2017.07.13 Thursday

「スモークド乾燥」処理済み マホガニー角度付きネック材の販売

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    スモークド乾燥を施した「マホガニー角度付きネック材」をHP/SHOPで行います。

     

    マホガニー材をスモークする(燻す)ことによって、音の伝達性を高め、同時に剛性が高まりました。

    最適なネック用の素材です。

     

    アコースティック用・クラシックギター用 ネック材(ヒールブロック材付き)  

     

    全長 620弌淵悒奪鰭 190弌Ε優奪部 430弌× 幅 80 × 厚み 25〜28

    ブロック材 長さ 100 × 幅 60 × 厚み 80弌

    ヘッド角度15°

    ¥12,000(送料・税込み) ここをクリックしてShopでお求めください

     

    エレキギター用 ネック材(ヒールブロック材付き) 

    全長 620弌淵悒奪鰭 190弌Ε優奪部 430弌× 幅 80 × 厚み 25〜28

    ブロック材 長さ 150 × 幅 85× 厚み 27弌

    ヘッド角度15°

    (注意・LPディープジョイントの場合はネック部の長さが不足します)

    ¥11,000(送料・税込み) ここをクリックしてShopでお求めください

     

     

    「スモークド乾燥」は、木材内のセルロースとリグニン・ヘミセルロースなどの物質内のヘミセルロースを減らしていく効果があり、その結果セルロース同士が結びつき強固になって、材の剛性アップ、音の伝達率 向上に繋がります。

     

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    2017.06.21 Wednesday

    リペア ファイル その322

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      国内製作家作・ヴァイオリン / スモークド乾燥処理・セットアップ

       

      すでに愛機として使用しておられるプロの演奏家のヴァイオリンを「スモークド乾燥」処理して欲しいと依頼を受けました。大変躊躇しましたがお引き受けすることに。ヴァイオリンのニスはほかの塗料に比べて不安定で、熱に弱いことを知っているからです。しかし、数年の経験から目途が立ちそうだったのでトライしました。

      と言っても不安がない訳ではなかったので、事前にデモンストレーションを行い実験をしています。

       

      問題のひとつはニスに煙のヤニ成分が付着するのをできるだけ防ぐこと。もう一つは、温度をあまり上げずにかつ効果的に煙を送ることでした。普通は30時間強のスモークですが、今回は温度を下げたので40時間強燻しました。第一関門のヤニ対策は成功しました。ヤニを除去しやすいパーツはそのまま燻してあります。こちらの方が色が濃く着きます。

        

      温度を低めに保ちつつ煙を送り続ける新たな方法を開発(ちょっと大袈裟かな)したので、「スモークド乾燥」後のタッピングトーンに変化が現れています。

       

      うっすらヤニが付いたのでクリーニングします。いろいろなクリーニング剤を用意し、ニスに合うものを選択しました。

       

      さぁ、セットアップです。私はヴァイオリンのセットアップは”小僧”レベルなので「仮セットアップ」です。「本セットアップ」は本業の方に依頼者よりお願いしました。20代後半にギターのリペアからヴァイオリンのリペアに鞍替えしようと画策したことがあって、友人の工房で見習いしましたが、結局断念しました。理由のひとつとして、右手のボーイングがうまくできないので 音出しができなかったことです。今回もこのスモークがどの程度うまくいったか、音出しできなくて確認できなかったことが心残りでした。

        

       

      楽器の完成度は高く気品があります。一枚甲の裏板には見事な杢が出ています。

        

       

      スクロールは力強く、Fホールの姿も美しい。

        

       

      依頼主からメールを戴きました。

       

      ヴァイオリンも行き着けの工房で調整してもらい、本日から使い始めました。

      驚くほどの変化です!レスポンス、音量が素晴らしく向上しています。
      材の剛性が上がったことの効果だと思いますがダイナミックレンジもかなり拡大した印象があります。
      ffからppまでの落差は正に劇的で、奏者の私が引き込まれてしまいそうになります。
      コンテンポラリーの楽器なので元の音色は直線的なものだったのですが、力強さは残しながら倍音が増え、豊かな音色が加味されたことも嬉しいです。

      大抵大幅な能力向上が伴う手入れはどこかにマイナス効果も出るものですが、今のところ一切感じません。
      これはやはり、構造変化によるものではなく材自体の変化による恩恵だと思います。

      調整したヴァイオリンの作者も材の剛性向上ぶりに驚いており、表板もさることながら裏板は最早別モノといっていいくらいに変化しているそうです。

      良い事尽くしで少し怖いくらいなのですが、かなり厳しく見ても、やはり欠点らしい欠点が見つからないカスタムです。

      改めて難しい施工を受けて頂き、最大の効果を発揮して頂いたことに感謝致します。ありがとうございました!

       

       

      よかったぁ。ありがたいお言葉で苦労も吹っ飛びました。長時間の窯焚きの間 緊張して温度調整をしていました。その甲斐がありました。私も「スモークド乾燥」処理に新たな1ページを刻むことができた仕事でした。

       

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      2017.05.27 Saturday

      リペア ファイル その316 

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        Headway  HD-308 Special Lot 002 / スモークド乾燥・全体クリーニング・ブリッジ調整・ナット調整

         

        同時に2台のギターをスモークしました。30時間以上 煙で燻すため(火の粉よけ)カバーもヤニで汚れていまいます。一日10時間ほど窯に薪をくべるので、乾燥庫の近くにいないといけません。火を扱うので絶えず火の元に注意しています。

         

        オール単板《スプルース・トップ/マホガニー・サイド&バック》で指板とブリッジはハカランダかと思います。これだけの素材でかつ作りも丁寧なのにハイフレットでの鳴りがいまひとつ、でした。

         

        スモーク終了。カバーから取り出しました。ヤニがボディに付着しますが、アルコールで拭き取ればきれいになるのでご安心あれ。そのあとで全体にバフ掛けするのでピカピカになります。若干全体に焼け色が付いています。

         

           

         

        シャッテンのピエゾが装着してありましたが、スモークド乾燥処理をする前に外しました。再装着します。ブリッジ下に取り付けますが、ピエゾは橋のような作りになっていて面白いですね。ブリッジピン穴からサドルトップへの立ち上がり角度をもう少し強くしたいため、溝を切りました。

         

          

         

        ナットもオリジナルより鋭角に再加工して弦の接地面を調整してやります。弦のふたつの支点から楽器全体に振動が届くようにイメージしています。スモークすれば確実に音の変化が現れますが、変化を求めているのではなく、どのように依頼主の希望に添った鳴りに調整してやるかが腕の見せ所です。

         

          

         

        表板に乾燥が進んだことを示す塗装の凹凸が現れています。スモークド乾燥処理が施されて生まれ変わった”Headway”。本家を凌駕しているんじゃないかと思うほどです。

         

          

         

        依頼主から感想を戴きました。

        「カリッとした硬めの音ですが、ストロークは綺麗な倍音を伴ってパワフルです。単音も立っていて(中略)、メロディもしっかり聴かせる事が出来る音がでているのじゃないかと思います。これから大切に弾きこんで行きたいと思います。」

         

         

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        Simon and Patrick  S&P 6  Spruce / スモークド乾燥・ブリッジ調整・サドル加工・ナット調整

         

        すでに相当弾き込んであり、こなれたサウンドです。ただ1・2弦の音が細い感じ(針金のような音と表現されていた)で6弦ももう少しクリアーに鳴ったらいいかと感じました。

         

        全体が「つや消し」でしたので、ヤニがなるべく付かないようにカバーを増やしています。それでも油分が覆っていますのでアルコールでクリーニングしました。

         

         

        ナットを再整形しています。1〜3弦は接地面を点に近づけるように削り込み、4〜6弦はそれより広くしてあります。

         

          

         

        ブリッジピンの穴の頭が深くブリッジに食い込むように 円錐状の穴を広げたり、弦の誘導溝を付けたり、ブリッジを加工して弦の立ち上がり角度を調整してやります。

         

          

         

        弦を張って音出ししたら1・2弦は改善されていますが、5・6弦はもう少し分離感が欲しいと感じました。サドル下にちょっとした加工をしてやりました。(サドル下は見えなくなってしまいますが、ここでいろんな加工が可能です。例えば牛骨の下にアルミを貼り付けてやったり、黒檀を貼り付けてやったりして”音の味つけ”が可能です。過去にリペアでいろんなギターを見てきたのでその応用です)

         

         

        全体にバランスがよくなりました。もう少し倍音が欲しいかったですが、裏板が合板だと単板のような倍音が出せないのが残念です。ネックもリセットされていて状態がいいので反応も上々。

         

          

         

        感想を戴いています。

        「今までで一番、ボディもネックも鳴っていると感じました。特にローコードのストロークの音の広がりが気持ち良いです。良い意味で柔らかい音でしょうか。」 弾き語りに使われるそうです。スモークされたこのギターで歌がよりいっそう引き立つといいですね。

         

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        2017.04.03 Monday

        リペア ファイル その304

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          カスタム ストラトキャスター / スモークド乾燥処理・ネック調整・ネックすり合わせ・ネット交換

           

          前回のLP(リペアファイルその303)に続いて「スモークド乾燥」処理したギターのリポートです。

           

           

          カスタム塗装が施されたストラトボディを「スモークド乾燥」。熱と薫煙によって変色しないか心配しましたが、ほとんど変色がなく一安心。赤系塗料などは不安定なので変色することもあります。また、焼け色(色が濃くなる)がつくこともあります。ご了承ください。

           

           

          見事な杢のネックは「順反り」していましたが、ロッド調整で大方調整できました。ただ少しネックの剛性が弱いので「スモークド乾燥」処理によって剛性アップを計ります。フレットピークを揃えるには「フレットすり合わせ」が必要でした。ナット溝の深さがフレットピークより低いのがありましたので、ナットも交換してあります。

           

            

           

          電装系はすでに極められていました。「Shur」でしかお目にかかったことがないシングルPUのノイズをキャンセルシステム(ピッカガードにPUを囲むようにコイルが巻かれている)組み込まれています。配線剤やキャパシター(コンデンサー)も選び抜かれたものが使われていました。

           

           

          私も初めて見るPUは、依頼主が数々試され辿り着いた”ベストチョイス”になっていました。

           

           

          組み込み完成。ボディカラーと同じと塗料がピックガードとピックアップカバーに塗装されています。オレンジよりゴールド寄りのメタリック塗装で、ほかでは見ないカラーでした。

           

           

           

          ピッカガードまでうまく塗ってありこの技術は相当高いですね。私には無理です。(普通のやり方では剥離しやすいんですよ)

           

           

          ネックの剛性が上がり弦の振動効率が向上しことを依頼主に感じてもらいました。ネックはヴァイオリンの世界では「第二の魂柱」とも言われて、サウンドに大きな影響を与えます。(魂柱はサウンドポストの和訳で、ヴァイオリンの駒の下の位置しトップとバックを繋ぐ円柱の棒です。この位置を少し動かすだけで出音が変わるため、「魂柱立て」の作業はバイオリンの最重要作業になっています)ネックはそれに継ぐという訳です。エレキではネックの出来の良し悪しが、サウンドを左右すると言って過言ではありません。

           

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          EVH ネック / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・スモークド乾燥処理

           

          ひどい「順反り」のネックを「アイロン矯正」してから「スモークド乾燥」処理して安定させます。

           

          ヨーロッパメイプル(これはボスニアメイプル)を使って加工された特性のEVH型のネック。比重は軽く響きのいい材です。ギター用のネックに使うにはやや剛性が不足しました。(バイオリン属のネックは弦長の約2/3ですが、ギターは弦長の約1/2で長いのです)これを燻して剛性アップを計ります。

           

            

           

          真っ直ぐになったネックのフレットを平ヤスリで「すり合わせ」してフレットピークを整えます。その後台形になったフレットの頂点(ピーク)を逆丸型の専用ヤスリで山型の整形し、そのヤスリ傷をペーパーの番手を換えながら磨き上げて行きます。ペグはゴトー製のマグナムロックが使われていました。

           

             

           

          こちらも「スモーク」効果が現れくれるでしょう。

           

          スモークの匂いが独特のものですが、依頼主の子供さんが家に帰って来ると玄関で「今日の夕飯はソーセージ?」と言われた そうです。おいしい匂いと思ってくださるとアリガタイです。

           

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          2017.03.31 Friday

          リペア ファイル その303

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            フジゲン FG N  NLP  / スモークド乾燥 処理

             

            フジゲン製LPとカスタムSTとネック1本を「スモークド乾燥」処理を行いました。主な依頼は「ネックの反り」の矯正とその安定化のために「スモークド乾燥」処理を使うことです。同時にギター/ネックを燻すことによって「音響効果」アップを計りました。

            (煙で姿が見えない)

             

            30時間燻すことによって、塗装済みのギターにも「スモーク」効果が現れるようになります。熱と微粒子の煙成分が木材内の細胞に働きかけるからです。最近は食品の「スモーク」ブームでスモークしたハムや魚・チーズを食する人も多いかと思いますが、生の食品との変化がお分かりでしょう。水分が抜け食材にも煙の薫りが移っていますね。”薫煙”によって食材の細胞に変化が起きているのです。(天然の木材も同じように変化が現れる)

             

              

             

            燃焼庫からわずかながら飛ぶ”火の粉”がギターに直接かかることを防ぐために布カバーをしていますが、同時に大方のヤニ成分も取り除いてくれます。そこを貫通したヤニがギターに付くこともありますが、エチルアルコールで拭き取りして、バフで全体を研磨するので完了するとピカピカになります。全体的に若干焼け色が着くこともあります。

             

              

             

            持ち込まれたフジゲン製のレスポールの電装系は、ハイスペックなポット・ピッックアップ・シールド・キャパシティーに交換されていました。私が初めて見るものもあり勉強させてもらいました。

             

             

            チタン製(たぶん)のブリッジにアルミ製のストップテールピース。

             

             

            スモーク後に組み上げましたが、持ち込まれた時の配線の状態になるべく近くなるように 気をつけながら作業しました。楽器の心臓部である電装系はかなり完成形なので、「スモークド乾燥」処理によってどれだけ音響的に効果が出るか体感してもらいたいからです。

             

             

            フレットはフジゲン特許の「サークルフレット」です。指板端のラインを計算上延長して、その交点から弧を書くようにに指板上にフレット・ラインを引いてあるので、フレットが緩いアールラインを描いています(1弦が一番強いアールになり22フレットはそれよりゆるいアールになります)。こうすることによって弦がフレットと直角に交差するので”正確なピッチ”が出せるようになる とのことです。

             

              

             

            すでに良質な音のレスポールですが、生音で音量が上がったことを確認して出荷しました。さて大音量で弾くとどんな具合か?

             

            じっくり弾いてもらった依頼主からの、「ネックの剛性が上がって弦の振動効率が上がった」「今までの素性の傾向のまま良くなった」と感想を頂きました。「どこまでも澄み渡るクリーントーンが実に気持ちがいい」とは、うれしい知らせです。よかった!

             

             

            「スモークド乾燥」処理により素材の剛性アップや音の伝達性の向上、倍音成分の変化など「よく弾きこんだ状態」を作ることが可能になります。煙の効能おそるべし。

             

            次回は「カスタムST」と「EVHのネック」のスモークド乾燥処理のレポートをお届けします。

             

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            2017.03.13 Monday

            リペア ファイル その300

            0

              ギブソン J−200 / 「スモークド乾燥」処理・フレット交換(オーバーバインディング)ナット交換・サドル交換・ブリッジ調整 

               

              「激鳴り!」という謳い文句で入手したJ−200が「看板に偽りあり」レベルの鳴りだったので、「スモークド乾燥」処理を所望されました。2本まで入れることができますので、以前調整したことがあるモーリスMG1002もいっしょにスモークしました。(パーツ脱着、クリーニング・バフ代金は別途必要)

               

               

              ヤニ成分が指板やボディにのっています。煤とヤニをエチルアルコールで拭き取り、その後バフで磨きあげますので最初よりきれいになります。やや焼け色が着きます。(右写真はピックガードが半分取れかかったいたので外してからスモークした図)

               

                    

               

              フレットがベタベタでしたので「リフレット」も同時に行いました。フレットを抜き去り指板面をストレートブロックを使い調整します。指板アールはゲージを使い計測し、それ(アール)を維持してあります。

               

                  

               

              ”オーバーバインディング”仕様にします。(今回使用したフレットはジャンボタイプのジェスカー♯57110)ノコギリでフレット溝をクリーニングしながら溝幅を整えます。フレットタング調整を行いタングニッパーでフレット端をオーバーバインディング用にカットした後、さらにフレット端下面を専用ジグで整形します。

               

                

               

              ネックの反りを見ながらタングを微妙に調整して、ロッドに頼らないネックの剛性を作ります。その後フレットピークを整え、次に専用ヤスリでピークをつけ直し、最終的にはペーパーの番手を変えながらフレットを磨き上げて行きます。

               

                

               

              ナットも交換します(料金はフレット交換に含まれています)お預かりしたMade in USAの”DR”の弦。初めて使いましたが、なかなかいい弦でしたよ。ダダリオEJ16にパンチ力を加えた感じ。

               

                

               

              ブリッジピンからサドルピークまでの溝を再整形します。ここの立ち上がり角度が大切です。

               

                

               

              完成。サドルも新調してあります。

              ギブソン特有の太いフレット/ジャンボフレットをオーバーバインディング処理してあります。

               

                

               

              さて、その鳴りはいかに・・・  ドーンと深い胴ならではの低音 と素材密度が上がった効果による倍音が"きらびやか"になっています。ゴージャスなサウンドです。やはりJー200はこうでなくっちゃ。メイプルバック・サイドはローズとは違い、メローな響きがありますね。Jー200の素材構成はアーチトップのジャズギターと同じです。この辺りがバイオリン属を生業としてきた「ギブソン家」の作りの継承が感じられます。 「マーチン家」との違いが現れていますね。

               

                

               

              依頼主にもこの鳴りの変化に納得していただきました。スモークの香りがお酒に合うって言ってくださりました。

               

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              2016.10.06 Thursday

              リペア ファイル その267

              0

                77ギターズ ALB-1  / スモークド乾燥処理・電装系交換・ナット交換

                 

                ヘッドウエイのラインナップに連なる「SeventySeven Guitars」です。細部まで手が抜いていない楽器ですが、これといった特徴がないサウンドでした。そこではるばるやって来てくださった依頼主は「スモークド乾燥」を希望され、前回のブログで紹介させてもらった「テイラー」といっしょに薫煙しました。

                 

                 

                30時間燻されたギター。全体的に「焼け色」が付いています。ヤニ成分も多いのですが袋掛けしているので本体には多く付着しませんが、それでも油分が表に付着します。それをエチルアルコールで拭き取ってからバフで磨き上げるので、ギターそのものは綺麗な状態です。(若干、燻製の香りがしますが・・・)

                 

                  

                 

                ローズ指板は塗装膜がないので煙が木地に直接届き、「スモークド乾燥」処理によって”鳴るネック”になって行きます。フレットのヤニをスチールウールで擦り落としました。

                 

                 

                弦振動をネック側で受け止める「ナット」は「音作り」の基本です。牛骨ブロックを精度高くナットへ加工します。

                 

                  

                 

                ヘッドスタイルは”ジャズギター”でよく見かけるラージタイプです。音の輪郭がしっかりしますね。

                 

                 

                「スモークド乾燥」処理のためパーツを全部外しました。そのパーツの電装系(ポット・コンデンサー・アウトプットジャック・シールド)を一新します。CTS製のポット・スイッチクラフト社のジャック・オレンジドロップ・ベルデンワイヤーといった具合です。この交換によって情報量が増えますよ。PUキャビティの中を導電塗装しておきました。

                 

                  

                 

                「スモークド乾燥」によって生鳴りがまたく違ったものに。もうすでに出音が大きいです。その元気のある振動が電装系交換によって減退することなくなく出力されますので、PUを交換することなくグレードアップされました。反応が早く、サスティーンも向上しています。セミホローギターの良さであるフロントPUのメローなサウンドが秀逸でした。

                 

                  

                 

                『スモークド乾燥』を施すと細胞レベルで下記のような変化があると思われます。

                「木材の細胞には、多くのセルロースと少量のリグニン・ヘミセルロースなどの物質があり、セルロース間に結合水が存在する。その結合水がスモーク効果によって減っていくと、セルロース同士が結びつき強固になっていく。そのため剛性がアップし、また音の伝導率がアップされる」科学分析はしていないですが、このように考えています。

                 

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                2016.10.02 Sunday

                リペア ファイル その266

                0

                  テイラー・アコースティック200 / スモークド乾燥処理・ナット交換・サドル交換(オフセット加工)

                   

                  遠方からはるばるやって来てくださった依頼者が、持ってみえた2本のギター。袋掛けしてスモークするべく乾燥庫に入れました。(1本分の脱着料金は別途かかりますが「スモークド乾燥」処理は1本も2本も同じ金額でお引き受けしています。)

                  そのうちの一本は、Taylorの生ギター仕様でドレットノートに匹敵する容量を持っていましたが、若干 Dタイプとしては軽い音でした。

                   

                   

                  30時間以上煙で燻しています。温度も楽器に負担にならない程度に上げています。冷燻で試みたこともあったのですが、ある程度の温度があった方がいい結果が出るのでこうしています。その分神経は使いますが。ギターが燻し効果で少し「焼け色」が付いているのが解るでしょうか?

                   

                    

                   

                  指板についたヤニをスチールウールで磨いて落とします。ボディ、ネックのヤニ成分はアルコールを使い拭き取っています。この機は”つや消し”だったのでバフで磨くことはできませんが、そうでないケースではバフで仕上げています。

                   

                   

                  「スモークド乾燥」で材木の振動率アップと剛性アップが計られましたが、チューンはそれだけでは完成しません。ナットとサドルを交換して希望の音質に近づける設定をします。ナット形状も「音つくり」には重要なパーツです。またトラスロッドも微妙に調整しています。ネックの鳴りが全体のサウンドの味付けに欠かせません。

                   

                    

                   

                  サドルの長さ決めのショット。私はベルトサンダーを立てて使っています。(後ろで覗く美女は昔作ったコラージュ作品です)ブリッジピン穴にテーパー加工されていませんでしたので、逆笠状に加工しています。こうするとピンの脱着が楽になりますね。

                   

                    

                   

                  オクターブでのピッチの狂いを最小限にするため「オフセット」加工も施します。アコギはエレキのようにサドルを可変できませんので、弦のゲージを変えるとピッチが合わなくなります。

                   

                   

                  スモークするため一旦パーツは全て外してありましたが、組み直しました。後付けのピックアップは「フィシュマンのレアアースブレンド」。テーラーのサウンドとは違いますが、マグネットとマイクの組み合わせで”エアー感が醸し出せるので人気があるシステムですね。

                   

                    

                   

                  完成。 音量、サスティーン共に改善されました。倍音も増えて音に深みが出たと思います。本当はもう少し音量が稼げると踏んだのですが、バックの剛性がやや不足しています。これはアーチバックスタイルのプレスバックのためだと思いますが、ここのタップトーンがトップに対してもう少し高くなると、倍音が複雑になってDタイプボディの特性をもっと出たかも。依頼主からは「ごまかしがきかない楽器に変わった」とコメントを頂きました。

                   

                   

                  遠方からの来客ご一行様は依頼主のほか奥様・お嬢さん。小さい子には楽器工房はつまらなかったかも知れませんね。ごめんなさい。少しでも恵那の観光を愉しんでもらえたらと、「栗菓子」で有名なご当地グルメと近場の温泉をご紹介しました。

                  そうですね。恵那近郊にはたくさん温泉があるんだった。”温泉巡り”がてら楽器を持って9notesへいかがですか?

                   

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                  2016.09.04 Sunday

                  リペア ファイル その260

                  0

                    M・J フランクス     ドレットノート・タイプ / スモークド乾燥処理・サドル交巻

                     

                    過去に「ギターマガジン」で紹介されたという米国・ミシガンのルシアー ”マイク・フランクス”製作のドレットノートタイプのギターです。D−28モデルです。どこを見ても細かいところまでよく作られている楽器で材料も一流です。アディロンダック・スプルースTOPでバック・サイドはブラジリアン・ローズウッドの柾目材です。

                     

                     

                    音色もバランスの取れた格調高い感じでしたが、これだけの素材と作りなら「もっと鳴ってもいい」だろう、と正直感じました。依頼主もそう思われたと察しますが、「もっと音量を」「芯のある音で低域はズドーン」が御希望です。ブルーグラス奏者なので音量は大事な要素だと感じました。

                     

                    「スモークド乾燥」処理に入ります。接着にはニカワ、ピックガードはセル製のため通常より温度を低めに設定し、長めにスモークすることにしました。ついでにバンジョーの駒もいっしょにスモーク。

                     

                      

                     

                    燻しスモーク効果で乾燥が進みます。全体的に”焼け色”が付きます。スモークの匂い残りますが、そんなにきつくないと思います。

                     

                      

                     

                    ギターに”袋掛け”してあるのでヤニはこちらに主に付着しますが、全体を油分が覆うのでアルコールで拭き取ります。そのあと全体をバフで磨き上げるのできれいに仕上がります。

                     

                     

                    オリジナルのロングサドルには駱駝の骨”キャメルボーン”が使われていましたが(ナットはそのままで再整形して使いました)少々弦の食い込みがありましたので、『匠』ブランドの牛骨に交換することにしました。この素材は厳選されているうえ特殊加工されているとのことです。実際、削ってみますと極めの細かいカスが出ます。密度が高いので伝導率に優れています。

                     

                      

                     

                    最近のマーチンもそうですがこの機も、「ロングサドル」底面に掘り込み加工してあります。なぜかと言うとロングサドルの端っこは欠けやすくなるのです。昔は底面を接着してありましたが、将来交換がするのが前提に作ると接着するのはまずいでしょ。そうなるとこの段差加工が正解である訳です。 オフセット加工も施しました。

                     

                      

                     

                    ヘッドもヴィンテージ・マーチンをお手本に忠実に再現されています。

                     

                      

                     

                    材料の選別が行き届いていてネック材・駒材・指板材も一級品です。米国・カナダの材木商からより選っていますね。かの国には材木の豊富なストックがあるのでしょう。それを「スモークド乾燥」処理すれば、そのポテンシャルをさらに引き出してやることができます。

                     

                      

                     

                    トップ・ネックの剛性が上がり、サスティーンが伸び、音の立ち上がりが改善されます。また「音量アップ」もその特徴です。さて、依頼主の感想は・・・

                     

                     

                    (メールを頂いたのをご了承得て前文を記載させて戴きました)

                    --------------------------------------------------------

                    9notes 勝田様

                    ご連絡遅くなりました。
                    先週末に時間を作りギターの報告をさせて頂こうと
                    考えていましたが、仕事等要件が入り中々ギターを
                    弾く時間をまとめて取れませんでした。

                    本日、時間が取れほぼ一日(飛び飛びでしたが)ギター
                    を弾く一日が過ごせました。

                    お送り頂いた日に感じ書かせて頂いた事と同じ感想です。
                    ひじょうに気に入っておりまさす。このギター個体の
                    特徴でしょうか?20〜30分程弾きこんでより鳴り始め
                    ました。楽器店で試奏した時は、1時間程弾き込んで
                    俄然鳴りだしました。定期的に弾く事でこのタイムラグ
                    は無くなりました。おそらく今回も同じ様に弾く事で
                    タイムラグは、無くなると思います。

                    今回も途中から除湿機を使い湿度53〜55%で弾きまし
                    た。前回の第一印象どうりの鳴りです。とにかく音量が、
                    驚く程出ています。低音弦を思いっきりピッキングしても
                    音がつぶれる事なくガツーンとストレートに反応します。
                    低域から高域まで、音の粒がそろっている感じで、コード
                    を弾いても一つにまとまった音が、気持ち良く出ます。

                    ハイフレットでスケール弾きをして気ずいたのですが、サ
                    ステーンも気持ち良く響きます。サムピックとフィンガー
                    ピックをつけてのフィンガーピッキング。サムピックと指
                    先でのフィンガーピッキング。どちらのピッキングもいま
                    までは高音弦が、やや詰まった感じがありましたが一音ずつ
                    の音の粒と前回報告させてもらった、高域の太さとサステ
                    ィーンの具合か、こちらも良い感触です。レスポンスが良く
                    なりました。

                    前回も書かせて頂きましたが、弾いていて楽しい楽器です。

                     

                    --------------------------------------------------

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                    2016.06.11 Saturday

                    リペア ファイル その240

                    0
                      エドガー・メンヒ / 表板割れ補修・ブリッジのダブルホール加工・スモークド乾燥処理・駒再接着

                      ある工房の閉店に伴い当工房に「チューンナップとスモークド乾燥」の打診がありました。私が適任かは解りせんが、精一杯の仕事をすることにして お引き受け致しました。当工房は岐阜県の山の中にあり首都圏からは遠く離れていますが、少しずつそういう依頼が増えています。ありがたいことです。

                      さて、弾き込まれたクラシックギター(エドガー・メンヒ製作)のチューン・改良作業に入ります。「スモークド乾燥」処理することを前提に故障箇所の修理と各種チューンを施します。


                      表板が変形していました。これをどのように改善するか検討します。トップの矯正をするか否か。表板が凹んでいるのにも関わらす弦高は適正を保っているところを見ると、極端に乾燥が進んだ結果凹んでいる訳でないことが解ります。ただ中央に亀裂があることから、内部で湿度調整してやることに。湿度により割れが復元した頃を見計らい中央の亀裂部を接着しました。
                        
                      湿度調整でも表板の凹みは完全に修正できませんが、やや戻りました。力木の補強材を入れて「矯正」するのは、音質が変化するので選択しませんでした。

                      ブリッジの弦通し穴を「ダブルホール」にして欲しいとの要望で、ブリッジを加工するため「外す」ことにしました。(ギターに張り付いた状態ではダブルホールにすることは不可能)照明用電球でブリッジを暖め(周りが焼けないように養生してある)ながらパレットナイフでブリッジを外して行きます。
                        

                      ブリッジを外したら表板び変形がかなり改善さえました。ブリッジが「つっかえ棒」になっていたのでしょう。この楽器は内部が塗装されていましたが、珍しいことに表板の裏側も塗装されていました。バック・サイドの内部を塗装してある楽器は、ときどき見かけますが、表板の裏側まで塗装されているのは、初めて見ました。


                      ブリッジを外した状態で「スモーク」しました(フレットも打ち換えるので、フレットも抜き去った状態でもある)スモーク乾燥により木部の安定が増します。30時間燻します。その間、温度管理と煙の量を調整しながら薪をくべる作業を続けます。火の粉が塗装膜を犯すのを防ぐため、通気性のある袋に入れています。
                        
                      「スモーク」後は、エチルアルコールで煙のヤニ成分を拭き取ります「スモーク」により全体がやや燻し色(薄い黄色)になります。「スモークハム」と同じような匂いがつくのは、同じ技法だからです。これで一杯やれる、と言った人がいました。最後はバフで磨き上げます。

                      弦と通し穴を「もう一箇所づつ」増やします。全部で12個の穴が開いていることになります。ダブルホールの利点は、サドルへの立ち上がり角度が強くなることから、サドルへの圧力が増すことです。その結果、音量アップが期待できます。また振動ロスが減るのでダイナミックレンジも増えるでしょう。
                        
                      ある程度表板が矯正されている状態で、再びブリッジを接着しました。ダブルホール化した結果、表板もいい状態に改善させてまずまずでした。この楽器の表板は、”ベアクロウ”が入っていました。(”ふ”が入っている。杢とは違う)最近アコギでは、この材を好んで使う製作家が増えていますが、クラシック製作家はほとんどいません。ドイツからカナダへ移住したメンヒは、自由な発想をお持ちですね。硬くて軽い材を選んだ結果だと思われます。

                      この後、指板のアール加工、背の高いフレットに交換、水牛素材でのナット・サドル加工、オフセット加工に続きます。

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