2018.11.10 Saturday

リペア ファイル その498

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    フェンダーUSA JAZZ BASS / ネッアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット交換・PUアジャスト用ウレタン交換・弦高調整・アウトプットジャック交換

     

    米国産1970年代製のJB。「音量が落ちて来た」とのことでチェックしました。ネックが反って弦高が高く、そのうえピックアップから弦までに距離がありました。

     

    PUを外してみると、古いアジャスト用のウレタンフォームが完全につぶれて、PUを持ち上げることができない状態でした。

      

     

    石油系の素材は、経年変化で一部がドロドロにもなります。それを拭い去って、新たに固めのウレタンを底に敷きました。

      

     

    順反りになったネックをアイロンヒーターで加熱して矯正します。木材は加熱すると曲がる性質があります。逆反りになるように矯正してあるので、「擦り合わせ」もストレートにするというより”山なり”に仕上げてあります。(弦を張って真っ直ぐになる感じにしてあります)その後、ピークをつけ直し、一本ずつフレットを磨いて行きます。

      

     

    プラスチック製のナットが劣化して欠けていましたので、牛骨で新たに作り直しました。JBのネックにはバインディングが入っていますので、ナットはその間に収まるように作ります。

      

    この時期のネックはヘッド側でロッド調整するようになっています。

     

    同じくこの時期のフェンダーには、ネックアングルを調整する機能も付いています(小さな穴から6角レンチを突っ込みビスを押し上げる仕組みです)。わずか「仕込み角度」を付けました。

      

     

    ピックアップもしっかり立ち上がり、サドルの脚も上げてブリッジエンドからサドルピークへの「立ち上がり角度」も充分取れました。よくこの角度が浅くペタペタのサドルを見かけますが、これではタイトなサウンドを望めません。反対にこの角度が強すぎると太い弦の剛性に負けて、弦の振動する幅が狭くなる現象が起ってしまいます。適切な角度というものがあるのです。

      

     

    ジャックは消耗パーツですので、この機会に交換しておきます。

      

    アッシュボディに3トーンサンバーストがかっこいいです。出音は、音の粒立ちと輪郭がはっきりし音量もアップしています。いいころ加減に枯れているJBサウンドは、ベーシストが一本は持っていたいと願う音であろう、と思いました。

     

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    2018.11.06 Tuesday

    リペア ファイル その497

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      コポーメント・カスタムストラト / フレット交換・ナット交換

       

      MJTのエイジドSTボディを完成させた固体の「フレット」を交換しました。ボディやネックそれに好みのPUを選んで一本のギターを作るのを80年代は”コンポーネント・ギター”と呼んでいました(Moonやシェクター・ESPなどがありました)が、現在はなんと言うのだろう? 

        

      MJTとワーモスとは違いは、MJTの方はエイジド/レリック塗装が本業だそう。

       

      フレットを抜き去り指板をまっすぐ(わずか逆反り)に調整します。フレットは「ジェシカー♯55090」を使用。フレット溝とタングの関係を見極めながら一本一本打ち込んで行きます。

        

       

      その後、フレットピークのレベルが全て揃うように平ヤスリでピークを調整してから、再びピークを切り出して磨いておきます。

        

       

      ナットも交換。ヴィンテージタイプの指板でしたのでアールはきつめの『7.25インチ』で、ナット底も同じようにアールをつけます。取りつけたらナット溝を専用ファイルで切り込みます。

        

       

      フレット端はやや立ち気味で仕上げ、軽く丸めてあります。こうする弦落ちしないで指板幅いっぱい使えるようになります。

       

      ピックアップは米国製の”Kliein Pickups"の"Jazzy Cat”。ジョンメイヤーが使用して有名になりました。ミッドが強調されたクリーントーンが特徴で、PRSから販売された”Silver Sky"のピックアップもこのトーンを表現してるとか。

        

      ピックガードはセル製。やはり塩ビ製より表情が深いですね。

       

      ストラトにはこの「セラコン」(セラミックコンデンサー)がいいと私も思います。オイルやフイルムよりもシングルPUのアタック感が際立ってストラトらしいから。

        

       

      塗装にクラックが入ってヴィンテージ感満載。(これを再現するところがMJTの塗装技術)

        

      シンクロナイズドトレモロのサドルは”Raw Vintage"に交換されていました。もちろんスプリングも”Raw Vintage"でした。

       

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      2018.11.02 Friday

      リペア ファイル その496

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        F.Mueller(フリッツ・ミュラー)8弦 / 調整・ネック塗装

         

        バッハ協会理事のギタリスト中峰秀雄先生の8弦ギターを調整させてもらいました。その先生のブログ内で『メンテナンス/調整』の意味をうまく解説されていたので、承諾を得てブログを転載させてもらいました。(なかなか一般にギター・メンテナンスの必要性が理解されないのでリペアマンとしてはありがたい内容です)

         

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        F.Muellerメンテナンス

         

         

         

        ミュラーF.Mueller2010年の調整・9notesにて完了。
        8月に、飛行機持ち込み対策として、
        棹、ボデイーの脱着可能に改造していたのですが
        (よせば良いのに?やって見ないと納得しない私でした。(/^@^_)
        やはり、棹とボデイーの接合部に歪が出るのか?
        弦高が高くなりイマイチ、よろしくない??
        オリジナル状態に復元して頂きました。
        楽器のメンテナンスは、車と同じで必要ですね。
        弾きにくい、疲れやすいと感じたら?故障・調整のサイン。
        今回は、復元の他、棹の反り修正のアイロン処置と、
        弦高,鬘隠殴侫譽奪箸韮押ィ献潺蠅膨汗旭様蝓
        ミュラーのオリジナルの棹は、オイルフィニッシュでほぼ、
        生地状態だった。(これは、気に入っていたのですが)
        反り予防対策として、湿気予防に、新規に塗装もして頂きました。
        完璧にリフレッシュして、以前にも増して良い音です。
        私一番のお気に入りのG.Yulongと互角の音量・パワーになりました。
        Yulong, Mueller共に大音量ですが、それぞれ鳴り方のコンセプトが異なります。
        凄い8弦を二つ、所有している幸せを今更ながら再認識した、一日でした。
         

        中峰秀雄・新ギタリスト日記(2018/10/31からの転載)

         

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        2018.10.28 Sunday

        リペア ファイル その495

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          Fairbanks M-20  /  ネックヒーター・フレットすり合わせ・ナット交換・サドル調整・PU取り付け

           

          米国製作家のフランクバンクス氏のOMタイプ。氏はオールドギブソンタイプを得意としているそうで、ヘッドや力木はそう感じさせました。大変よくできた楽器で製作レベルの高さは勉強になりました。プロの目で見ないとどこがどうレベルが高いのか、素人さんでは違いが解らないかも知れません。目を養うのもプロへの道のひとつです。

           

          ネックが反っていました。アイロンで矯正してから「すり合わせ」してフレットピークレベルを整えます。

            

           

          平ヤスリによりフレットの頂点が平らになっているので再び半丸に削り直してから磨いておきます。ナット溝が低くなっていたので、新たにオイルドボーンで作り直しました。

            

           

          19フレットまでしかありませんが、ブルーグラスやフォークではこれで充分かも知れません。鼻の下がすっきりしている感じです。

            

           

          ロングサドルの弦高調整はサドルの上面を削って行います。ブリッジの幅が狭いですね。オールドタイプです。

            

           

          これに本来、PU取り付け加工の写真が続くはずでしたが、カットがなかったです・・

           

          トップはきっといわれのある材を使っていると感じましたが、詳細は不明。アディロン・スプルースとはちょっと違うかと思います。バック・サイドはマホガニーでしょうが、この材も普通のマホとは趣きが違います。なんだろう・・・特別な材で構成させている楽器であることは間違いありません。

            

           

          特別に装飾が入っているとかないですが、”切れ切れ”の仕事が施されています。面もすっきり仕上がっていて、下地から丁寧な仕事がされていることが伺えます。米国に「シェーカー家具」と呼ばれる簡潔で合理性に優れた家具がありますが、それを想起させました。

          シェーカーに格言があります。

          「美は有用性に宿る」「規則正しいことは美しい」「調和の中に大きな美がある」「言葉と仕事は簡素であれ」

          なるほど。

           

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          2018.10.24 Wednesday

          リペア ファイル その494

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            マーチン D−35 / LRバックス・リリック 取り付け加工  《ピックアップの雑音の原因について》

             

            生音がいいのは解っていますが「音が届かない 」となれば、ピックアップを取り付けることになりますね。なるべく外観を変えない選択となればサウンドホールに取り付ける「マグネットPU」はNGになります。ピエゾかマイクか選ぶことになります。

             

            「アンダーサドルピエゾ」もいいのですが、もっと生音に近いエアー感が欲しい となれば「マイク式」がいいでしょう。L.R.Baggsの”Lyric”はブリッジ下に貼り付けるマイクですが、こもった音はしなくてクリアーなサウンドが得られます。ただしピエゾよりハウリングに弱いですが。

              

             

            ”ボリュームコントローラー”と”電池ボックス”と”エンドピンジャック一体化のプリアンプ”に"TRC.MIC"の4点でできています。

              

             

            ストラップピンを外して(外れなくて首で折れた)リーマーでジャック用の穴を開けていきます。最終的に径12ミリの大きさにします。

             

            ブリッジ下に貼り付けられた"TRC.MIC"とサウンドホール脇に貼り付けてた”ボリュームコントローラー”。

              

             

            《ピックアップの雑音の原因について》

            生ギターに後付けのピックアップが幾種類も販売されていますが、使っていて「ガリ音」とか「ノイズ」などの雑音が発生することがたまにあります。その原因をいくつか考えると

            1・電池の残量不足

            2・アウトプットジャック内の酸化による接触不良

            3・電池ボックス内のバッテリースナップの劣化による接触不良

            4・ピエゾ本体から出ているシールドの弱い部分の劣化による接触不良

            などが考えられます。

            1は案外多いので電池交換をまめにしましょう。電池の残量を計る計測器を持ていると便利です。

            2・ジャック内にコンパウンドを塗った綿棒を突っ込み磨くといいです。

            3・サウンドホールから手を突っ込み狭い空間で電池交換をするので、ここも痛むことがあります。

            4・ピエゾ素子とシールドのつなぎ目やシールドとピンジャックのつなぎ目が弱いのでここでノイズが発生することもあります。

            それ以外ならばプリアンプの不良になるでしょう。

            (エレアコでも同じことが言えます)

             

              

             

            3ピースバックに指板にセル巻きが特徴のD−35。28とはまた違う出音が持ち主の個性にも繋がりマーチンギターのシリーズの中でも独特のポジションがありますね。

              

             

             

            関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

             

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            2018.10.15 Monday

            リペア ファイル その493

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              マーチン D−18 / ネックヒーター・フレット交換(ナット交換を含む)・ブリッジプレート増設

               

              いい感じに枯れている1969年代製マーチンD−18。指板とブリッジにはハカランダが使われていました。ポジションマークが15フレットまでしか入っていないのですね。

               

              ネックが反って弦高が高くなっていました。フレットもずい分減っていましたので「フレット交換」することに。ネックアイロンで反りを修正しながらどのくらいのネック強度を確かめています。これによりフレットタングのキツさを決めています。

                

               

              フレットを抜き去るとかつて「ネックリセット」した名残の穴(15Fに)が出て来ました。指板をペーパーを貼ったストレートの盤で修正しますが、ヴィンテージの楽器は指板修正はほどほどにします。過去からリフレットを繰り返していると指板がひどく薄くなってしまうからです。

                

               

              フレットはミディアムゲージのJESCAR ♯55090を選択。フレットタングを調節しながら打ち込んでいきます。

                

               

              指板面で追い込めなかった精度をフレットピークの調整で出して完成させました。また若干ヘッド側を多めに削ってフレット上面で「仕込み角度」をつけてあります。

                

              スムーズなフィンガリングができるようにフレット端を軽く丸めました。

               

              フレット用の半丸・三角ヤスリを使ってフレットの頭に再び頂点をつけ直し、次にペーパーの番手を換えながらフレットを磨いていきます。

                

               

              ナットも交換します。ナットの底にも角度が付いているので少々難易度が高い作業です。どうしてフラットにしなかったのか未だに解りません。わざと難しくしなのでしょうか?

                

               

              トラスロッドがないネックなので、弦を張って真っ直ぐになるように「フレット交換」しなくちゃなりません。元々のネックの剛性とか弦の張力とかその楽器のクセとかいろいろ考慮して作業しているのです。

               

              下の写真はオリジナルの状態。ブリッジピン穴からサドルまでの距離が近いため、6弦のボールエンドの巻き戻し部分がサドルに乗りそうです。こうなると抵抗が大きくなって弦がスムーズに振動してくれません。ですのでボールエンドの位置を下げるため5ミリのメイプル板を裏側のブリッジプレートに貼り付けました。ボールエンドの位置が下がると、巻き戻し部分がサドルに乗っかからないばかりか、サドルへ掛かる圧力が増えて音量増加や弦振動の情報量が増えるなど見込めます。

                

               

              位置を決めて両面テープで圧着します。(いつも引き上げる作用が働いているので外れることはありません。またもしPUの取り付けなどでこの位置が邪魔なときは、取り外すこともできます)

                

              力木は「ノンスキャロップ」で、さらにXブレーシングの間には 大きめのローズのブリッジプレートが貼られていました。このプレートがトップの膨らみを押さえる効果があるように思いました。(この大きさのプレートははじめて見ました)

               

              完成。サドルを削ることなく弦高を下げることができました。

               

              グローバーペグに丸角ヘッド。依頼主から「前よりも遥かに良い音がします」とお言葉をいただきました。ありがとうございました。うれしいです。年代モノのマーチンギターはコンディション維持は大変ですが、新しいギターでは出せない豊かな音が鳴ります。メンテナンスやリペアを加えながら末永く現役のギターであって欲しいと願っています。

                

               

              関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

               

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              2018.10.11 Thursday

              リペア ファイル その492

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                SUZUKI クラシックギター / フレットすり合わせ・ナット交換・サドル交換・全体クリーニング

                 

                蔵の中にあったという古い古いスズキのクラシックギター。なんとオール単板モデルでした。昔のスズキのクラシックギターのほとんどは合板製でしたので、「こんなモデルもあったのか」と驚きました。

                 

                ヴァイオリンの量産スタイルを確立したスズキですが、昭和前半にマンドリンやクラシックギターの生産にも取り掛かったようです。このギターはヴァイオリンと同じ材料のトップ・スプルース/サイド&バック・メイプル/ネック・メイプルとクラシックギターとしては少し変則の材料で作られていました。

                  

                 

                フレットの打ち方に少し難がありましたので、フレットの頂点を整えるために「フレットすり合わせ」をしました。

                  

                 

                合金であるフレットは酸化してくすんでいましたが、ペーパーで磨いていくとピカピカに生まれ変わります。

                  

                 

                ナットの精度も低かったので牛骨で新たに作り直しました。

                  

                 

                サドルも同じく新調しました。弦高をなるべく下げて欲しいとのことでサドルで調整します。12フレット上で1弦2.5ミリ 6弦4ミリに設定しました。

                  

                 

                ギターというモノは捨てられないのですね。ときどき、蔵とか押入れとか物置から古いギターが出て来ます。このギターはネックの状態がよく、保管してるところの湿度があまり高くなかったと思われます。どうしても空気が動かない場所に長期に保管されると、塗装のしていない指板が湿度を含み、伸びてネックが狂ってしまいます。おまけに弦が緩めてなかったりすれば、ひどい順反りになり弦高が高くて弾けない状態になってしまいます。

                  

                この楽器は全体に「埃焼け(ほこりやけ)」(埃に油分が吸着して全体に薄い膜を作っている状態)していましたので、コンパウンドを塗ってバフで磨き上げました。すると鏡面が復活してくれます。きれいになって依頼者には喜んでもらえました。出音は豊かで低音がよく鳴っていました。3番線のハイポジションも音痩せがなく、単板モデルの実力を垣間見ました。

                 

                クラシックギター修理 インデックス http://9notes.jugem.jp/?eid=648

                 

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                                                                                          ギター工房9notesは岐阜・恵那インターチェンジより車で15分

                 

                 

                 

                 

                2018.10.07 Sunday

                リペア ファイル その491

                0

                   Gibson J−45 / フレットすり合わせ・ロッド調整

                   

                  ほかのメーカーよりもギブソンに軍配が上がるポイントがひとつふたつありますが、ひとつは”カラーリング”塗装だと思います。サンバースト塗装やこのブラック塗装などはその典型で「good looking」ですね。

                   

                  丁度メンテナンスする時期だったので点検しますと、フレットがやや減っています。この程度ならまだ「打ち換え」時期には早いと判断して「ロッド調整」して「フレットすり合わせ」することにしました。定期的に楽器をメンテナンスするとコンディション維持にいいです。フレットも一部だけ減るとバズ音が出たりピッチが不正確になるので「すり合わせ」してフレットピークが尖っている状態にしてやると気持ちよく演奏できます。

                   

                  平ヤスリでフレットピークを整えたら、三角ヤスリや半丸ヤスリを使って再び頂点をつけ直します。そのときフレットに細かなヤスリ傷が付くので、ペーパーや消しゴムのようなヤスリを使って傷を番手を徐々に細かくして磨いて行きます。20フレットあればすべてのフレットに5回ぐらいペーパーを換え換え磨く作業をやっております。

                    

                   

                  最近は仕上げに金属磨き粉を使っています。指板もクリーニングして「再びきれいになった指板で、気持ちも新たにプレーしてください」という願い込めています。(本当だよ)

                    

                   

                  歴史のあるJ45のピックガードはいろんなスタイルがありますが、これは薄手のティアドロップ型。ブリッジの向きとかサドルがアジャスタブルになったり、リング数が変化したり年代によって特徴がありますね。

                    

                   

                  J−45はマホガニーバック&サイドですが、甘めのマホトーンはしません。ローズのような煌びやかな倍音はないですが、音の輪郭もしっかりしているしドンシャリ系の音もします。エッジの効いた力木の関係かと思います。力木は高さのある薄手で、三角形っぽいのが特徴で、結構粗い仕上げです。ギブソン系の楽器を模するときは、どの製作者もそこのところは外していません。サウンドの味付けがそんなところにあるのは面白いですね。

                    

                   

                  関連ブログ: ギブソンギター修理 インデックス

                   

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                  2018.10.03 Wednesday

                  リペア ファイル その490

                  0

                    オベーション・コレクターシリーズ’02 /  ブリッジ剥がれ・ビス止め補強・接着

                     

                    ボディの肩のところに小さなサウンドホールがあしらわれ、そこを色とりどりの木片で飾ってあります。これは「落ち葉」をモチーフにしているそうで「リーフホール」と呼ばれています。

                    ブリッジ(駒)が浮いていました。それに吊られて塗装面も浮きが見られます。リーフホールが小さく遠く、サウンドホールからクランプ圧着という訳には行きません。

                     

                    なので、ブリッジに穴を開けてボルトで加締めることにしました。この方法はブリッジの補強として現行品でも取られています。ボルト入れて締めるときに粘度の低いエポキシ接着剤も流しこんで置きます。また塗装の断面に接着剤が浸透するようにも工夫しました。

                      

                     

                    穴塞ぎに貝(パール)を入れてあります。

                     

                    裏側。ボルトナットがある部分は始めから補強されていました。その部分を狙って穴を開けています。オベーションはマーチンのようなXブレイシングでなく、伝統的なファンブレイシングを採用しています。斬新な楽器なんですが音作りは古典的と言えます。これは、創業者の嗜好だそうです。

                     

                    オンボードアンプはそれ自体外して電池交換できるような構造ですが、これが外しにくいんです。硬いんです。(これだけの修理依頼があるくらいです)裏蓋がありますから、そこからアンプの外の隙間から本体を押し出すことも可能です(が、ちょっとコツがいります)

                      

                     

                    指板には12F以外ポジションマークがないですね。ネックは薄くエレキ並みです。

                      

                     

                    杢有りメイプル合板トップ(カラーリングしてある) ボールバックの中央に裏蓋が有り配線やメンテナンスができるような仕組みです。サイド/バック一体構造なので丸く、このまま置くには安定が悪いです。ディープボウルは胴が深い分、低域がしっかり出て音に厚みがありますね。

                      

                     

                    ラインで採ると最高なギターですが、ディープボウルは音圧もあり生音もいいです。私にはキラキラした音が宙に一直線に飛んで行くように感じます。

                     

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                    2018.09.29 Saturday

                    リペア ファイル その489

                    0

                      Chaki コントラバス / 弦高が高い・指板調整・ナット調整・駒調整

                       

                      持ち込まれたのは国産ブランド「チャキ」の合板トップのコントラバス。(現在は生産していません)

                      国産で現在もコントラバスを生産しているメーカーは「オリエンテ/ヒガシ」と「スズキ」ですが、「スズキ」はほとんど作っていないというので「オリエンテ/ヒガシ」だけになるでしょうか。

                      弦高が高くて弾きひくいので下げて欲しいとの依頼です。コントラバスは擦弦楽器(さつげんがっき)で弓で弦を擦って音を出すものですが、フォークバンドで使う場合、ウッドベースと呼ばれ”指弾き”して演奏されます。なので、擦弦楽器として使う場合ではビビッて下げられないほど弦高にまで下げることができました。

                       

                      今回、弦高が高くなる原因は「ネックの反り」にありました。(駒の上面を削って下げることもできますが、それには限界があり、指板の調整と駒の調整と組み合わせて、弦高を下げます)

                        

                       

                      指板を削るために、まずはナットを外します。アイロンでニカワを弛めてパレットナイフを差し込んで外しています。

                         

                       

                      擦弦楽器の指板はフレットあるギター属(撥弦楽器)とは違ってやや”弓なり”に作ってあります。中央が1ミリくらいの”隙”になるように指板の上と下をカンナで削って行きます。このとき仕込み角度を定規を当てて適切になるよう注意しながら、また指板面のRがくずれないように自由定規で計りながら作業しています。

                        

                       

                      指板は黒檀でなくブビンガ(?)のような材木でした。焼けるとやや黒っぽくなります。駒(ブリッジ)の上面も削って調整します。

                        

                       

                      指板を削った分、サドルも低くしなくてはなりません。弦を張ってテンションを掛けてネックの反り具合を確認しながら、指板の最終部分で弦高をチェックします。反りが大きければ再び指板を削ったり、弦高が高すぎれば駒の上面を削ったり、何度も調整を繰り返しています。

                        

                       

                      指板の最終部で1弦3ミリ 4弦6ミリと低い調整。ローポジションでしか演奏しないそうなので、かろうじてビビらないギリギリの設定です。

                        

                      「かぐや姫」がそうでしたが、アコギにウッドベースが入ると演奏がぐっとしまって表現力に幅がでます。ロカビリーやカントリーにもウッドベースが必需品です。バンドを下支えしますね。オーケストラ以外にジャズをはじめブラスバンドまで使われる用途の広いコントラバス・ウッドベースですが、プレーヤーが案外少ないです。中高で吹奏楽部が人気ですので、ここで腕を上げた女学生のプレーヤーが将来のプロ予備軍になるのではないでしょうか。

                       

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