2020.02.23 Sunday

リペア ファイル その635

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    Navigatar LP model   / フレットすり合わせ・ナット交換

     

    私も一応ギターの専門家なんですが、その道に通じる人の前では教えを乞うことにしています。ヴィンテージギターに関しては特にそうでその蘊蓄(うんちく)には唸るばかりです。

    ナビゲーター製のレスポールの古いボディにヴィンテージのパーツを載せたこの楽器に「すり合わせ」と「ナット交換」を施しました。

     

    まずデルリン製のナットを外します。私は鉛の塊を使って叩いて外しています。

      

    フラットな油目ヤスリ(細かい目)でフレットピークを整えます。その際 弦を張ってまっすぐになると想定して指板のボトムとエンドを余分に削ったりしています(経験による勘に頼って)。

     

    フレットの頭が台形になっているので、今度は鋭角な山を作るべく三角ヤスリや半丸凹ヤスリ、最近はZファイルっていうのも駆使してフレットピークを削り出しています。

      

    その次は、そのヤスリ傷をペーパーの番手を粗いものから細かいものへ換えながら磨きあげていきます。

     

    デルリンは少し柔らかい素材なのか、弦溝が摩耗して減って低くなっていました。そこでこんな素材を持って来られました。「デルリンと牛骨の中間」という素材。

      

    これの整形は思ったより大変でした。硬いゴムのようで思うように削れません。強くこすってもゴムのように逃げるばかりで減りません。

     

    なんとか整形し溝を切りました。デルリンのことがあったので今度は少し高めのナット溝に設定しました。

      

    やっと完成。通常の倍の時間を要しました。

     

    このボディは長野県の木曽もあったESP工場からの出物だと思われます(今はない)。”木曽鈴木ヴァイオリン”倒産後、ESPがやって来たと聞いております。木曽川沿いにはギターメーカーが点在しました。”タカミネ”や”名古屋鈴木ヴァイオリン””K・ヤイリ”それから”春日楽器”もありました。

      

    現在の恵那市岩村にあった”春日楽器”は主にエレキを生産していたと聞きます。そこに若きESPの職人もいたとか。

     

    60’sオリジナルギブソンのアルミ製テールピースとブリッジ。ポットは依頼主によって抵抗値を計測されたものを厳選して使用してありました。(昔は安かったというバンブルビー)

      

    60代以上の人に言わせると、’80年代に「オールド」と言われた60’sものはそんなに高くなかったそうです。70’sなんて中古品でしたものね。交換パーツはほかってたって・・・

     

     

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    2020.02.13 Thursday

    リペア ファイル その633

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      フェンダージャパン ST62-3TS   /   アッセンブリーのグレードアップ(ポット交換・コンデンサー交換・5way交換・アウトプットジャック交換・導電塗料・シールド) セッティング調整(ネックポケットシム・サドル交換・スプリング交換・インナシャーブロック交換)

       

      Fender Japanの3トーンサンバーストのストラトキャスターです。これを全体的にグレードアップさせました。PUはUSA製のヴィンテージPUが搭載されていたので、これはそのままで電装系を米国製パーツに交換します。

      今回はモダンタイプではなくヴィンテージ寄りの設定に仕上げます。

       

      PU回りを銅箔でシールドします。ポットはCTS製250KΩAカーブへ5wayスイッチはCRL製に交換。配線材はクロスワイヤーで。

        

       

      コンデンサーはセラミックコンデンサー0.1uF 50VDCを選択。アウトプットジャックはスイッチクラフト製へ交換。

        

      この写真は、元々付いていたアッセンブリーです。ちょっと貧弱でしょ。フェンダージャパンはいいギターなんですが、こういうところでコストダウンを図っているので、ここを改善すればグレードアップが見込めるんです。

       

      キャビティ内に導電塗装を塗ってシールドします。

        

      最後はキャビティ内にアースを落とし、ピックガードとも通電するようにネジの部分に銅箔を貼って全体がシールドされた箱を作ります。

       

      電装系の完成。

       

      持ち込まれた11.2ミリピッチ(フェンダージャパンは10.8ミリピッチのがついている)のシンクロナイズドトレモロユニットをグレードアップさせます。まずサドルをきれいな響きで好評なRAW VINTAGE RVS-112に交換し、スプリングもRAW VINTAGE 製に交換しました。

        

      インナシャーブロックも鉄製のブロックに交換しました。このタイプは弦のボールエンドの位置が(表側より)深くなりになり、サドルに掛かるモーメントが浅いフェンダージャパン製より大きくなり、サドルに掛かる圧力が増えます。これでプレート以外はすべて交換されました。

       

      ブリッジのサドルの高さは、プレートの弦穴からの立ち上がり角度は決まるので重要です。またイモネジが出過ぎていると演奏に支障がでるものです。12Fもしくは最終フレットの弦高を決めたらネックポケットの深さが決まります。

        

      今回は0.5ミリかさ上げする必要があったので、シムを作製してポケットに挟みました。

       

      べたつけの設定で理想的なサドル高。

      (フローリング設定ならば、ポケットの深さはまた違ってきます。オリジナルの深さでよいと思う)

       

      スパゲッティーロゴにクルーソンタイプの6連ペグ。ローズ指板の付け根が少し楕円状になっているところがいいですね。

        

      3トーンサンバーストの発色は中央の黄色が強いとか赤が強いとか、年代で多少差がありますが60年代はこんな感じが一般的か。

       

      配線は少しいじってミドルトーンを外してリアトーンが効くようにしてあります。

      出音はハイ寄りのサウンドで切れ切れのエッジが効きアタック感満載です。ここまで来るともうAmerican Vintageに肉薄してる?塗装だけオールラッカー塗装の米国製に軍配があがりますが、コストパフォーマンスはこちらに軍配を上げてもいいでしょう。

       

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      2020.02.09 Sunday

      リペア ファイル その632

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        フェンダー・ジャパン ストラトキャスター(SUGIZOモデル)/ フレットすり合わせ・調整

         

        フェンダージャパンと量販店とのコラボの”SUGIZOモデル”ST。ダンカンの”P−90”が2発搭載されています。さすがメーカーコラボと思ったのが、ボディのザクリが”P−90”用にピッタリ加工されていたことです。通常は3シングル加工ボディに後から”P−90”用のザクリ加工をしがちです(当工房もそう・・・)。

         

        フレットが結構すり減っていたので「すり合わせ」しました。弦によってフレット上に深い轍(わだち)ができていたので、強めにすり合わせしてあります。粗目のヤスリで轍の底辺までフラットにしてから、油目のヤスリで粗い傷を取りながら均して行きます。

        フレットは表面より内部の方が柔らかい(鋳造された合金の性質上)ので、ここからはわりかし早く減っていくので注意。

         

        低い台形になったフレットは、そのまま半丸ヤスリで整形しても頂点が広めになるので、三角ヤスリでフレットの角を落としていく感覚で鋭利な頂点を作るようにします。最近、三角ヤスリの代わりに米国のStewMacで販売された”Zファイル”なるものが、うまく角を落としながら削ることができるので重宝しています。

         

        低くなったフレットでも、フレットの角を落として三角形に近い半丸に仕上げることで、イントネーションがハッキリしバズ音がでにくい状態に持っていくことができます。

        (反対に言うと、低くて半丸上いフレットだとイントネーションが悪く輪郭のはっきりしない出音になりがちです)

         

         

        ヤスリ掛けが終わったら、フレット一本一本のヤスリ傷をペーパーの#240#320と順に番手をあげて最終的には#1500まで磨いて消していきます。仕上げはバフで磨きピカピカに。

         

        フェンダージャパンの電装系はチープなものを使うこともありますが、このモデルは米国製のポットとコンデンサーが使われていました。(1V1T仕様だったので、一つだけ国産のポットがダミーで付けてありました)

        30代の世代にルナーシーのギタリスト”SUGIZO”が大きな影響を与えている ことを遅まきながらちょっと前に知りました。私はその手ロックは興味なく来てしまいましたが、”SUGIZO”個人の活動には感銘を受けています。「難民キャンプに慰問に訪れた」とか「3.11後に現地でボランティしていた」とかなかなかできないことです。食わず嫌いをやめて聴いてみようかな。

         

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        2020.02.05 Wednesday

        リペア ファイル その631

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          モーリス MG-600 / 駒(ブリッジ)上面削り・サドル溝掘り直し・サドル交換・弦高調整

           

          ずっと使い続けているというMorrisの”谷村新司”モデル。弦高が高くなってしまい弾きにくくなって来たそうです。ネックの反りや元起きはそれほどでもないので、ブリッジ側で弦高を下げることにしました。

          弦高を下げるためサドルを削って低くするとブリッジと同じ高さにまでなってしまうので、ブリッジの上面を削って高低差を作りだします。(ブリッジに十分な厚みが残っているときのみこの加工ができます)

           

          独特なデザインのブリッジ。ローズでできていますが黒く染めてあります。

            

          ブリッジを削るとサドル溝が浅くなりすぎ(国産アコギのサドル溝は浅いものが多いですね)てしまうため、一旦埋め木してから掘り直すことにします。

           

          ブリッジ上面をカンナで削っていきます。

            

          ゲージで計測してブリッジ上面の高さが決まったら、弦長を計り直してサドル位置をマーキングしました。

           

          専用ジグをセットしてサドル溝をルーターで掘ります。

            

          サドル溝を掘ったら、ブリッジピン穴からの弦誘導溝もルーターで掘っておきました。(専用ジグを先回作ったため)

           

          ローズを黒く染め直してからオフセット加工済みのサドルを仕込んで完成です。

            

          今回はその必要がなかったのですが、ブリッジを薄くすると「弦のボールエンドから巻き直し部分」がサドルに乗っかってしまうことが起こることがあります。その場合はブリッジ裏に薄い板を貼ってボールエンドの位置を下げる加工も必要になります。

           

          ピックガードやインレイ、ヘッドのデザインで「谷村新司」モデルを醸し出していますね。

            

          縦ロゴがいいね! 「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」のコピーは”かまやつひろし”さんで記憶に残っていますが、アリスの谷村新司さんもモーリスの広告にはずいぶん採用されていましたよね。当時からおでこは広かったような・・・・

           

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          2020.02.01 Saturday

          リペア ファイル その630

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            Gibson J-45 / ネック折れ・補修(補強材入れ)・ナット交換・フレットすり合わせ

             

            ホッキリと折れてしまったギブソンヘッド(それでもネック折れという)。重症です。ギブソンはヘッド側にトラスロッド調整用の溝穴が開いているのでどうしても強度が落ちます。またヘッド裏側に補強になる”ボリュート”という”板の膨らみ部”もないので、ネック折れしやすい構造です。

            メイプルネックならばもう少し強いんですが・・・

             

            まずはくっつけることから始めます。

              

            このとき歪んで付けてしまったら大変ですので位置決め確認しながら接着剤を入れクランプで固定。

             

            まだ強度はないですが正確に付きました。

              

            折れた断面が斜めだったので比較的接着面が広くとれたのが救いでした。

             

            どうやって強度あるヘッドにするか思案しました。ヘッド表面は割れ部にまたがる部分の一部欠き取って、そこに黒檀の単板を入れ込むことにしました。

              

            (ギブソンヘッドは樹脂製の黒い突板が張り付けてあり、これが案外 ヘッドの強度アップに貢献しているのを経験上知っていたので、それを応用したのです)

             

            接着します。

              

             

            裏側からは割れ部にまたがるように小穴を突いて”スプライン(さね)”を入れます。

              

            スプラインは、表面はマホガニー材で奥はメイプルの2重構造でできています。

             

            ネックのラインに合わせて成型。

              

            表は面一になるように。その後ペグ用の穴を開けておきます。

             

            塗装に入りました。

            G.i.b.s.o.n...ロゴは汚さないように・・・

             

            塗装完了後は研磨して完成。そして糸巻を付けて・・・・

              

            ブラックフェイスのJ45だったので、修理箇所が目立たないですね。

             

            ナットは牛骨で新調しました。フレットの”すり合わせ”も施してあります。

              

            弦を張ってもその張力に十分耐えられる強度が戻っています。

             

            白いピックガードがカッコいいですね。

              

            ブリッジピンは当工房が用意して”スモークド乾燥処理済み・黒檀ブリッジピン”!

             

            乾いた爆音で工房を揺らした(比喩です)この個体は、大修理する価値が大いにあったギターでした。

              

            依頼主に届くまで数か月 間が開いたため最終調整を製作家の友人にやってもらいましたが、満足してもらえたかな。

             

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            2020.01.27 Monday

            リペア ファイル その629

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              Kazuo Sato  2004  / フレットバリ処理・丸め処理・フレット部分すり合わせ・フレットクリーニング

               

              ヨーロッパを舞台に活躍されている日本人製作家「カズオ サトー」氏の2004年製クラシックギターです。優しい雰囲気を持つ楽器で人柄もそうじゃないかと想像しています(楽器は製作家本人に似ると思います)。

                

               

              フレットのバリ取りのご相談でしたが、バリのほかフレットエッジが立って指の腹に当たる感じでしたので、一本一本丸め処理しました。(バリは乾燥する冬の季節によく起こる症状です。指板が痩せてそうなります)

                

              フレットが浮いている部分があったので、叩いて押し込みます。一部「すり合わせ」してフレットピークを修正しました。

               

              エッジを専用ファイルで丸めて行きます。

              ​  

              ”金属磨き”でフレットを磨いておきます。フレットは酸化してすぐ曇ってしまいますが、輝いているフレットって気持ちがいいもんだと思います。金属磨きクロスでも同じような効果がありますから、定期的に磨くといいかと思います。

               

              指板の側面も少し丸く面を取りました。クラシックギターではあまりやらない処理ですが、オーナーは女性ということで手が小さいかも知れないので念には念を入れて、ここも処理しておきました。

               

              松/ハカランダ仕様かと思われます。

                

               

              内部を観察しました。力木そのものが独特な構造になっていました。スプルース材の間に黒檀のような材をサンドイッチして強度を高めてあります。背は低くできていました。

                

              トップは電光が透けて見えるほど薄いです。2ミリ以下でしょう。

               

              当然ながら上等な糸巻が使われています。スムーズな巻き上げとチューニングの安定性はプロの演奏には求められるからです。

                

              完成度の高いギターは、楽器としての音色・操作性の高さに加え工芸品としての価値も兼ね備えています。素晴らしいギターでした。

               

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              2020.01.23 Thursday

              リペア ファイル その628

              0

                GIBSON SJ-200 / スモークド乾燥・ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・トップ矯正(ブリッジプレート増設)・サドル交換(オフセット加工)・ナット再成型

                 

                このギターは依頼者と共にはるばる箱根を超えて直接持ち込まれました。いやぁ恐縮します。箱根駅伝を観ているだけでも難所って感じが伝わります。箱根はかつて東と西を分け隔てる壁でしたものね。

                ネックやトップなど経年変化で鳴らなくなってしまったSJ-200を復活させるミッションに挑みました。

                 

                ネック反りで弦高が高くなって来たのでサドルが下げてありましたが、それでは弦振動エネルギーが十分トップに伝わりません。そこで「ネック矯正」と膨らんできた「トップ矯正」によって弦高を下げつつサドル高を上げることにしました。

                  

                (ネック矯正後はフレットをすり合わせて調整してあります)

                 

                湿度管理と熱による「トップ矯正」した後は、それを固定すべく「ブリッジプレート」を増設しました。

                  

                今回は、強度がありつつ軽い”スプルース”を選び、Xブレーシングとトーンブレーシングの間の三角地帯に張り付けました。

                 

                当工房の「スモークド乾燥」処理も所望されました。燻煙庫のなかで30時間燻してあります。

                  

                木材の細胞レベルの変化が起こります。簡単に説明すると遠赤外線で木材内部から温められたような効果で細胞内の結合水が減ると考えられます。

                 

                ヤニ成分がギター全体を覆いますので、エチルアルコールを使って拭き取って、最終的にバフで磨き上げておきます。

                  

                全体に少し焼け色が付きます。(匂いも残ります。最近はなるべく匂いが残らないように燃焼材の種類を変えたりしています)

                 

                SJ-200のブリッジは平板になっているためブリッジピン穴からサドル上面までの”立ち上がり角度”が取りにくいです。また貝がその間に入っているため”切り込み”がむずかしいので、今回専用のジグを作ってルーターで加工することにしました。

                  

                 

                これで”立ち上がり角度”も十分取れました。オフセット加工した後、サドル底面に音の分離をよくする加工を施しました。

                  

                橋梁の桁のような構造で、最近の私のお勧めのサドル処理です。

                 

                「トップ矯正」の仕上げにブリッジピン穴下に弦のボールエンドが深くなるようにプレートを張り付けます。

                  

                そうすることによってサドルに掛かるモーメントが大きくなります。(古いのストラトのイナーシャブロックがいいのは鉄製だからだけでなく、ボールエンドの位置がトップから深いからでもあります)

                 

                完成しました。弦高を下げつつサドル高も以前より高くなっております。”立ち上がり角度”もご覧のとおりです。

                  

                ボールエンドの位置が下がっているのが見えますか?その奥は増設した「ブリッジプレート」です。

                 

                ナットも鋭角に再成型しました。ネックも真っすぐな状態で「スモークド乾燥」処理によって安定しています。

                  

                コメントを戴いております。「ヴァージョンアップしていただいたSJ200は帰宅後に弦を張り替えました。素晴らしい鳴りです。そしてとても弾きやすいです。特に強めに弦を弾くと非常に素晴らしく鳴ります」

                Long Driveを無駄にさせなくてよかったです。ありがとうございました。

                 

                 

                 

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                #ギター修理#修理専門店#リペア・カスタム@9notes guitars#custom #guitar#Remodeling guiter#リペア工房

                2020.01.16 Thursday

                リペア ファイル その627

                0

                  Guild F40 /  フレット交換(オーバーバインディング)・ナット交換・サドル交換

                   

                  トップはスプルース単板、サイド&バッはメイプルのギルドF40。バックは成型合板でアーチドバックになっていて力木がない構造です。つまり表はフラットトップですが、ネックもメイプルで”Jazzギター”と同じような構造になっているのですね。

                   

                  すり減ったフレットをリフレット(打ち換え)します。指板周りにバインディングが巻かれているのでフレットはオーバーバインディングになります。フレット溝の中は専用のノコで整えます。

                    

                  フレットをカットして行き(この場合最終フレットから行うと失敗しても短いフレットに回せるので都合がいいです)ます。フレット端は”タングニッパー”という専用のニッパーで食切ります。

                   

                  フレット端の精度をさらに上げるためヤスリを使った専用の道具で仕上げています。

                    

                  フレットは叩いて打ち込む派なのでアイアンブロックとボディに重しが必需品です。(金槌で直接フレットを叩くことはしません。フレットアールに合わせた真鍮の金型をブロックに装着して、それを金槌で叩いてフレットを打ち込んでいきます。こうすることでフレット溝とタングの閉まり具合が感触で分かり、タングを調整しながら強固なネックを作って行けます)

                   

                  ここからは「すり合わせ」作業です。平ヤスリ⇒半丸ヤスリ⇒各種ペーパー⇒コンパウンド仕上げ

                    

                   

                  ナットも合わせて牛骨で新調します。(フレット交換料金に含まれています)

                    

                   

                  背が高くなったフレット。イントネーションや音の立ち上がりが改善されます。

                    

                  精度高く仕上げたナット。音の支点となる重要なパーツです。

                   

                  サドルも依頼者から持ち込まれ「オフセットサドル」を整形し弦高調整して仕上げました。

                    

                  ブリッジデザインや指板の元部の丸みなど”ギルド”らしさが溢れています。

                   

                  フレット端の処理図。1弦側は35°くらいで寝せた感じで 6弦側は20°くらいで立ち気味にしてあり、フレット幅を広く かつ弾きやすくする処理がしてあります。

                    

                  ギルドのロゴとヘッドデザイン。(ギブソンよりもゴージャス感がありつつどこか職人気質の雰囲気もあるような・・・)

                   

                  パワー感満載のドでかい音とカッティング音の歯切れのよさが特筆ものです。

                  いわゆるジャンボスタイルですがギブソンJ200より少し小さいです。このジャンボの大きさは”Jazzギター”ほぼ同じなんですね。私はドレットノートの大きさのギターができるより前にあったと推定していますが、真相は如何に。

                   

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                  2020.01.12 Sunday

                  リペア ファイル その626

                  0

                    Martinez MSCC-14RS / トップ陥没・割れ修理

                     

                    とてもスマートでエレガントなエレガット(エレクリック・ガットギター)です。大変上質な材料(オール単板)で組み上げてあり、生音もしっかり鳴っています。

                     

                    トップの左肩部分が外れてしまい、一部トップの塗装が破損していました。

                      

                    (トップ材自体に深い割れがなかったのが不幸中の幸い)

                     

                    接着剤を流し込みクランプで固定します。

                    (クランプの力がトップとサイドの接着にうまく届くように専用の型を作ってあります)

                     

                    塗装の割れは、塗料のタッチアップを繰り返し盛り上げサンディングし平らな面を作りだしてあります。最後はバフで磨いて完成。

                      

                    大きめのサイドモニターとプリアンプ。胴厚は薄いです。

                     

                    薄いネックとアール付きの指板でアコギから持ち替えても違和感がはないでしょう。ヘッド側にはトラスロッドカバーがあり、ロッドによってネックの矯正ができるようになっています。

                      

                    独特のサウンドホール。小さいですが、サイドモニターが大きいので生音もしっかり出ます。

                     

                    指板の仕上げ以外は、大変クオリティーが高いです。Martinez (マルティネス)はドイツメーカーだそうですが中国Madeだと思われます。最近の中国製のギターのクオリティーは目を見張るものがあります。今まで弱点は塗装とフレットワークだと考えていましたが、塗装はクリアーされていますね。フレットワークの質も時間の問題でしょう。

                     

                    クラシックギター修理 インデックス http://blog.9notes.org/?eid=648

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                    2020.01.07 Tuesday

                    リペア ファイル その625

                    0

                      Godin  M Nailon  / サドルのオフセット加工(オクターブ調整サドル)・ サドル交換

                       

                      ゴダンのエレガット。ギターシンセとシンクロできる機種らしい(試してないのでよく分からないのですが・・・)。

                      オクターブのピッチ(音程)がどうも納得いかない ということで、いろんな楽器屋を巡ってついに当工房へやって来ました。

                       

                      開放と12フレットの実音でピッチがどのくらい違うのかチェックします。(12フレットの実音とハーモニクスも試しました)そのとき弦を指定してもらってから行います。弦のメーカーや種類が変わると弦の太さや質量が変わるので同一条件でないと、このチェックは意味をなさないからです。

                      付いていたサドルもすでにオフセット加工がしてありましたので、そのデータを元に♭か♯かをサドル上にペンで記入していきました。3弦の正しいオフセット加工の位置がサドルの後ろ側にあることが解りました。

                       

                      オクターブチューニングするときの条件として、弦高をあらかじめ決めて行うことが大事です。弦高を変化させてしまうと微妙に弦長が変化してしまうからです。(弦長が変わるとオクターブの位置も変わってしまいます)

                      新たなサドルを作って3弦の後ろに小さな牛骨パーツを張り付けました。

                       

                      上のラインがサドルの上面(弦高の確認済み)下のラインがブリッジ上面になります。張り付けたパーツはブリッジ上面にピッタリ合わないと、弦の圧力で外れる可能性があるので精度が要求されます。

                        

                      また同時にアンダーサドルピエゾがバランスよく出力してくれるためには、張り付けたピースでサドルがわずかでも浮いたりしていたらダメなので精度が必要になります。(アンダーサドルピエゾは繊細なので)

                       

                      サドル上面にオフセットのピークの位置を書き写します。今回はピークに向って両側から丸いヤスリで切り出していく方法を取りました。

                        

                      完成。

                       

                      クローズアップ。両側から削り出しているのがお分かりですか?

                        

                      この方法だとピークをズラすことができる(わずかですが)ので、弦を張って測定してから修正できるので採用しました。

                       

                      ボディはエレキより胴が深くできています。内部は一部空洞になっていてトップ(単板)には力木が張り付けられています。

                        

                       

                      スイッチ類が左肩に集中しています。このスタイルはゴダンだけですね。アウトプットジャックの隣にあるのがシンセ用のジャック。(あれ?キャノンジャックに見えるな・・・)

                        

                       

                      ネックは薄くエレキから持ち替えても違和感ないです。

                        

                      ナイロン弦のクラシックギターのサドルは、ほとんどオクターブ調整していない(3弦は下げてある機種もあるが)ことが多いです。それではピッチの狂いがないのかと言えば実際はあるのですが、クラシックギターの演奏家にお聞きしたら、それは左手で調整しているとのことでした。♭しているときはベンドすればいいのは分かりますが、では♯しているときは? なんと弦を指板上で寄せるのそうです。押し弦したうえサドル側へ押し戻すようにすると弦が緩むので♭することが可能とか。凄いことをやってますね。セゴビアは4本の指をそれぞれ瞬時にピッチを合わせることができたそうです。神業・・・・

                       

                      関連ブログ:http://blog.9notes.org/?eid=440

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