                    (錆びさせた鉋を見ると「すみません鉋さん」という気持ちでいっぱいになります。一旦錆が刃物に入ると、そこは侵食されているので、研いでも刃先に欠けが出てしまうのです。)

                    「裏押し」は木工の基本で、それを志す人みんな、知っているものばかりと思っていたら、案外知らない人が多いので驚いています。

                    自分で家を建ててしまうアマチュアの方の刃物で「裏切れ」してる鑿(のみ)を見たことや、楽器製作現場の若い人の刃物で「裏切れ」してる「はびき」を見て、技の伝承はうまくいってないなぁと感じました。

                    少し前までは「技」は先輩や親方の背中を見ながら覚えたものですが、今は訓練校や教則本の解説されたものから覚えるものになっています。

                    現場に徒弟制度が残っているところは、もう少ないですから仕方ないことなのでしょう。

                    あまりいい手本ではありませんが、「裏押し」をアップしてみます。実は私は「裏押し」が苦手です。小僧のとき、いきなり「裏押し」を失敗し鋼(はがね)を傷つけてしまってからトラウマになってしまったのです。

                    そこに数年前、「裏押し」の秘密兵器を貰い受けてから、安心の「裏押し」を手に入れました。

                    「裏押し」専用機です。これで「裏切れ」している箇所を中心に「たがね」の様な先端で裏押しします。

                    刃先から正確に「裏押し」できました。(普通はこれを金床と金槌の端を使ってやりますが、鉋刃を押さえる親指と人差し指の微妙な感覚で、金槌が落ちてくる深さと角度を調節します。専用機ではこれをガイドに沿わせてやればいいので安心です。)


                    金盤に金剛砂をうっすら蒔いて、ちょこっと水を落とし混ぜ、鉋刃がのる幅全体に伸ばしてやります。刃物を棒で支えて力を込めて裏側を研いで行きます。最初は金剛砂の粒子が粗く抵抗が強いですが、じょじょに細かくなって研ぎやすくなって来ます。

                    水気がなくなるまで研ぎますが、刃物の先端に力が掛かるようにして下さい。理想的には研ぎたい所は先端だけです。後ろにも力が掛かると、刃裏の窪んだところ(窪んでいるので裏面の平面が出やすくなっているところが、日本の道具の特徴)がヒョウタンの形になってしまいます。

                    地金の裏が出ているか確認しますが、水気がなくなるまでやると裏が鏡面になります。(鏡面がベスト)少なかったらもう一度金剛砂で研ぐが「裏押し」をやり直します。

                    後は、普通に砥石で刃を付けてやりますが、表面から「裏押し」してあるので少しごつごつします。以上、頑張ってください。

                    (書き終えて読み直してみると、これでは初心者は解らないところだらけの文章です。写真もいいのが無いですね。すみません。教則本を見てください。)

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                    2012.11.25 Sunday

                    研ぐ

                    0

                       

                      小鉋の刃を研いでいる時、ふと思いました。
                      この景色はどこかで見たなぁ。


                      砥石から鉋刃を研ぐことで、研ぎ汁が出てきます。
                      番手の細かい白い仕上げ砥石と名倉砥石を使っているのですが、そこに黒い研ぎ汁が湧き出して来る姿がどこかと繋がっているのを感じたのです。


                      10数年前くらいから硬めの仕上げ砥石を使っています。
                      その前は天然砥石を手に入れたのでそっちを使っていたのですが、水につけっ放しだったので割ってしまいました。もろくなってしまったのです。


                      軟らかめの仕上げ用の天然砥石で、刃物が鉛色に仕上がり日本刀の様でした。
                      それが最高と思っていました。


                      ある時、親方が私が仕上げた「桐」の板材を見て、切れが悪いと指摘されました。それまで、硬い両逆(りょうざか・どちらからも逆目になる板)の欅材も仕上げていたので鉋仕上げは自信があったのですが、軟材の桐材は苦手だったので図星でした。


                      木工の「解説本」では、鉋刃の仕込み角度について硬め材は立ち気味、軟材は寝せ気味に仕込むとあったと思います。そうだったので自分は硬めの板用の鉋しか持っていないので軟材はうまく削れないとの認識程度だったのです。


                      でもそれは、違っていました。「刃先まで刃を付け切っているか?」と親方は指摘。
                      「刃先まで刃を付ける」とは、刃先の研磨の仕上がり具合を指しています。

                      つまり刃先の研磨具合が鈍かったということです。


                      軟らかめの天然砥石が割れたのを契機に、刃の先端まで力を入れて研ぐため硬めの砥石に変えました。


                      断っておくと「天然砥石」は最高です。研いでで気持ちがいいものです。お値段もいいものは抜群に高く、仕上がりも抜群だと聞きます。


                      貧乏職人には、あまりお値段が高い天然物には手が出せないので、経験値が低いのが現状です。(硬さよりも砥石の質がものを言う世界です。)


                      だからもちろん天然砥石で、しっかり刃先に刃を付けることができます。
                      私の持っていたものでは、刃先に刃が付け切らなかったのです。


                      既成品の仕上げ砥石は、苦しまぎれで使ったのですが、刃先まで刃を付け切ることは可能でした。結果、「桐」に鉋掛けもしても、いい鉋屑が出てきました。納得の仕上がりです。


                      さて、話は最初に戻ると「ふと」感じた景色とは、硯で墨を摺るときの景色です。


                      墨の濃淡が白い砥石に映っていました。


                      硯で墨を摺り、筆にたっぷり墨を付け、白い紙の上に墨で文字を書く世界は、
                      精神を研ぎ澄ます「空」の世界に通じ私の憧れの世界です。


                      「研ぐ」行為もそれに似ていると感じた一瞬でした。

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