2020.04.05 Sunday

リペア ファイル その645

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    マーチン 000C-16GTE / 裏板割れ・部分塗装・バインディング剥がれ・力木外れ・アウトプットジャック交換・ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ

     

    弾き込まれたエレアコのマーチンギター。オール単板モデルなので生音もしっかり出ています。弦高が高くなってきたのでメンテナンスに見えました。点検するとあちこち痛んでおりました。

     

    裏板の端っこが割れて一部破損しています。その影響か力木もすべて外れていました。

      

    サイドと剥離していましたので均等に圧力が掛かるように”あて木”を作ります。

     

    裏板割れ部に接着剤を流して固定します。

      

    破損部には塗装を盛ってから部分塗装しました。この機種はマット塗装なので艶消しで仕上げます。

     

    裏板の力木が外れて浮いていましたので、4本の裏板用の力木の両端を 内側はミニジャッキで持ち上げ外側はカムクランプで挟んで接着します。

     

    バインディングのセルが痩せて 腰のアールがきつい部分計5か所で剥がれて浮いていました。

      

    ここでも専用の”あて木”を作ってクランプでかしめて接着し直します。

     

    ノイズが出るようになったアウトプットジャックは交換しました。

    エギターの世界では一般的なアウトプットジャック交換ですが、アコギの世界ではここが消耗部品だという認識がまだまだ薄い状況です。(ジャックの抜き差しで内部が摩耗して接触不良が起こるのです)

     

    接着されたバインディング。

      

     

    ネックが”元起き”気味のため弦高が高くなっていました。ネックアイロンで矯正しネック仕込みアングルを修正します。

      

    その後「フレットすり合わせ」してフレットピークを整えます。

     

    フレットを磨いて仕上げます。同時に指板もクリーニング。

     

    サドルで弦高の微調整し外したプリアンプを戻してセットアップ完了。

      

    塗装がからむ修理だったので1か月強のお預かりでした。これで再び現場でバリバリ働いてくれることでしょう。マーチンギターは修理しながら長く使ってもらえるところがいいですね。

     

    関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

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    2020.04.01 Wednesday

    リペア ファイル その644

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      Yokoyama Guitars AR / フレットすり合わせ

       

      ”ヨコヤマギター”のカマティロのサイド&バックにジャーマンスプルーストップ仕様。

      欧州唐檜(トウヒ)は”色白”どすえ。(トウヒ=松科トウヒ属/スプルース) カマティロはメキシカン・キングウッドとも呼ばれているようです。(バイオレットウッドとも)

       

      一部フレット浮きがあったので、フレットの端をすべて叩いてから瞬間接着剤で止めてあります。フレットピークもバラつきが出ているので「フレットすり合わせ」します。平ヤスリを使いピークを整えます。

        

      半丸だった頭(ピーク)が少し平になりますので、専用ヤスリを使って再び頂点を削り出します。

       

      ヤスリで付いた細かな傷をペーパー各種を使って磨き上げていきます。

        

      金属用の磨き粉で仕上げた後、最終的にはバフで艶を出してあります。指板エンドが独特なデザインになっていますね。

       

      小さなピックガードは埋め込み式になっています。

        

      ロウアーバウツ部(下半身の一番膨らんでいるところ)のバインディングを斜めにカットしてコンター加工されアームレストになっています。

       

      バック材の中央に”サップ”が入るように木取りされています。サップは和名では、”白太(シラタ)”と呼ばれ””辺材”で動くため昔は外しましたが、最近は模様の美しさから進んで使われるようになっています。

        

      バックは4ピースで構成されています。

       

      ヘッドにも”サップ”が入ったデザイン。

        

      竿(ネック)は継ぎ目のない一本竿で、ヒール部にもひと工夫してあります。

       

      LRバックス社のマグネットPU”M80”が後付けされていました。このPUはボタン電池の残量チェックができるので便利です。本番で電池切れとか起こるのを未然に防いでくれるから安心ですね

        

      モーリス社出身の横山氏に作るヨコヤマギターは、ハンドメイドとファクトリーメイドのいいところを取り入れた作りになっています。

       

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      2020.03.28 Saturday

      リペア ファイル その643

      0

        マーチン D-16GT / L.R.Baggs”Lyric” 取り付け加工

         

        マーチンギターの正統性は残しつつマーチンのラインナップの中では買いやすい値段設定になっている”D-16”。

        トップ/スプルース&バック・サイド/マホガニーとオール単板なのがいいね。

         

        PU出力するためコンタクトピエゾとマイクのいいところを取ったL.R.Baggs社の”Lyric”を取り付けました。

         

        エンドピンを外して”ジャック”を取り付けますが、いきなりドリルで12ミリの穴を開けたりすると危険なので、徐々にリーマーで穴を広げていきます。

          

         

        ”TRU・MIC”をサドル下に張り付けます。”IBeam"も同じ位置ですね。ここが振動による音圧が一番高いからでしょう。

          

        エンドピンジャック一体型プリは、エンドピン用ネジで固定します。固定するとき中でくるくる回ってしまうのを避けるため、横に開いた穴に棒を突っ込んだうえナットを12ミリナットスパナでかしめます。

         

        コード類をボディに固定するクリップは、一度軽く曲げて置いた方がギター内部で手探りで作業するとき確実に止められますよ。

         

        派手なバインディングはないですが、リングにはヘリンボーンが使われています。

          

        指板とブリッジは黒檀の代わりに”リッチライト”が使われていますが、音響的には優れているとの評価です。

         

        マーチンロゴは金色の厚みのある(ごく薄い)プレートが貼られています。

          

        ネックはヒールまで一体の一本竿が使われているところが、”D"を名乗るマーチンの面目躍如たる所以。

         

        塗装はサテン仕上げなので塗装が薄く、サウンド的に有利に働いています。軽快に鳴ってくれますね。

          

        弾きこなしていけばD-18にも肉薄するのは間違いないと思います。クオリティーを落とさず価格帯を下げた、よくできた楽器だと感心しました。

         

        関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

         

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        2020.03.23 Monday

        リペア ファイル その642

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          GIBSON ES-175  / アーチトップブッリジ交換

           

          若手Jazzギタリスト所有のギブソンのカスタムShop製のES-175。ReissueVSOだと思われます。細部に至りかつての作りが再現されていました。

            

          オリジナルのブリッジの脚が変形していて、きちんとボディに密着していませんでした。ブリッジをエボニー製のものに交換します。

           

          最終フレットの指板アールを測定しています。オリジナルはこのアールとブリッジのアールが極端に違っていました。

            

          ブリッジのサドル部を指板アールと一致させるように成形し直しました。(下のが古いサドル部・・・アールが弱いので1弦と6弦で弦高調整すると3・4弦が高くなってしまう)

           

          弦溝の間隔を計測して新しいサドル部に移しておきます。

            

          1弦と6弦を張ってオクターブの弦長補正位置を確かめながら、左右の振りも確認してブリッジの位置を決めます。

           

          この位置でブリッジの脚がトップと密着するように整形していきます。まずサンドペーパーをトップに敷いてトップアールに合うブリッジ脚を粗削りします。

            

          そこからは手道具を駆使して脚裏がトップにピッタリ合うように削り出します。ここが交換作業のポイントです。ヴァイオリンでも「駒替え」というリぺアがありますが、同じようにここが要所ですね。

           

          これで弦振動をトップにロスなく伝えることができます。

            

          アーチトップブリッジの脚は、2本脚のタイプと脚部全体がトップに触れているタイプがありますが、ヴァイオリン属のブリッジが全て2本脚になっているところから考えて、弦振動を縦方向の振動エネルギーに変換するには2本脚タイプの方が有効だと私は思います。

           

          ヘッドのペグ穴位置(ロケーション)が特筆ものです。1弦と6弦の穴位置が通常よりも内側にあるのが解りますか?

            

          ヘッド角度とペグ穴位置でナットからの角度が決まり、テンション感(弦を指で触れたときの硬さなどの感覚)が決まります。ナットはデルリン製。

           

          塗装は全体に艶がなく くすんだ感じでヴィンテージ感を醸し出しています。新品でこの感じを出すのは技術であります。

            

          オリジナルのブリッジは脚部に対してサドル部は少しスラントしていました。このような作りの方が弦長補正がうまく行きますね。

           

          ややブリッジが本体に対して斜めになっています。これは6弦側の弦長補正を適正にするとしょうがないところです。

          持ち込まれたときにアンプに繋いで演奏してくださいましたが、プロのプレーは軽やかなのに深みがあります。Jazzに”箱もの”ギターはつきものですが、”箱もの”独特のシックな音色がJazzの演奏スタイルにマッチしているのが解りました。この音色だからこそスムーズにJazzの世界にいざなってくれるんでしょうね。

           

          ギブソンギター修理 インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=631

           

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          2020.03.19 Thursday

          リペア ファイル その641

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            Killer KG-PRIME  Takasaki model  / TOP再塗装

             

            高崎晃御用達ギターの”キラー”。ライトアッシュをバーナーで焼き付けて木目の導管を焦がしてアグレッシブな模様を醸し出しております。その木目をもう少し引き立てブラッシュアップして欲しいとの依頼です。

             

            木材には表面と裏面があり、どちらかというと裏面の方が導管が強く出る傾向があります。ギタートップに表面を持ってくるのは、木工の常套手段でありますが、やや物足りない。そこで木目を強調する塗装を施すことになりました。

               

            と言っても、不自然な感じは避けたいのであくまで自然に・・・まず導管に沿って焼け色を付けて行きます。直接エアーブラシで吹き付けても他の面との境目が不自然になるので、透明なシートを木目に沿うようにカットして少し浮かせてセットして色を吹きます。こうすると自然な感じに仕上がります。全部の木目を同じような作業を繰り返しました。

             

            さて次は、導管を強調させるべくペンで導管を一本一本太くして行きます。「導管を書く」は、マホガニーネック折れのナチュラル塗装の際に使うテクニックです。これを応用して地道な作業を繰り返します。

            依頼主に確認してもらいながら、さらに希望にそって書き足して行きました。

             

            最後はトップコーティングします。

            乾燥したら水研磨してバフで磨きあげて塗装は完了です。

             

            このモデルはNCルーターが駆使されて作られています。手作業では出ない面の処理が随所にされています。フロイトローズのザクリ加工も普通より芸が細かいですね。

              

            スタッドアンカーが立つ位置には、わざわざブラス製の瓦瓠覆しめ)が入っています。激しいアーミングでもアンカーが木部に食い込むのを防ぐためだと思われます。  

             

            PUはダンカンカスタムShopのTakasaki特製モデルが搭載されています。

              

            ネックは独特なディープジョインです。フロントPUキャビティをまたぐように設計されています。

             

            裏面の方が焦げが多いでしょ。導管が太く出ているからです。

              

            舟形のジャックプレートは裏面にあります(掘り込んである)。

             

            5対1のペグ。ヘッドの面の処理も丸面だったり窪みがあったり単純な処理ではないです。

              

            6連ペグの一部を逆向きに使うところは、ESPの”ランダムスター”時代のペグ(3対3だったが)の使い方と同じですね。

             

            (仕込み角度ではなく)トップ面の垂直に対してネックは転び角度をつけてあります。トーションネックになっているんですね。ネックもヘッド側がV字でボディ側に行くにしたがってU字ネックに変化しています。

            なかなか大変な作業でしたが、依頼主の熱意に負けてなんとか完成させることができました。これで再び弾きまくってくださいね。

             

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            2020.03.15 Sunday

            リペア ファイル その640

            0

              Gibson LP Classic  / ネック折れ補修・タッチアップ塗装

               

              「ケースを開けたらネックが折れていた」と連絡が入ってびっくり。一度修理していたからです。そこで点検したら、その前の修理箇所から破損していました。つまり私が修理する前に一度「ネック折れ」修理がなされており(20年前)そこの問題でした。

               

              ボリュート部が飛んでいます。接着剤(膠と思われる)はまったく残っていませんでした。この夏の暑さが原因かな。膠はいい接着剤ですが、張り付ける時の条件が悪いと問題を残すこともあります・・・

                

              割れ箇所にエポキシ系接着剤を充填し止めておいてから、一回り大きなボリュートを取り付けます。

               

              まったく隙間なく整形し接着します。(トラスロッドナットの位置には、空間を作ってあります)

                

              一段階目の荒整形。

               

              次はボリュートの脇にスプライン(さね)を入れる加工をします。

                

              折れた部分をまたぐ様に溝が切ってあります。

               

              スプラインを接着します。

                

              今回は塗りつぶし塗装をするので、メイプル素材を挿入してあります。(強度重視)

               

              最終整形。ボリュートは少し長めにしました。

                

              タッチアップ塗装に入りました。「タバコサンバースト」染料を濃く吹き付けてあります。

               

              磨いて完成しました。

                

              ヘッドの突板には多少破損個所が残りましたが、すでに”クラシック”の雰囲気が出ていますのでまったく違和感はありません。

               

              フレイムメイプルがきれいに出ている個体でPUはダンカンの”Alnico Pro Slash signature HM”が載っています。

              ギブソンのマホガニーネックのギターは「ネック折れ」が多いと言われていますが、腰があり粘るようなサウンドはマホガニーならではですので、単純にメイプルネックがいいとも言えません。トラスロッド調整用の小穴がヘッドにあるのが弱点ですので、そこをカバーするようにボリュート(山形の補強)を付けるといいのですが、古いスタイルにはないのでそれを踏襲して現在でもNewタイプ以外はないのが実情です。ちょっと残念。

               

              ギブソンギター修理 インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=631

               

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              2020.03.11 Wednesday

              リペア ファイル その639

              0

                ギブソン J-45  /  フレット交換・サドル交換(オフセット加工)・ナット交換

                 

                以前に当工房の「スモークド乾燥」処理したJ-45 。今回は弦の支点となるナットとサドルを交換と限界に来ていたフレットの交換をすることになりました。

                ケース内にあった指定弦を見たら”ミディアムゲージ”でした。これに耐えうるネックを作らねば・・・

                 

                減ったフレットを抜いて指板面を調整します。この時点でヘッド側方向へ本のわずか逆反りするように削ってあります。

                  

                ネックを反らすためフレットタングはいつもより”ややきつめ”にします。でも14フレット以降はタングを削って溝に収まりやすいように調整します。(ボディ内のフレット打ちは、きつさをジャストにしないと跳ねてしまうので)

                 

                ボディに重しを載せて固定し、ネック下には鉄アレイを敷いてフレットを一本一本打ち込んで行きます。

                  

                飛び出した端っこは、ニッパーで食切ってからヤスリで斜めに処理し、最後はフレットの角を軽く丸めておきます。 

                 

                平ヤスリでフレットピークを整えてから再び頂点が出るように専用ヤスリで処理して、最後は各種ペーパーで磨き上げます。

                  

                バフ掛けしてピカピカになりました。

                 

                ブラックタスクのナットを牛骨ナットに交換します。

                  

                .013-.056の太いゲージに対応するナット溝を切り込みました。

                 

                タスクのサドルを牛骨サドルへ交換。オフセット加工を施して弦高調整しました。指板調整でやや仕込み角度を強くしたので、弦高を下げながらサドル高は高くなっています。ブリッジピンからの立ち上がり角度は十分です。

                   

                サドル下面には音の分離をよくする加工をしました。

                 

                完成。弦を張って真っすぐになったネック。

                  

                緊張したネックは弦振動への反応が早くなります。

                 

                フィッシュマンのPUが取り付けてありましたが、長いシールドがギター内部でとぐろを巻いていたので、ちょうどの長さに短く切って修正しておきました。

                 

                すでに「スモークド乾燥」によって音量アップや音の立ち上がりがよくなっていたところへ、ミディアムゲージに耐えうるネック強度を作り上げたので、そのサウンドは如何に!

                  

                依頼者からコメントを戴いていますので紹介させてもらいます。

                 

                「先ほど無事にギターが届きました!!

                そして早速弾いてみました!! 率直な感想を述べますと、「バズーカ」みたいです笑

                空気砲がドッカンドッカン飛んでいく感じです笑  これは、大変楽しいです!!

                ギターを弾いてこんな楽しい思いを味わえるなんて幸せです!! 感謝しかありません!!有難う御座います!!

                フレットがピカピカになっていて凄く弾きやすいです!!弦高もジャスト!!ドンピシャです!!シールドまで内部でピシャリと!! 

                勝田さんにお願いしてまたしても大正解でした!! ギターの振動が腹にズドズド来ます!!

                長嶋茂雄的に「ドカーン、バコーン、ジャキーン」なギターに仕上がり大満足です!!」

                 

                感動的なコメントでした。ありがとうございます。

                 

                 

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                2020.03.06 Friday

                リペア ファイル その638

                0

                  YASUMA CUSTOM 220  /   調整

                   

                  私はまったくノーマークだったブランド”ヤスマ”。調整して欲しいと持ち込まれたこの楽器のことを依頼者から教えてもらいました。案外高値で取引されているとのこと。最初は”ヤマキ”の間違いかと思ったほどです。

                  検索してみたら「安間公彦」氏が設立された技術力のあった名古屋の古参メーカーであることが解りました。ジャパンヴィンテージの老舗メーカーだったのですね。名古屋出身の私としては、お恥ずかしいかぎりです。

                   

                  ボディは依頼主によってきれいにクリーニングしてありました。私は指板をクリーニングすることに。

                  #0000のスティール束子を使って曇ったフレットに輝きを与えます。指板には保湿オイルを塗り込んでおきます。

                   

                  ロングサドル仕様です。ブリッジピンが1本紛失していましたので、似たようなピンを引出しの奥から探し出して入れておきました。

                    

                  ギター内部の埃も掃除機で吸い込んでおきました。これで弦を張れます。

                   

                  弦を張って調弦しロッド調整したらほぼほぼ適正な弦高に収まりました。経年変化でネックが大きく狂っていなかったとは、さすがです。(サドル高は微調整しました)

                    

                  ピックガードにオリジナリティーがあります。トップ&サイド&バックともども合板製です。

                   

                  ヘッドのロゴデザインはどことなくマーチンを意識していますね。

                    

                  ラベルのロゴは大文字です。

                   

                  ロッド調整はヘッド側で行います。

                    

                  この合板モデルでも抜ける音で鳴ってくれるのですから、単板モデルはどれくらいのものか想像がつきます。東海楽器のキャッツアイの上級モデルのOEMをやっていた とかマーチン社の生産を請け負った とか検索したいたら載っていたぐらいですから、たしかな製作技術があったことでしょう。公式ホームページがあるんですね。リンクを張っておきます。http://yasuma-guitar.com/

                   

                   

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                  2020.03.03 Tuesday

                  リペア ファイル その637

                  0

                    ホセ・ラミレス class 1a 1998 /  フレットすり合わせ・トップ割れ補修・バック割れ補修

                     

                    東京・神奈川で活躍させているプロギタリストのメインギターのラミレスです。ホセ・ラミレスは今やブランド名として確立していますが、19世紀後半にラミレス1世が築いた名門で現在は5世が継いでいます。

                     

                    杉トップでサイド&バックはハカランダが使用されています。演奏会の合間を縫ってメンテナンス/修理に出されました。

                      

                     

                    指板全体をクリーニングします。オレンジオイルで汚れを浮かび上がらせて拭き取りその後#600のペーパーで指板を磨きます。

                      

                    フレット端を金槌で叩き込んでから平ヤスリでフレットをすり合わせします。フレットピーク(フレットの山頂)のレベルを整える作業です。(クラシックギターではしばしばこの作業をしないで完成させることがあるので有効な作業です)

                     

                    平ヤスリで少し平らになったに山頂に再び鋭角なピークを作り出します。どのフレットのピークも同レべルになるとビビり音や音詰まりが解消されます。弦高が高い場合はそれほどシビアなレベル出しは求められませんが、弦高を低くしたり強く弾いて弦の振幅が大きくなった場合、フレットピークの精度がでていないと問題が発生します。

                      

                    最終的にはピカピカに磨いて完成。

                     

                    表板の塗装クラックとトップのひび割れをパッチを当てて補修します。

                      

                    クランプが届かないところはマグネットを使いパッチを当て接着固定します。表板のライニングは「ペネオス」と呼ばれる小さなウッドブロックでできています。スペインの伝統的な作り方です。

                     

                    パッチはマホガニーの薄板を2枚重ねて作っています。

                     

                    塗装面に接着剤を摺り込んみ、裏側からはパッチで補強しています。

                      

                    過去に力木浮きがあり修理痕が見受けられました。(接着剤が流されていました)

                     

                    裏板のハカランダにも亀裂がみられました。補修しました。

                      

                    ラミレスはユリア樹脂塗料を使っていますので瞬間系やエポキシ系の接着剤の処理がやり易く仕上がりもいいです。

                     

                    指板クリーニングをしフレットレベルの整えられたネックは、プレーヤーにとって気持ちよく演奏に入っていけるかと思います。

                      

                    ネック裏の中央には黒檀で補強されています。木芯(もくしん)と呼んでいます。

                     

                    もはやスタンダードになったヘッドデザイン。

                      

                    ブリッジはオーソドックなシングルホールです。

                     

                    ラミレスが一番はじめに「杉(レッドシダー)」を使ったと言われています。それまでは松(スプルース)が一般的でしたからトップ材としては大発見と言ってもいいでしょう。スプルースよりやや甘い音色が魅力です。また音量もけっこうあります。

                      

                    スプルース材よりウォーミングアップ(暖機運転)が短くて済むので、早く鳴り出してくれるのも特徴です。時代によって杉(レッドシダー)が好まれる時期とそうでない時期がありますが、普遍的なトップ材ですのでもっと流通してくれることを私は望んでいます。

                     

                    クラシックギター修理 インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=648

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                    2020.02.26 Wednesday

                    リペア ファイル その636

                    0

                      ヤマハ LA-18J / フレット交換(オーバーバインディング)・ナット交換・ブリッジ浮き接着剤充填・HightLander PU取り付け加工

                       

                      ジャパンヴィンテージ ヤマハLAシリーズの中級機である”18J”です。オール単板でトップにウエザーチェックが入っていたので、トップはラッカー塗装だと思われます。

                      ピクガードないところがLAらしいですね。

                       

                      フレットが摩耗し交換希望。たしかに長年弾いた痕跡がフレットに見え、ずいぶん減っています。

                      フレットが減った時期は、ネックメンテナンスをする時期でもあるのでロッド調整はじめ指板調整をしてフレット打ちすると、コンディジョンが上がりまた気持ちよく弾いてもらえると思います。

                       

                      フレットタングの調整します。フレットを少し強めに打ち込んでネック強度をアップを計ります。

                        

                      オーバーバインディング仕様ですのでフレット端のタングをタングニッパーで食切ります。

                       

                      ニッパー処理の後は、専用のヤスリを使って正確にL字型に整えます。

                        

                      フレットを打ち込む図。ネック下に鉄アレイを敷いてフレットを一本一本打ち込んで行きます。手に伝わる感触をたよりにタングを微妙に調整しながら打ち込み作業します。(その後、フレットすり合わせ〜磨き作業あり)

                       

                      フレットが完成したらナットを新調します。ナットの高さをご覧のような半丸に加工した鉛筆を使ってライン引きします。

                        

                      フレット溝の加工。6弦から4弦あたりまで弦の半分程度の深さになるようにしています。

                       

                      ブリッジにわずかの隙間が生じていました。このくらいなら隙間の進行はさほどないだろうと判断して、隙間は接着剤を摺り込んで充填しておきました(マーチンだと膠接着であったりしますから、こういう場合は剥がしてから再接着をお勧めしています)。

                        

                       

                      ハイランダーPUを取り付けました。アンダーサドルピエゾは丸コード状ですから、本来はサドルに半丸溝を切るのが正解です。

                        

                      ですが、それぴったりのボールエンドミル刃がないと意味ありません。今回は丸鋸刃を駆使して丸コードの直径ピッタリの溝をサドル底面に加工しました。

                       

                      ピッタリ収まりました。加工せずサドルの下に敷くとピエゾは丸面ですのでサドルとの接触面積が少なくピエゾに届く情報量が不足します。なるべく接触面を増やしてあげたいですね。

                        

                      アンダーサドルピエゾですから、サドルの厚さを調整しての弦高設定も必要です。

                       

                      新調した牛骨ナット。オリジナルよりやや鋭角に作ってあります。

                        

                      ピカピカの指板とフレット。質のいい黒檀が使われていました。

                       

                      ヤマハはいくつかヘッドでデザインを持っていますが、このデザインは落ち着きがあって素敵ですね。

                        

                      本皮でできたラベル。デザインも凝っています(ブリッジと同じデザイン)

                       

                      ヤマハらしい透明感のある出音で楽器全体で鳴っています。トップがラッカー塗装であるのが決め手のように思いましたが、ヤマハでこんな仕様があるとは知りませんでした。ウレタンでは経年変化で白濁はしますが、ウエザーチェックは入りませんよね。

                      ラッカー塗装のいいところは、経年変化で塗装膜が薄くなってくるところです。薄くなった分トップが振動しやすりますから。改めて「ヤマハはいいギターを作ってきたなぁ」と実感しました。

                       

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