2018.09.16 Sunday

リペア ファイル その487

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    Yokoyama Guitar SSAR-AAM  / 表板クリーニング ・ピックガード作成

     

    一部で絶大な人気があるヨコヤマギター。希少材を使っていることでも有名です。

     

    ピックガードを外した痕(両面テープがこびりついていて、傷も付いていた)が表板に残っていて、それを丁寧に剥がしてから♯1500番のペーパーで全体をサンディングしてからバフで磨いてあります。そこに新たに透明なピックガードを作製しました。はじめは塩ビ板で作ったのですが(右の写真)これだと粘着シートが薄く透けて見えて完全な透明でないのでやめて、新たにクラシックギター用の高分子ポリマー加工してある保護シートを使い作りました。それが左の写真です。これだと完全な透明です。

       

    ラルビーギターの様にエポキシ接着剤を使って透明な塩ビ板を張ることも可能ですが、表板が完全な平面でないとどうしても気泡が入っていまいます。新品の楽器でないと難しいですね。

     

    指板とブリッジにはハカランダが使われています。サイド&バックは変わったマホガニーが使われており、トップはアディロンダック・スプルースだと思われます。

       

     

    小さめのヘッドにペグは”ゴトー510”でノブは黒檀でできていました。

      

     

    モーリス出身の横山さんが作るギターはどこかしらモーリスっぽいですね。バックはアーチバックになっています。

      

     

    木工機械をうまく駆使して年間の製作本数も多いと聞く”Yokoyama Guitar”は、個人製作家とファクトリーメイドの中間のような存在だと感じました。メーカーの利点も心得ているからでしょう。

    力木はXブレイシングとラティスをブレンドした独特なものでした。全体的にフィンガーピッカー向きと言えるかな。

     

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    2018.09.11 Tuesday

    リペア ファイル その486

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      タカミネ   DMP 551 CWR  / 音が出なくなる・トップ打痕修理

       

      本番で音がでない!なんてことはあってはならないことですが、ときどきそんな話を聞きます。今回もそのようです。そのときの気持ちを察するだけで頭の中から汗が出ます。

       

      電装系をチェックします。まずはアウトプットジャックを疑ってみましたが、点検するとまだ劣化はないと思われたので内部をクリーニングしました。

          

       

      全ての接点をチェックします。パラスティックPUを外してみます。丸い金属の蓋をかぶっているのが圧電素子でそれをケース内の電極で受けています。その隙間にゴミなどが入るとトラブルの原因になるのでチェックしました。

        

       

      次ぎはアンプを調べます。CT4B-DX(DMP)アンプはフロントグリルが取り外せる構造です。その中に9V電池が2本入っています。プリ部とパワー部の間の接点もチェック。電池の電極もクリーニングしておきます。

        

       

      アンプ裏側ではPUとアウトプットに繋がっているコードが配線されています。この部分がゆるんでいると音が出ないことがありますから、ピンをかしめたりクリーニングしたりします。

        

       

      トップに傷や打痕がありましたので、修復します。ウレタン塗料なので瞬間接着剤を盛ってから平面を出します。気泡が入らないように打痕を埋めるのがミソです。塗装の厚みがだいたい分っているのでサンディングで攻めることができました。

        

       

      接点のチェックを終えて音出し確認できました。ここまでで音が出ない場合はアンプ側の問題でしょう。

       

      ”Takamine"スモールヘッド。 ブリッジには2wayサドルが採用され正確な弦長補正がされています。オクターブ/イントネーションが正確ですね。

        

       

      生音はシダートップ/サペリバックなので軽快なサウンドです。シダー(杉)はスプルースよりパワーは落ちますが早く鳴るようになってくれます。

      エレアコ出力ではアンプで様々な音作りができます。またPUもデュアル対応。ノッチフィルターを使えばハウリング防止にも役立ちます。タカミネは、生音とエレアコと両方楽しめるギターになっています。

       

       

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      2018.09.07 Friday

      リペア ファイル その485

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        Mesopotamia Guitar Ab /  フレットすり合わせ・ナット交換・駒上面修正加工・弦高調整

         

        中国のメーカーだという”メソポタミア・ギター”。まだ日本にはほとんど入っていないらしい。オールコア単板仕様の贅沢な作りでした。ただ「フレットワーク」が甘く、ビビリ音を発しています。めきめきと力をつけて来た中国メーカーですが、唯一の弱点が「ネックのつくり」で、そこを克服すれば日本製品を凌ぐ日も遠くないと思われます。

         

        ということで、フレットピークのバラ付きを「フレットすり合わせ」で修正します。高低があって結構深く擦りました。三角ヤスリで台形になったフレットの角を丸めていきます。

          

         

        それからヤスリ傷をペーパーで取ります。ペーパーの番手を♯180・♯240・♯320・♯600・♯1000・♯1500と変えた後、金属磨き粉でピカピカになるまで磨いてあります。

          

         

        ナット溝も低いのが複数ありました。交換になります。まだ新しいのにもったいなかった。

          

         

        駒はサドルとブリッジピンの間に角度を強くつけるため「段差加工」してありました。その設計思想はいいのですが、計算が違いか角に弦が当たっています。修正することにします。

          

         

        駒の上面をやや下げながら、角を丸く面取りしておきました。これでブリッジピンからサドルヘッドまで、弦がストレスなしに立ち上がることができます。

          

         

        サウンドホールにはマグネットPUとマイクの2wayシステムの「SkySonic」が搭載されていました。

          

        ボディには「コンタクター加工」がされていて高級機なみの仕様となっています。(この加工は手間がかかるので日本のメーカーはあまりやりたがりませんね。米国製”テーラー”のラインナップにはあるので、日本のメーカーも頑張って取り入れて欲しいものです)

         

        指板にはリーフ(葉っぱ)デザインのインレイが全面に入っていました。メソポタミア文明と関連するデザインなのでしょうか?

          

         

        コア材を豊富に持っているのでしょう。合板でなくトップほかサイド&バックも単板で使っています。コア材はすでに希少材になっています。このトップの杢にはほれぼれしました。世界的に楽器材のグレードが落ちていく中(材料が枯渇しつつあるので)中国メーカーだけいい材料をお値打ち価格で製品化しています。産地で材木を”爆買い”しているからでしょう。ギターの世界にも中国マネーの影響をみることができます。

         

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        2018.09.03 Monday

        リペア ファイル その484

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          グレコ PB BASS / フレット交換(指板塗装)・ナット交換・アッセンブリ交換・PU交換・導電塗料

           

          1970年代後半の”Greco”のベース(マツモク製)です。なんとボディ材はメイプルでして、ネックも含めオールメイプルとは珍しい機種だと思います。このままだとノイズはひどくフレットもベタベタでしたので、全て交換し”チューンナップ”することに。

           

          フレットを抜き去り、塗装をカンナでそぎ落としています。ネックをやや逆反りぎみに削りつつ、指板アールも適正に修正します。

            

           

           JESCARのジャンボフレットを打ち込んでいます。きつめにフレットタングを調整してロッドに頼らない指板を作ります。フレットを打ったら塗装に入ります。ときどきサンディングを入れて平滑にします。

            

           

          指板面をヘッドなどとマッチするようにやや焼け色に色付けして、再び塗装の繰り返し厚みをつけて行きます。(ウレタン塗装)

           

          フレットに乗った塗装をきれいに剥がして、さらに「すり合わせ」します。指板面の塗装を細かいペーパーで研いでおいて、その後バフで一揆に磨き上げます。

            

           

          ボディ本体のPUやパーツ類を全部外します。キャビティ内には導電塗料を塗ってノイズ対策も。ピックガード側も銅箔でシールドします。アッセンブリは米国製パーツで決まり。(CTS製250KΩポット・スイッチクラフト製アウトプットジャック・コンデンサー0.047uF  SPRAGUE オレンジドロップ・配線材BELDEN ♯8503)

           

            

           

          ピックアップはセイモア・ダンカンSPB-2 Hot P-Bassに交換。ヴィンテージタイプよりパワーがあります。ノブも交換してあります。ノブに触れてもノイズが出ない様に内側に絶縁材が入っている”ノイズレスノブ”。

            

           

          ナットも牛骨で新調します。丸いヤスリ各種を使ってナット溝を切ります。

            

           

          非力だったベースがパンチのあるベースに変身しました。パンクをやるならJBでなくてPBでしょ。ピック弾きで「ガンガン」ビートを刻んでください。

           

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          2018.08.30 Thursday

          リペア ファイル その483

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            ギブソン レスポール・クラシック / ネック折れ・接着・補強・部分塗装

             

            トップのメイプルにみごとな杢(フレイム・メイプル)が入っているギブソン・レスポール。以前「ネック折れ修理」した外側でまた折れていました。折れた部分をまたぐ感じで補強材「スプライン(さね)」を入れる修理を施します。

             

            折れて修理した部分が塗装されていました。そこでパックリ折れています。接着剤を充分刷り込むため余分なところに接着剤が付かないようにテープでマスキングします。

              

             

            エポキシ接着剤を温めてゆるくしてからパレットナイフなど使いながら「割れ部」に接着剤を充填します。(もし以前の修理でタイトボンドを使っていたら、同じボンドでは接着力が弱くなるためエポキシを選択)そしてクランプで圧着します。

              

            接着できたら、今度は「スプライン(さね)」を入れるためジグをセットします。トリマーで溝を掘り込みます。

             

            スプラインが入る「溝」が掘れました。割れ部がズレていましたので、そこをまたぐように「溝」が掘ってあります。

              

            溝内に接着剤をたっぷり塗りこんで「スプライン」を挿入。クランプして圧着します。これで「割れ部」で繊維が途切れることがなくなり強度が生まれます。

             

            接着剤が乾いた後、ノミや小刀を使って整形します。このとき木部の目を読んでおいて刃物が当てたときに「逆目」にならないようにしておくと「整形」がスムーズに行きます。(導管の向きで「逆目」と「順目」がある)

              

             

            塗装に入ります。塗装の肉を盛る「下つくり」から「色合わせ」「クリアー」と進めます。以前の部分塗装の色が「タバコブラウン」だったので、同系色で塗りました。 「水研」「バフ磨き」して完成です。

              

             

            フレイムメイプルは日本では「虎杢」とも呼ばれます。たしかにタイガーの背中の紋のようですね。

             

            クラシックのロゴが入ったヘッド。ペグは昔ながらの(クラシックの)ブッシュ式のクルーソン。ピックアップカバーがないオープンタイプのハンバッカーPUがオリジナルとして装備されています。(60年代はカバーがあったのをハードロッカーギタリストが外したのを基準としたと思われます)

              

             

            ソーサー型ノブ。その下にはメモリの位置を示す金具(ポットポンター)が取り付けられています。(これを4つ同じ方向にピッシ!と決めるのが難しいんだ)針金バネでサドルを押さえるチューン・オー・マチックにアルミ製のストップテールピース。

              

             

            重低音から空間を切り裂く高音まで伸びやかに響かせるのがレスポールサウンドです。依頼主は今回の修理開けに合わせてマーシャルアンプを購入されました。ベストマッチですね。

             

            関連ブログ: ギブソンギター修理 インデックス

             

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            2018.08.26 Sunday

            リペア ファイル その482

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              フェンダーUSA・アメリカンスタンダード TE  /  キャビティざくり加工・PG修正加工・PU交換・プッシュ式ポット交換・配線やり直し

               

              フェンダーのアメスタ・テレキャスターにSEYMOUR DUNCAN のSTHR-1b Hot Rails BridgeをリアにSTHR-1n Hot Rails Neckをフロントに載せ換えました。これでハンバッカーサウンドを手に入れることができます。4芯仕様なのでコイルタップスイッチを増設し、Hの片方のPUだけ鳴らしてシングル風サウンドも楽しめるように改造します。

               

              TEのキャビティは狭いためコイルタップスイッチを増設する場所がなく、ポットをプッシュ/プル式2連ポットに交換して切り替えるようにしました。アメスタのキャビティは通常のTEよりザクリが浅かったので、ルーターでザクリ加工しました。またピックガードのフロント用の穴もHot Rails を取り付けるにはほんのちょっと狭かったため、トリマーで加工してあります(ほんのちょっとの加工でも機械加工しないとプロの仕上がりにならないため)

                 

               

              Bournsの500kΩ2連ポッ2個とハム用の0.022μFコンデンサーを用意。配線します。キャビティが狭いためPUからの余分な長さのシールドが出ないように注意します。TEのフロントからは距離があるので長過ぎず短過ぎずちょうどいい長さに。

                

               

              こんな具合に収まりました。フロントのSTHR-1n はピックガードに吊るすんじゃなくてボディ直付けでした。

                

               

              通常のテレキャスのノブを引っ張るとシングル風サウンドにに早代わり。(シングル風と書くのは構造上そのままシングルコイルでないためと、ポットやコンデンサーがハム用に交換されているので出音がシングルサウンドとは違うためです。しかし、このSTHR-1・Hot Railsは音が痩せないた感じかなく、実践で使えるサウンドでなかなかよかです)

                

               

              このモデルは面白い作りでした。表と裏にローズ単板で中心材はパイン材(日本の松のような材)の3層構造になっています。左の写真はネックポケットですが、節がそのまま見えます。針葉樹と硬木の組み合わせで「ふくよか」でかつ「きらびやか」なサウンド構成になっていてます。

                

               

              ヘッド側にロッド調整穴が開いています。ペグはロトマチックで1〜4まではポストが短くなっていてます。ナットから角度が取れます。

                

               

              ルックスはジョージ・ハリソンのオールローズTEを彷彿させますが、あれは重いですからね。このモデルはパイン・サンドイウッチ構造ですので軽いです。タップスイッチ付き2Hテレキャスター改造で、どんなジャンルでも使えるモデルになったと思います。

               

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              2018.08.22 Wednesday

              リペア ファイル その481

              0

                テイラー 410ce−L7/駒はがし再接着・フレット交換・ナット交換・ロッド座金加工・ロッド矯正+簡易リセット

                 

                PUシステムのないストレートな”Taylor Guitar”。あっちこっちを修理する時期に来ていたみたいです。

                 

                駒がほとんど外れかかっていましたので、一旦外して再接着することにしました。ヒーターでブリッジ(駒)を温めてパレットナイフを差込むと簡単に外れました。

                  

                 

                駒の裏面とトップの接着面をきれいにして(修正して)2液性エポキシ接着剤で接着しました。(トップはドーミングがかかっていてゆるいアールが付いていますので、当然 駒の接着面にもアールがついています)

                  

                 

                ロッドが完全に締め切ってありロッドナットが木部に食い込んでいました。それを外して新たに太めの座金を工夫して取り付けました。

                  

                ネックを外します。ボルトオンネックなので外しやすいですね。

                 

                はじめは「ロッドが切れて」いるかと思うほどひどい”順反り”でしたが、確認すると切れてはいなかったので強制的に”逆反り”したうえ座金とロッドナットを締めてみるとネックは元通りの真っ直ぐに戻りました。ロッドに頼らないネックにするためにフレットタングをきつめにしてクランプ式の打ち込み器でフレットを入れていきます。

                  

                 

                ネックエンドは打ち込んで。つぎに全体を「すり合わせ」します。

                  

                 

                フレットピークをつけ直した後、磨いてフレットワークは完了。ナットも牛骨で新調します。

                  

                 

                わずか弦高を下げるため0.25ミリにシムを敷いておきます。(テイラーはシムの厚さで仕込み角度などを変更できます)

                 

                ロッドナットはテイラーのモノはやめてレスポールに使うタイプにモノに交換しました。こっちの方が座金に当たる面積が大きいからです。弦を張っても軽くロッドを締めるくらいでネックは真っ直ぐのままでいてくれました。

                  

                 

                サドルをいじることなしに弦高を下げることができました。駒もしっかりトップにくっついています。

                  

                 

                裏の力木も外れていたので一本一本接着剤を入れてジャッキタイプのクランプで留めておきました。

                今や米国のアコースティック市場ではマーチン社と並ぶ企業となったTaylor社。環境問題も積極的に取り組んでいます。希少材となったエボニーの資源を守るため真っ黒いエボニーでなくても同じ価格で引き取ることにしたようです。多少縞が入っていてもエボニーはエボニーですからね。環境意識の重要さを世界のメーカーに示す役割を進めてもらいたいです。

                 

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                2018.08.18 Saturday

                リペア ファイル その480

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                  マーチン HD-28 / 駒外し再接着・フレット交換・フレット端丸め処理・ロングサドル交換・ナット交換

                   

                  ブルーグラス奏者のHD-28。ロングサドルなので28Vかも知れないです。”H”はバインディングが”ヘリンボーン”で、”V”は”ヴィンテージ”仕様だったと思います。Xブレーシングに関して”スキャロップ”仕様だとか”フォワードシフテッドブレイシング”仕様だとかマーチンファンでは重要視されがちですが、実際は自然木であるトップの剛性は個体差が大きいので、柔らかいトップに対しては強い力木、硬いトップに関してはフレキシブルな力木になっているといいのです。

                   

                  駒が浮いていたので一旦外して再接着することに。過去に一度修理痕がありました。

                    

                   

                  熱をかけて外したあと、駒面とトップ面がうまく噛み合うように整形し直してから接着しました。

                    

                   

                  フレットが減っていましたので「フレット交換」します。私は”台直し鉋”使っておおまかに指板の修正をした後、ペーパーを貼ったブロック材で指板調整しています。(”台直し鉋”というのは、刃が直角に立って仕込んであるので堅木の整形に向いています)

                    

                   

                  フレットを打ち込んだあとは平ヤスリで平面性/ストレートを出して、半丸ヤスリでフレットピークに山頂をつけ直し、各種ペーパーで磨いておきます。

                    

                   

                  フレットが新調されるとフレット高とナット弦溝の関係が変化するので、ナットは新調します。マーチン・ヴィンテージタイプのナットは底面が斜めになっています。

                    

                   

                  「ブリッジ貼り直し」と「フレット交換」に伴いサドル高の変化があったので、ロングサドルも新調しました。オリジナルのサドルは溝に接着されていますが、交換したサドルは取り外しが効く用に接着してありません。そのためサドル端が駒と一体になって”面一”を再現できないのが残念です。(牛骨先端が欠けてしまうんです)

                    

                   

                  フレット端は「ボール状に丸く」加工してあります。引っ掛かりがなくスムーズな運指ができます。

                    

                   

                  この個体はネックがやや弱いと感じたので、フレットタングをややきつめに仕上げてネックの剛性をアップさせましたが、それ以外は全体にバランスのとれたマーチンらしい個体でした。

                  依頼者からは「3.4弦のふくよかで長いサステイーンのきいたサウンドはマーチンならではないかと思います」との感想を頂いています。

                   

                  関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

                   

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                  2018.08.14 Tuesday

                  リペア ファイル その479

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                    アリア W−40 /  ネックアイロン矯正・フレット知り合わせ

                     

                    最近、当工房にちょいちょいやって来る70〜80年代の”アリア”製のアコギ。マーチンコピーなんですが、それらを見るとよく出来ているので感心しています。”アリア=荒井貿易”は自社工場を持たないメーカーですが、OEMメーカーを使って質の高いギターを作り続けています。また荒井貿易の創業者”荒井史郎“氏は日本のギター業界にとって重要な人物で、スペインのクラシックギターを輸入したり、日本のギターを海外に紹介したり業界黎明期に尽力されました。

                     

                    ネックがずい分反っていましたので、ネックアイロン(ネックヒーターとも言う)で熱をかけて逆反りさせます。木材は熱によって曲げることができます。インレイがセルだったので少しやせた(?)か、浮いた部分を接着しました。

                      

                     

                    弦によってフレットに「轍(わだち)」ができていたので、一番底まで平ヤスリで擦って落としてフラットにします。低くなったフレットは三角ヤスリによって再びフレットピーク(山頂)を削り出しておきます。それを全てにフレットに実行し、その後はヤスリ傷がなくなるようにペーパーで磨きます。

                      

                     

                    ペーパーが指板に当たっても傷がつかないようにマスキングテープでガイドしてあります。

                     

                    アイロン矯正によって弦高を下げることができました。

                      

                     

                    全体をバフ磨きでクリーニングしてあります。(いつもサービスでそうしていますよ)裏は3ピース構造です。(合板製ですがそのように作ってあります)

                      

                     

                    ヘキサゴン・インレイにトップ周りにも貝に似せたセルが巻いてあります。ブリッジもマーチンぽい。

                      

                     

                    昔はアコースティックギターをフォークギターとかウエスタンギターとか呼んでいました。このロゴはそのまま表現してますね。ヘッド側にロッドカバーを持って来ずネックボトム側で調整するタイプで、いかにもマーチンらしく見せています。こういうところにもこだわりを見せているところがよいですね。

                      

                    おまけ:昔は”西部劇”という映画のジャンルがあって、その時使われる字体は上の「FOLK&WESTERN」のようなものでした。カウボーイが出て来る西部開拓者の話で、「シェーン」とかが有名でした。そのジャンルも後半になると「マカロニウエスタン」と呼ばれるようになってハリウッドでなくスペインで作られるようになり、二枚目スター”ジュリアーノ・ジェンマ”が私のお気に入りでした。

                     

                     

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                    2018.08.07 Tuesday

                    リペア ファイル その478

                    0

                      ヤマハ FG−400W / 表板膨らみ矯正・フレット交換(オーバーバインディング)・ナット交換

                       

                      大変珍しいYAMAHAのヴィンテージ・ギターFG-400W。一時のギブソンのようなサドルをアジャスタブルできる機能が付いています。ヤマハもこのようなモデルを作っていたんですね。

                       

                      表板は合板製で力木も細いこともあって剛性不足と思われます。ロウアーバウト(下部の円)全体の膨らみとブリッジのすぐ後ろ側が極端に膨らんでいました。少し熱をかけて矯正するため”あて木”を作り その上からヒーターを当て、同時にクランプで表板を締め込みます。温度と時間を調整しながら、少しずつ下げて行きます。

                        

                       

                      Xブレイスから斜めに伸びるトーンブレイシングに沿って三角形のプレートを補強のため貼り付けます。

                        

                       

                      さらにブリッジ裏に四角のプレートを貼り付けました。このプレートは先の三角形のプレートとオリジナルのブリッジプレートをまたぐ様に貼り付けてあります。このプレート厚(5ミリ)分 弦のボールエンドが下がるため弦のベクトルが変わり、サドルに掛かる圧力が高まる目論みです。

                        

                       

                      フレットを交換します。指板調整後フレットタングの深さまで専用のノコギリで切り込みを入れます。オーバーバインディング仕様のためフレット端のタングをカットし、ヤスリで整形しています。

                        

                       

                      フレットピークを軽く整えます。頂上が少し平らになった分を専用ファイルを使ってピークをつけ直します(フレットすり合わせ)。

                        

                       

                      指板をマスキングテープで保護してからペーパーの番手を変えながらフレットを磨いて行きます。

                        

                       

                      フレット端の処理:フレット端の面を滑らかにするためヤスリで軽く丸めてあります。

                        

                       

                      ナットも牛骨製に交換します。ネームは”音叉"ロゴマークで入れてあります。この”音叉”マークが、オートバイまで作るYAMAHAという企業の共通デザインであるところが面白いですね。ちなみに”ヤマハ”は創業者の「山葉寅楠(やまはとらくす)」の姓から名づけられています。

                        

                       

                      アジャストブルサドル。サドルを2本のスタッドで支えてサドル下に隙間を作ります。そのためスタッドを回せばサドルが上下し、弦高調整が自由に設定できるのです。エレキの「チューン・O・マチック」の応用ですが、アコギには珍しい構造です。この構造が楽器のサウンドを決定つけます。オーナーは「鐘を突いた様な低音」と表現されています。

                        

                       

                      ご覧の通りトップの膨らみも矯正されています。

                        

                       

                      わずか1年しか製造されていないというブラックラベル('74年〜''75年)。FG400Wには派手なピックガードが付いているそうですが、この個体は外されていました。それにしてもヤマハの黒ラベル・赤ラベルには面白い個体が多いですね。高級機ではないのですが個性があります。この個性を生かす楽曲との出会いがあれば鬼に金棒でしょう。

                        

                       

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