2017.12.15 Friday

リペア ファイル その421

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    フェンダー・ジャパン リッチーブラックモア・モデル/ 導電塗料・ ポット交換・ジャック交換・弦高調整・ロッド調整

     

    ラージヘッドにブレット・トラスロッド、2個のストラングリテイナーが特徴のリッチー・モデルST。私はハードロックファンでなかったのでディープパープルにはまりませんでしたが、それでもリッチーブラックモアのトリッキーなギターサウンドには十分酔いしれました。

    このジャパン製のストラトキャスターは彼の楽器を再現しています。

     

    ヴォリューム・ポットがダメになっていたのでCTS製に交換しました。アウトプットジャックも交換時期だったので、そこはスイッチクラフト社製へ交換。ジャックに繋がる配線材も同時に交換し情報量アップを計ります。ノイズが載るのでキャビティー内を導電塗料を塗って覆い、そこにアースも落とします。これでずい分ノイズが改善されました。

      

     

    3ピックアップの様に見えますが、ミドルPUはカバーだけでダミーです。つまり2シングルPU仕様で3wayスイッチで操作します。リッチーがミドルPUは使わなかったのですね。PUのマグネットは通常より一回り大きく磁界も広く、チョーキングで音痩せしません。

     

    特筆すべきは指板のスキャップ加工で、イングヴェイ・マルムスティーンの本家はこちらです。こういう指板へのアプローチをリッチーが取ることができたのは、古典楽器への造詣が深いからだと思います。(近年はこんな音楽をやっているhttps://www.youtube.com/watch?v=egRzQd_RsxE

      

     

    イングヴェイのスキャロップとの違いは6弦側のローポジションはえぐってないこと。

      

    30年以上前はまだ規制品のスキャロップ指板がなくて、けっこうこの手の指板に改造する仕事がありました。改造ではフレット間際までえぐることは難しくやや台形な凸状になってしまったものです。ポジションマークも削ってなくなってしまうので、はじめに全部外してから作業したことを覚えています。

     

    一時期のラージヘッドのストラトの人気はリッチー人気によるものだと思われます。世界のギター少年の憧れの的でした。だれしもやったよね。タララン・タララン・タララン・タララン・・タララン・タララン・タララン・タララン・・・(分かります?ハイウエイスターです。https://www.youtube.com/watch?v=CfgGXWA4c-Q

      

    ディープパープルと言えば、もうひとり天才がいました。キーボードのジョンロード。彼のハモンドオルガンもすごかった。(2012年に亡くなっている。残念至極)

     

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    2017.12.11 Monday

    リペア ファイル その420

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      グレコ SG /  ネック付け根折れ・接着・補強・塗装

       

      30代のパンクスが高校生のときに購入したという古いグレコのSG。リアピックアップはダンカンに載せ換えてあります。そのギターがネックの付け根からポッキリ折れてしまっていました。 「直りますか?」 「直ります(断言)」

       

      まずは、折れた箇所を接着します。木のカスは取り除きますが なるべく同じ位置に戻すために、断面の凸凹をガイドにして再接続を試みます。もしネックが折れたら その面に触れないようにしてください。そのままの状態の方がきれいに直ります。

       

      前後に多少のズレが生じるときは、このように引っ張って修正します。センターずれがないか、弦長ずれがおきていないか、など確認作業は怠らないように。(一度、接着剤を入れる前にシュミレーションしてみます。接着剤が入ったら速やかに作業できるように)

       

      ジグを新たに作り、折れた部分をまたぐように補強材「スプライン」用の溝をルターで掘り込みました。

       

      溝に接着剤を入れてスプラインを挿入。

       

      さらにボディ側に「ダボ」を入れて補強します。

       

      ノミや小刀を使い整形して、ウレタン塗装の面にペーパーを掛けて塗装の”くいつき”を良くする準備をします。

       

      さぁ、塗装。まずは下地を作ります。今回はウレタン塗料を吹き付けました。

       

      その後、黒のラッカー塗装を吹いて、それからクリアーラッカーで鏡面を作って仕上げて行きます。

       

      水研、バフ磨き、組み立て、完成。どうぞご覧ください。

      といきたいところですが、写真を撮り忘れてしまって・・・・全体の姿のカットがありません。とほほ。

      でもでも、グレコSGは無事復活して つんざくようなサウンドで鳴ってくれていますよ。

       

      まだまだ頑張れ! グレコSG!

      Punks Forever! (おいらはポジパン)

       

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      2017.12.07 Thursday

      リペア ファイル その419

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        Greg  Smollman 1981  / バックのオーバーラッカー塗装・ヘッド塗装打痕修理&塗装・サドル交換・調整

         

        ギタリスト大手文明氏所有の”スモールマン”が各種調整のためやって来ました。クラシックギター製作の歴史を塗り替えた小さな巨人”スモールマン”。革命的な楽器です。特筆すべきはその音量とレスポンスの早さで、特殊な構造がそれを可能にしました。それは限界まで薄くしたトップとそれを補強する材の構成です。後ほどその写真をご覧ください。

         

        ヘッドに打痕がありました。ペグ取り付けサイドも過去に補修した際に着色されており、それも元通りに修復しました。打痕のところにラッカーを盛って塗装面を作り直します。

          

         

        そこからはトップコーティングのためラッカー塗装を施します。サイドは木地まで剥がしてからの塗装なので下地からやり直しています。右の写真は塗装完了後組み立てした図ですが、左右のペグの位置がわずかずれていました。6弦側の方がナットに近づけて取り付けられていて、ナットからの角度が強く強くなるように考えられています。

          

         

        バックの塗装も剥がれ箇所があったので、オーバーラッカー塗装しました。サイド&バックの元々の塗装もニトロセルロース・ラッカーでした。

         

        バックはハカランダ材を削り出してヴァイオリンのようなラウンドバックになっています。この構造だと裏の力木は必要ないので、反射音が早くサウンドホールから出てくれる(反応が早い)のではないか?と私は推測しています。それにしてもハカランダを削り出すなんて、なんて贅沢なんでしょう。

          

         

        この楽器に関して「もっとふくよかな音で鳴って欲しい」とのご希望に添って、解決策を練ってみました。少し高域側の響きが弱いのもその一因かと思い、そこをもっと鳴らそうと考えました。サドル高を換えることができない状態なので、テンション増を計るため『クリアトーン』を使ってみます。これは「ダブルホール」と同じ効果が得られる商品です。いろいろなタイプの商品が発売されていますが、アルミは軽量なのと音伝導率がいいのでこれをチョイス。(ゴトーのクラシックギター用最高級ペグ”510”の軸がアルミ製なのもこの理由でしょう)

        それとサドルを象牙からタスクに交換します。この狙いは軽量化と「明るめのサウンド」を欲するからです。伝統的なクラシックギターで『タスク』を使うことは稀ですが、スモールマンには合う、と判断しました。

         

        装着前にサドル溝の底面の精度を上げておきます。ややアールが付いた指板に合わせてタスクを整形します。

          

         

        1〜3弦のみ『クリアトーン』を使用。こうすることでバランスをとろう、と意図です。『クリアトーン』を使うことでサドルへ掛かる圧力が増え、弦振動がトップへ伝たわる量がアップします。このように楽器の特性と好みの音を求めて、『クリアトーン』などのパッチを使用することが可能です。ペグ側でも同じことが言えます。弦の巻き方や巻き数を変えることでナットからペグへの角度を変化させることができます。

          

        ナットやサドルへの圧力は角度で変化しますが、弦はチューニングするので弦の「テンション」は変化しません。ただ「テンション感」は若干違って来ます。ナットやサドル付近の弦の「テンション感」は強く感じるかも知れません。これは弦が硬くなるからと思われます。ナットやサドルから少し離れれば「テンション感」の変化はあまり感じないでしょう。

         

        1弦側の指板面を大きく削ってありました。これで『トーションネック』を形取っているのだと思います。演奏性の向上のためですね。ネックヒールも直角にえぐってあり、ハイポジションが弾きやすくなるように工夫されています。この辺りのアイデアも現代的です。

          

         

        ギター内部のカットです。薄い杉(シーダー)トップを軽い素材のバルサ材を使いラティス・ブレシングで組んであります。ただこのままでは剛性が弱いので、その上にカーボン素材で補強してあります。革新的なアイデアです。ギタートップを『平面スピーカー』の様に作ってあり、サイド&バックは共振しないように頑丈に作る”設計思想”が、スモーマンのオリジナリティです。

          

         

        トップの塗装は、セラックです。オリジナルから塗り替えられているようですが、とてもきれいに仕上げられていました。トップのみセラック塗装してあるのは、トップの塗装膜をできるだけ薄く仕上げたいからでしょう。タッピングするとその反応の良さとスネアドラムを叩いているような切れの良さを感じます。

          

         

        この楽器を世界的に有名にしたのが英国人ギタリスト”ジョン・ウイリアムス”で、彼の愛機として多くの人に知られることになりました。オーストラリアの山中に住む”グレッグ・スモールマン”に会いに行く動画は感動的です。

        https://youtu.be/E2Dq2x8CeS4

         

         

        クラシックギター修理 インデックス http://9notes.jugem.jp/?eid=648

         

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        2017.11.29 Wednesday

        リペア ファイル その418

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          ファーストマン BASS / ネック裏傷補修・オーバーラッカー塗装・テールピーズ弦アース加工・全体調整

           

          ジャパンビンテージ・ブランド『First Man 』のBASSです。以前ご紹介した同じFirst Man のベースよりグレードの高い機種で、こちらの方がオリジナル性が高いです。ブールーコメッツはこちらのモデルを使っていたと思います。

           

          ヘッドはヴァイオリン属の代名詞の”スクロール(渦巻き)”を模したデザインです。以前修理したモデルよりこちらのスクロールの方がデカイです。フラットヘッドに見慣れた目には変わったデザインの見えますね。

            

           

          ネック裏にたくさんの傷がありそこの塗装が剥離していました。瞬間接着剤で押さえられる部分はそれで固め、剥離が進んだ部分は掘り起こして接着剤を充填しておきます。

            

           

          塗装に入ります。全体を剥がしてからの塗装ではなく、裏面に塗装を盛る感じの「オーバーラッカー塗装」を行いました。それでも下地を作ってから黒色を吹いて、最後はクリアーをのせて行きます。

            

           

          塗装面を十分乾燥させてから細かい水ペーパーで研いで、最後はバフで磨き上げます。ペグもオリジナル性が高いものが付いています。結構 開発に資本を投下して楽器自体の完成度を求めていたのが解ります。

            

           

          ヴァイオリン型のテールピースですが、弦アースが取られていませんでした。(弦のボールエンドを乗っかる金属パーツにアース線が接続されていません。ブリッジエンド部まではアース線が接続させていたので、その間を銅箔で繋ぎます)

            

           

          ネックブロックには仕込み角度がちゃんと取られていました。トラスロッド調節ネジはネックエンドから飛び出しており、ネックを外さないで調整できるタイプ。この時代にここまで配慮された”設計”とは、恐れ入ります。

            

           

          木製のサドル/ブリッジ。固定していなくてボディに載せるだけのタイプのブリッジの音の特徴は、歯切れがいいところです。持続音が短いですね。バイオリンのピチカート奏法の音がまさにそうでしょ。V・Tのノブデザインもオリジナル。ギブソンのハットノブよりスリムです。

            

           

          ボディマスがありコントラバス級とは言えませんが、生音も結構響きます。出力したサウンドは、温かみにあるウッディトーンでいけています。私の大好きなトーンです。(PUがシングルなので若干ノイズに弱いところもありますが、弾いてて愉しくなる楽器です)

           

          ヘフナーベースに対抗した機種だと思いますが、これはこれで貫禄があり現在でも通用するんじゃないですか。ギター型もあるそうでそれはさらに個性が強いと思われますが、私は図録で見ただけで実物はまだ見たことがありません。そのギターもきっとアイデア満載なんだろうなぁ。

           

          ファイル409  First Man  Bass  / トラスロッド折れ・トラスロッド交換・指板交換・アッセンブリやり直し

          ファイル410 First Man  Bass  / トラスロッド折れ・トラスロッド交換・指板交換・アッセンブリやり直し    その2

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          2017.11.19 Sunday

          リペア ファイル その416

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            マーチン D−28 1962製 / トップ割れ補修・トップオーバーラッカー塗装・ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ロングサドル作製・オフセット加工・ナット交換

             

            バースデー・イヤーなので購入されたというギターをオーバーホール/メンテナンスしました。いいですよね、”バースデー・イヤー” そこに愛着が湧く理由が私にも解ります。いとおしく感じるのです。若い人はどう思うかな?(早く入手した方がお得ではありますが・・・)

             

            トップに複数の割れがありました。下の写真は、古いマーチンギターでしばしば起る「マーチンクラック」と呼ばれる現象です。セル製のピックガードが経年変化で縮む時に、表板もいっしょに引っ張ってしまい表板が引き裂かれるのです。それほど深い割れでなかったので接着剤を充填修理しておきました(ひどい時はPGを外して補修をして一回り大きなPGに張り換えるのが一般的です)

              

             

            駒下からボディエンドまで伸びた割れ。湿度管理して”割れ箇所”をなるべく近づけてから接着します。裏側のパッチは無し。私は板厚が3ミリくらいのものは、パッチ補強しないで修理します。パッチが悪い訳ではないですが、パッチが板の収縮を妨げてしまう例をいくつかも見てきたので、接着強度が充分だと判断した場合は、なしで行きます。

              

             

            右肩の割れも補修。全体に細かいクラックもあったので、それをもきれいに仕上げる意味もあり「オーバー・ラッカー塗装」をすることにしました。深い傷跡がなくなる訳ではないですが、全体的に化粧直しするのです。齢を数えた顔は深みがあり素敵なので、それを隠すことなしに化粧するのです。(私はこれを前米国日本大使だった”キャロライン・ケネデー”のお顔の美しさに例えています。アンチエイジングの逆です)

              

             

            トップを軽くサンディングした後(塗装を剥がす訳ではない)、ニトロセルロース・ラッカーを数回吹きつけます。この塗装を単に「オーバー・ラッカー」と呼んだりもします。

             

            ネックの仕込み角度を適性に修正するため「ネックアイロン矯正」します。これまでに何度もフレットワークがされていて ややコンディションが落ちていましたが、レベルを上げるため「すり合わせ」や「指板修正」も念入りに行いました。

              

             

            フレットピークもつけ直します。その後磨きに入ります。

              

             

            ナットも新調。ナットの底に角度が付いているうえ 末広がりの端の処理なので、通常のナット整形より時間が掛かります。

              

             

            ロングサドルも新調。通常のナットならばナット底で弦高調整しますが、ロングサドルは上面で修正します。高さを決めたらオクターブ調整するため”オフセット”加工を施しました。

              

             

            ”割れ箇所”もトップ・オーバー・ラッカー塗装でなめらかに。塗装が痩せると多少は傷が浮き出てきますが、全体的にすっきりした印象になります。

              

             

            ヘッドの角が丸い「丸ヘッド」。私も同年代ですので このヘッドには憧れがあります。ペグはグローバー。昔のギターにはクロマチックタイプのペグが付いているのは稀で、オープンバックが普通でした(安いクロマチックペグは存在しなかった)。ゴトーもまだ世界的なメーカーでなかったので、シャーラーとグローバーが高級ギターの定番でした。はじめて触れたグローバーのスムーズなチューニング感は、オープンバックにはない感覚で気持ちがよかったのを覚えています。

              

             

            マーチン関連ブログ:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

             

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            2017.11.15 Wednesday

            リペア ファイル その415

            0

              ギブソン SG / ネック折れ(接着・補強・塗装)・ナット交換・ポジションマーク補修

               

              SGはマホガニー材で作られています。ボディ厚も薄いです。レス・ポールはメイプル/マホガニーでボディ厚もあるのでダイナミックレンジが広く重低音から抜ける高域まで出せますが、SGはミッドからミッドハイの太く粘ったサウンドが特徴になります。この特性をあえて生かして音作りするバンドもありますね。ここがギターサウンドの妙です。

               

              ライブでネックを折ってしまったようです。パックリ行っています。

              折れた面にエポキシ接着剤を充填するので、接着剤がはみ出しても除去しやすいようにテープで養生しました。

                

               

              接着剤を入れたら当て木をしてクランプで圧力を掛けます。そうすると接着剤が木の繊維まで入って行きます。接着したら今度は「補強材」を入れるための準備をします。

                

               

              折れた箇所をまたぐようにトリマーで溝を掘ります。この縦長の溝に”スプライン(さね)”を入れます。(中央にはトラスロッドが入っているのでその両端に2本)。ピッタリ合うようにスプラインを加工して挿入・接着。

                

               

              飛び出した部分を各種の刃ものやヤスリを使って 流れるようなラインに整形します。そしてボディカラーと同じ”ブラック”に塗装します。まず下地をつくり、その上に黒いラッカーで着色し、さらにクリアーを何度も吹いてヘッドの前後と違和感にないように塗装を重ねます。

                

               

              最後は水ペーパーで研いでバフで磨いて仕上げます。ごらんの通り。(ただ塗装が痩せて来るとスプラインの輪郭がうっすら見えてくるかな)

               

              ディッシュ・インレイが一個失われています。同じようなものを探して張り付けました。(探してみると白いのと黄色がかったものと2種類ありました。これは少し黄色ぽいのです)

                

               

              ナット端が欠けてしまっていたので交換しました。ナットそのものは塗装前に入れ直してあります(ネックとナットが繋がって見えるため)。組み立てて弦を張るときにナットに弦溝を専用ファイルで切りました。弦を張って完成。

                

               

              アングルが付いているギブソンヘッドは「ネック折れ」が発生しやすいです。トラスロッド用の”ロッドナット”がヘッド側にあるので、その部分の木部が薄くなっているためです。セットネック構造のエレキなのでボディ側に”ロッドナット”をつけられないのです。ネックに”ボリュート”をつけると「折れ」に強くなるので、最新のレスポールには”ボリュート”がありますね。ギブソンもウイークポイントを解っているのでしょう。

               

              ギブソン修理関連ブログ・http://blog.9notes.org/?eid=631

               

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              2017.11.11 Saturday

              リペア ファイル その414

              0

                マーチン D−28 / 「メンテナンス」弦高調整・サドル調整・バッテリーバック用 マジックテープ補修

                 

                昨今は”ローズ”の輸出入規制の問題で新規の入手に手間取るともウワサされるローズサイド&バックのマーチンD−28(この楽器は70年代のもの)。D−18の甘めのマホガニートーンと対照的に倍音がきらびやかなのがローズトーンの特徴です。

                 

                メインのギターがギブソンに移ったいたため出番が少なくなったとのこと。手に取ると少々弾くずらくなっていたためメンテナンスにやって来ました。弦高がやや高めになっていますが、ネックの状態はそれほど悪くありません。過去の数度の「フレットすり合わせ」でフレットが低くなっているのが「弾きにくい」原因のひとつでしょう。それでも「フレット打ち換え」はもう少し先に延ばせます。相談のうえ「サドル調整」で弦高を下げることにしました。

                  

                 

                ただ、サドルを下げると”弦のボールエンドからの巻上げ部分”が、サドルに乗かってしまう心配があります。そのため古い弦のボールエンドを外して 新しい弦に通してやると、ボールエンドの位置を下げることができるので そういう処置をしました。これはあくまで応急処置ですが、覚えておくと便利な方法です。

                  

                 

                サドルの底面を削ったため”ベタベタ”のサドルになっています。ブリッジピンからの弦の誘導溝は切ってありますので、立ち上がり角度は、かろうじて取れています。”弦のボールエンドからの巻上げ部分”がサドルに乗っていないのがお分かりですか?これでサウンドがデッドになることは避けられます。「サドル高」が低くなると音量も下がるしレスポンスも落ちるので、褒められたことはありませんが、爪弾くぐらいなら問題ありません。しばらくしたら「フレット交換」して、改めてナット&サドルを新調する予定でいます。

                  

                 

                アクティブPU用の”バッテリーバック”を留めるマジックテープのシールの接着力が落ちて外れてしまいました。どうしても電池交換のときに引っ張るので、弱くなってしまうんですよね。ネックブロックに付けてあった位置をバックの肩のところへ移動させます。

                  

                 

                このときマジックテープ裏の両面テープの接着力だけでは、再び外れるおそれもあるので、ゴム系の接着剤をわずかだけ塗っておきました。

                  

                 

                ボディをバフ掛けし指板もクリーニングして「メンテナンス」終了。

                ギターをケースに入れっぱなしにしたり、部屋の片隅に置きっぱなしになっていても、たまには音を出してやってください。美術館に所蔵されているバイオリンの名器”ストラディバリウス”でも定期的に弾いてやるそうです。また茶道の世界でも美術館所蔵の”お茶碗”も、ときどきそれでお茶を点てるそうです。要は”工藝”であっても”道具”は使わないと「ダメになっていくモノ」という訳です。

                 

                関連ブログ:

                マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

                 

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                2017.11.08 Wednesday

                リペア ファイル その413

                0

                  ピックガードの作り方

                   

                  ギターのピックガードを新たに付けたり、黒色のピックガードをべっ甲柄に付け替えたりすると、ギターのイメージがガラッと変わって愉しいものです。シート状になったピックガードの素材を,、ご自分のギターにぴったり合うように作るところをお見せしましょう。

                   

                  まずサウンドホール周りのバインディングの円の直径を計測し、サークルカッターで厚紙を試し切りします。それを実際のギターに当ててバインディングの円周をピッタリ合うか確認します。それから本番のシートをくり貫きます。(バインディングはoneリングから3リングといろいろありますが、どのリングに沿わせてピックガードを作るとかっこいいか検証しましょう。リングの内と外でもイメージがガラッと変わることもあります)

                  この素材は大和マーク社製のべっ甲シートです。(店頭ではピックボーイなどの名で売られていますね)

                   

                  つぎにピックガードの外周をマジックでシートに書いて・・・(ティアドロップ型が定番ですね。)

                   

                  金切りバサミで切り抜きます。べつに普通のハサミやカッターでもいいのですが、この金切りハサミの便利なところはシートが皺になりにくいところです(コテ型になっている)。

                   

                  切り面をサンディングブロックで整えます(直角で立ち上がるブロックを使うと正確な整形ができます)。ティアドロップ型だと丸の変形ですので、このブロックで流れるようなラインを整形できます。”流れる”ラインが大事ですね。後で出てくる窪みのあるデザインは内丸部がこのブロックでは整形できません。

                   

                  それから「面」を取ります。ここで使うのが楽器業界で「ハブキ」と呼ばれる”かんな刃”のような刃物。これは刃を立てて使い、面を削ぐ(そぐ)感じで面取りします。西洋の”スクレーパー”のような道具です。木工一般ではなじみのない道具で日本の楽器業界独特の道具です。

                  最後はバフで面を滑らかに仕上げます。

                   

                   

                  窪みのあるデザイン またはオリジナルと同じに作る必要がある場合は「型」をオリジナルから倣って作る必要があります。

                  型を使ったピックガードの作り方は、こちらが参考になります。→http://9notes.jugem.jp/?eid=345

                  上下に型を挿み込んでルータートリマーで倣い加工して素材を切り出します。(少々プロの仕事になります)

                   

                  最後はバフで面を磨いてトロッとした感じを作ると”粋(いき)”ですよ。

                   

                  かつて同じようなブログをアップしていました・・そちらも参考にしてください。

                  http://blog.9notes.org/?eid=342

                   

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                  2017.11.03 Friday

                  リペア ファイル その412

                  0

                       Orville  by Gibson  LPカスタム /  ネック折れ修理(補強材入れ・塗装無し)・ポット洗浄

                     

                    友人から友人へと受け継がれているギターだそうで、裏面には前の所有者が張ったシールが残っていました。ネックが折れてしまい使えないので、当工房へ持ち込まれました。

                     

                    折れた断面に沿ってマスキングして接着剤が余分なところに着かないようにガード。接着剤を充填してから当て木をし、クランプで圧着しています。手早く作業するため一度シュミレーションしてからかかっています。

                      

                     

                    メイプル・マホガニーの二層構造(強度を稼ぐため)になっているスプライン(さね)を割れ部をまたぐ様に入れます。(カットがないですが、スプライン様の溝切り加工をルーターでおこなっています)

                      

                     

                    スプラインをカンナや切り出し小刀で整形して塗装面と”つらいち”になるように仕上げました。今回は「塗装なし」で仕上げるためなるべく塗装を傷つけないように作業しました。(結構、神経を使う)

                      

                     

                    細かいペーパーで研磨した後、バフで磨き上げました。「傷跡」はギターの勲章だと思う方は「塗装なし」仕上げもありですね。(割れ部に段差が生じている場合は、もっと木地がでてしまいますが・・・・)

                      

                     

                    Orville(オービル)は日本製のギブソンと思ったらいいんじゃないかな。塗装がウレタンなのとアッセンブリのグレードが本家に劣る以外はよくできています。(フレットはオーバーバインディングなのが演奏上Good!)

                      

                     

                    ブラック・ビューティーの呼び名にふさわしいレスポール・カスタム。スタンダードより粘っこい音が特徴です。黒いボディに上下2本の太めのバインディングが楽器を引き締めてくれますね。スタンダードとはまた違った味がありカッコいい。

                     

                     

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                    2017.10.29 Sunday

                    リペア ファイル その411

                    0

                      テイラー NC-32CE / ネックリセット・シム作製・フレットすり合わせ・サドル加工(音量調整)

                       

                      弦高が高くなってしまい演奏しにくくなって出番が少なくなったテーラー・エレガット。ネックの仕込み角度を変更すれば、弦高を下げられるので「ネックリセット」することになりました。

                       

                      テーラーは「ボルトジョイント・ネック」ですので、ネジを弛めてやればネックを外すことができます。テーラー専用の道具は持っていないので自前の道具を改良してあり、それを使ってネックを外します。

                      テーラー社に持ち込めば専用シムの交換をするのでしょうが、私はそれを作製することになります。

                       

                      このショットで複数のシムが見えますが、白っぽいメイプル製と一番奥のローズのシムは私が製作したもの。テーラーのはマホガニーでできています。シムにはテーパー加工がしてあります。右の写真はそれを組んだものです。(オリジナルの上に作製したシムを載せてあります)

                        

                       

                      ネックを組み直してから、磨り減ったフレットを修正するために「フレットすり合わせ」作業に入ります。ピークを整えてから(台形になる)再びピーク(山頂)を切り出して、その後一本一本磨いて行きます。

                        

                       

                      ネック仕込み角度が変更されました。黒檀指板の下にテーパーシムが挿まれているのが解りますか?こうするとネックの方から弦に近づいて行くのですよ。その結果、ナットとサドルの高さを変更することなしに、「弦高を下げる」ことができます。これが「ネックリセット」作業の結果となります。そのメカニズムは原寸図面を書くと解りやすいですが、言葉で説明するとややこしいですね。

                       

                      エレガットの出力バランスが悪く、出音にバラつきがあるとのことで、その解消のためサドル底面に加工をしています。アンダーサドルピエゾの場合、1弦と6弦は隣の弦の干渉が片側だけなので2〜5弦と比べて小さくなる傾向があります。そこで底との接触面積を小さくするため弦の真下に穴を開け、ピエゾの掛かる圧力を調整します。それで音出したら2と3弦はまだ大きかったのでさらに面積を減らして調整しました。生音も大切なのでその塩梅も必要です。

                        

                       

                      底面で調整しているので見た目は変わりません。ピエゾは思った以上にデリケートですのでゴミなどが挟まったりしても、音量差が出ます。カッタウエイのガットギターはハイポジションの演奏性にたけていますね。

                        

                       

                      近年はガットギター用の弦は進化しており、音質や音量もかなり選ぶことができるようになりました。プロのガット演奏者はそれを熟知して自分好みの音を作っています。勉強になります。 

                      弾きやすくなり出音もバランスよくなり再び出番が多くなりそう とのこと。うれしいです。

                       

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