2017.07.03 Monday

リペア ファイル その325

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    スタインバーガー・キット 作製記 その2

     

    先回の続きです。塗装に入りました。依頼主の求める「シースルーブルー」にするため何度も確認してもらいました。(隣町の方でよかった・・・) 希望色の塗装は難しいところがあるので、基本的に当工房ではこちらの指定色のみ対応です。

     

    ラッカー塗装後、乾燥を待って”水研”(細かいペーパーを水をつけながら研磨すること)しバフで磨き上げます。キャビティー内は導電塗料を塗ってシールドしてあります。ピックアップ(PU)は”SSH”でシングルは『レースセンサー』、ハムはダンカンの『JB』が依頼主によってチョイスされました。

       

     

    組み上げる途中に加工が必要なこともしばしば起ります。この辺りがアマチュアの方は道具が揃っていなくて困られるでしょうね。1V1T/5wayの回線にUSA製の電装系パーツを用います。

      

     

    ほかの楽器から外して本体に取り付けたオリジナルの『スタインバーガー・チューナー/ブリッジ=トランストレム』。画期的なシステムですよね。これによってヘッドレスのギターが生まれるのでした。アーミングまで できるのですから最強といえます。ただ専用弦をしないといけないので弦の選定に難がありました。そこでヘッドに後付けで一般弦が使えるパーツも依頼主によって用意されました。

      

     

    ネックジョイントビス。ネットで入手した当時はビスが付属されていなくて、これに合うビスを探すところから始まりました。ネックに鬼目ナットが挿入されていてそれに対応するビスを何種類も試してみました。結局US規格のビスが合うことが解り、ネットで購入してこれに使用しました。

      

     

    『レースセンサー』はフェンダーのクラプトンモデルにも採用された”ノイズレス”PUです。シングルなのにノイズが少ないので音の輪郭がはっきりしていますね。ロゴのカラーによって音色がいろいろ選べる『レースセンサー』、依頼主がチョイスしたのがテキサスサウンドの『エメラルド』でした。

       

     

    ボディはバスウッドなのでネックの特徴がよく出た音色でした。ウッディなトーンではなく基音の上に倍音が連なっている感じで、まさに『スタインバーバー』サウンドです。「エレキの音はネックで決まる」と思わされました。

    キットを元に他のパーツを組み込んでいった今回の「組み立て」作業でしたが、手直しが多いのでほとんど「改造」でした。その結果、世界に一本だけのオリジナルギターが生まれ「ブルー・スタインバーガー」と名づけられました。

     

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    2017.06.29 Thursday

    リペア ファイル その324

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      スタインバーガー・キット 作製記 その1

       

      ”スタインバーガー”を知り尽くしている依頼者が、自分だけのオリジナルを求めて中国製の「スタインバーガー・キット」を購入し、その組み立て改造を依頼して来ました。軽い気持ちで引き受けたのですが、実際はいろいろやっかいな部分があって簡単に行きませんでしたが、やってみて何かと収穫のある仕事でした。

       

      上がキットに入っていたネックで下が本物のネック。依頼者がネットで本物の”カーボン・グラファイト製”ネックをゲットされたので、これをキット本体に組み込むことになりました。さぁ、これで弦長が変わって来ることに。またネックポケット寸法も変わってきます。(取り付けビスの問題も発生・・)

       

      ボディは「バスウッド」でできておりバインディングが巻かれています。またうっすら杢が入っていい感じです。本物を移植するためネックポケットに埋め木をして、ポケット加工のやり直しをします。

        

       

      ここで大切なのはセンターの位置決めと弦長の問題です。キットなのでスタインバーガーのブリッジ位置はあらかじめ決まっています。なので、ここで誤差がでないようにポケットの掘り込み位置を計測し『 ルーター』で掘り込み加工します。

        

       

      加工を済ませて木地を研磨します。やや荒い木地だったので塗装前に細かいところを修正。次ぎに木地着色をします。依頼主には希望のカラー「シースルーブルー」がありそれに近づく”塗装作業”に入って行きます。 続きは来週。

        

      To be continued...Don't miss it!

       

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      2014.05.22 Thursday

      耳付き材 エレキボディ製作

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        今回「東京ハンドクラフト・ギターフェス」に出品するギターボディの製作中のカットです。
         
        栃の耳付き材。その後大まかにカットして厚みを45ミリにする。
         
        テンプレートをのせてエルボー部が一番いいところに来るように位置決めをする。
        案外いいところが少なくて、木取り効率が悪い。

        位置決めしたら、最初にネックポケットをルーター加工する。

        大まかに外周をバンドソーで切り抜く。

        テンプレートを両面テープで止めて、かつクランプで台座に固定してルーターで習い加工する。(今回はPUキャビティ加工はあえてしていないが、この時点でその加工をするといい。)

        カンナ掛けしてからペーパー♯240まで磨く。

        「スモークド乾燥」処理をする。(ヘミセルロースを分解することで音効率がよくなる。)
        その後ペーパー♯320まで磨く。漆仕上げするときは、さらにぺーパーを細かくして念入りに磨く。

        「漆の生地固め」処理したカット。木目が際立ち、木の耳も安定して来る。(しらた部分は密度が低いため暴れやすい。それを「生地固め」で漆を浸透させることで強化している。)


        ネックも同時に加工。同上の「スモークド乾燥」と「漆の生地固め」を施す。
        関連記事http://9notes.jugem.jp/?eid=313
            http://9notes.jugem.jp/?eid=314


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        2013.09.05 Thursday

        ルーターとルータービット

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           前回ルタービットについて少し書いたので、もう少し詳しく書いて見ます。

          奥に写っている12ミリ軸ルーターはプランジング・ルーターでキャビティ加工するときなどで便利です。また切削加工で深さを段階的に変え、抵抗を減らすこともできるので安全性も高いです。

          ビット:上三つが「パターンビット」で下二つが「フラシュトリムビット」です。この二つを使うとかなり厚い材も倣い加工できます。

          パターンビットを使って素材の上面からテンプレートに沿って加工し、ラッシュトリムビットで下面からパターンビットが仕上げた面をガイドに加工して行くのです。

          ビットはインチサイズとセンチサイズの2種類が販売させているので、サイズに合わせてコレットチャック(左端)やコレットコーン(左から二つ目)やコレットスリーブを乗せ換えてルーターやトリマーにビットを装着します。

          右二つはルーターにトリマー用の6ミリや6・35ミリのビットを装着するときに使うコレットスリーブです。

          この手のビットはインチサイズ多いですので、ビットを入手するとき上も手配しましょう。

          テンプレートは主に合板で作っています。その時掘り込み深さと手持ちのビットの関係で合板の厚さを選ぶ必要がありますが、私はしばしば余り材でテンプレートをつくり後で後悔することがあります。(特にキャビティ加工で)

          アクリルボードを使うと下面が確認でき位置決めが楽ですが、ちょっと価格が高いのが難。

          テンプレートは、両面テープとクランプで材を固定しルーターで倣い加工します。

          パターンビットを使う時は、刃が材より飛び出ますので材を少し浮かして固定しないといけませんが、私はテーブルの端っこを使い半分材が飛び出すかっこうで、クランプでテーブルと材とテンプレートを挟み加工することが多いです。

          ポイントは材の周囲を加工するため、残り半分の切削を進めるとき材を動かす必要が出てくるので、その時にテンプレートと材がずれないこと。その時に両面テープで仮止めしてあるとずれません。

          ルーターをテーブルに固定してテーブルソーとしても同じ加工ができますが、私はルターを手で保持して加工する方がいいと思っています。

          あくまで私の感想でどちらがいいと断言できませんが、何度かルターテーブルで加工していて材をふっ飛ばされ怖い思いをしているので、手で保持する方を選んでいるのです。

          ふっ飛ばされた時に手が刃物近くに行ってしまうのが怖いのです。もちろんジグを使っていますが、逆目などで負荷がかかると思わぬ動きをします。

          手で保持する方法だと刃物は下側なので、手を怪我する危険度は低くなります。(手はルーターを押させているから)

          ただ、ルーターではないですが、手持ち丸ノコの怪我は統計で一番多いです。これで指を落とす事故が結構あるのです。刃物が下側にあるのをつい忘れて手を下側に入れてしまうらしいのです。

          ですから、ルーターを手で保持するときも刃に注意してください。

          ちなみにピン・ルーターという200Vの大型機械は、怪我をする危険度が高いので要注意です。この機械は正確に早く仕事するのに欠かせない機械ですから、使う時は安全なジグを頭を使って作りましょう。

          ルーター用のジグは、頭が柔軟でないといいものができないですね。

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          2013.02.21 Thursday

          カスタムギター製作

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            完成したストラトシェイプのカスタムギター2種


            メイプル指板・ブロンズカラー(つや消し)タイプ

            ボディ: アッシュ
            ネック: ジャスパーウッド
            指板:  メイプル21フレット
            ナット: オイル
            ペグ: ゴトー製クルーソンタイプ・マグナムロック
            ピックアップ: ダンカンSSSL-1 もしくは ディマジオHS-3
            ピックガード: オールパーツ製(白ワンピース・7点止め)
            ポット: CTS または フェンダー純正パーツ
            5ウエイスイッチ: スイッチクラフト製 または フェンダー純正パーツ
            アウトプットジャック: スイッチクラフト製
            配線材: SONIC HOOKUP WIRE (ケスナー製はんだ使用) 
            コンデンサー:オレンジドロップ
            ブリッジ: ゴトー製ビンテージタイプ(プレスサドル)
            フレット: ジムダン6100(ミディアムジャンボ)
            指板ラディウム: 10インチR
            ナット幅:42.5ミリ  12F幅:52ミリ
            ボディ塗装: ウレタンつや消し(オープンポアタイプ)
            ネック塗装 :ウレタンつや消し
            弦ゲージ: 0.09〜0・42

             
            ローズ指板:ベンツグリーン(つや消し)タイプ

            内容なほぼ上と同じで、違うのが

            ピックガード: オールパーツ製(白・黒・白3層 11点止め)
            ドットポジション: 白蝶貝



            特徴としては、オープンポアのつや消し塗装(ウレタン薄塗り)が、面白いかと思います。シックですよ。(大人の気品?)

            オープンポアとはアッシュの木目にある導管を下塗りで埋めてしまわないで、木目が塗装をはじいて見えることです。(目はじき塗装とも呼ばれる。) 木であることが実感できると思います。

            ネックは、国産の栃の木:ギターではESPがジャスパーウッドとよび珍重していました。
            メイプルより比重が軽く、ウエイトバランスがいいです。これにネックとしてより良い剛性を得るため「スモークド乾燥」を施してあり、軽さと強度を両立しました。またトラスロッドは2WAYタイプを使用し、さらに剛性を高めてあります。

            「スモークド乾燥」は素材時にネックとボディともに施してあります。鳴りを高めるとともに剛性・レスポンスを引き出す加工として、見えないところですが一手間掛けてあります。

            出荷時のセットアップはノン・フローティングとして裏バネを5本掛けしてあります。これで1〜6弦までのバランスがよくなります。

            ピックアップはビンテージタイプのダンカンSSSL-1と ノイズが少ないスタッキングハムタイプのディマジオHS-3が選べます。どちらもそれほど出力はありませんが、ストラトのシングルサウンドを生かし5WAYスイッチで様々な音つくりができます。

            ビンテージルックスの21フレット使用ながら、フレットはミディアムジャンボで指板アールもビンテージタイプより緩やかな10インチRを採用して、早いパッセージに対応。またチョーキング時の音つまりもありません。

            ネックはビンテージよりやや幅があり、また少し太めのU字ネックです。ネックの鳴りを引き出します。

            ボディはフェンダーよりやや薄く43ミリ。スワンプアッシュでありませんが、ボディバランスと低域の鳴りを引き出します。裏パネルは取り付けてありません。

            生鳴りがよくしますよ。音抜けのよさとレスポンスの速さ。高域から低域までバランスよく出音します。それでいてストラトらしい軽妙なサウンドとオーバードライブさせた時の単音引きは心地いいサスティーンが得られます。

            オリジナル・カスタム・ギターとして販売計画中です。
            興味のある方は、メール等でお尋ねください。


            2014/9/23   オリジナル・カスタム・ギターを販売しました。興味のある方はこちらのブログをお読みください。
            栗ボディ・ストラトキャスター(スモークド乾燥処理・漆生地固め)


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            アコギにアーム(Acoustic Guitar with Synchronized Termolo unit)改造

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            2013.02.06 Wednesday

            カスタムギター製作

            0
               

              ここのところ製作しているギターです。

              ローズ指板のカラーはつや消しの”ベンツグリーン”  メイプル指板はのカラーはつや消しの”ブロンズ”でセットアップの最中。

              数本単位のロットの依頼で製作しているので、数仕事になります。一本一本仕上げるのですが、スピードも要求されていかに効率よく仕事をするかを考えながらやっています。

              数をこなすので身体が仕事を覚えてくれます。ここが職人仕事の大切なところで、数をやって初めて見え出す世界があり、ここが一本製作との違いでもあります。次第に”手”で考えるようになるのです。”手”を動かしていると、いろんな案が浮かび仕事の展開図が見えてきます。

              ギターを完成させるのに多数の工程がありますが、それを経験して「つながり」を見出すことも大切です。ここの精度が後のプレーヤビリティーにどう関係してくるのか、ここがどんな出音に影響をあたえるのか、考えながら仕事をするのです。

              そこが楽器つくりの難しさだと実感します。



              ポット類の配線ひとつ、半田付けひとつ、奥が深いものです。ただくっつけるだけなら簡単ですが後々音に影響でますからね。配線材でも音が変わりますのでもっと研究が必要だと考えています。

              ときどき「たかがエレキ」と思われる方もいて、形さえできれば音はピックアップでどうにでもなる、と考えていらっしゃる。そんな簡単じゃないですよ。と声を大にしていいたいところですが、私はニコヤカに笑って話を逸らします。

              争ってもしかたないですから。

              それよりもこの道を極めよう、と されている方との出逢いは楽しいなぁ。
              自説を引っさげて、ギターをつくり上げようとする姿勢。そこに大いにインスピレーションを受けます。

              私のもっかのテーマはトラスロッド。トラスロッドが音に影響与えているのは大だと確信しています。しかし、決定打のトラスロッドが見つからない。私は2wayタイプのロッドを採用していますが、もっといいものがないものか・・・

              しょうもない。あれこれ”頭”を使うのでなく”手”を動かして考えてみますか。

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              2012.11.19 Monday

              ポジションマークの穴開け加工

              0
                 

                写真はローズ指板に白蝶貝のポジションマークを入れているところです。
                6ミリドットなので、6ミリの穴を開けて・・と思われるかも知れませんが、ピッタリにはめるには、5.9ミリまたは5.8ミリの穴を開ける必要があります。

                木材は圧力で多少縮みますので、そのほうがピッタリ行きます。0・1から0.2ミリの小さく穴を開けることでうまく行きますが、材種によって硬さが違いますのでサンプルピースで実験してから、本番に挑みます。

                ローズに対してはマイナス0.2ミリの穴を開けました。メイプルはマイナス0.1が良かったです。

                メイプルには4分の1インチサイズの黒ドットを入れました。ミリでは6・35になります。

                さぁ、ここからがなかなか思うようにならないのです。国内ではインチサイズのドリル刃がホームセンターなどで簡単に手に入らないからです。マイナス0.1ミリつまり6.25ミリのドリル刃は自分で作るしかなくなるのです。

                輸入工具店や海外のサプライヤーを利用すれば、インチサイズのドリル刃は入手できるのですが、欲しいインチよりわずか小さいドリル刃は売ってないのですよ。

                なぜ、売っていないのだろう?。多少木工を知っていれば、穴の雄雌の関係から雄に対して少し小さい計のビットが必要なのは明白なのに・・・

                1インチの穴に1インチの丸棒を入れたら、「緩い」ですよ。でもどのサプライヤーも少し小さい穴を勧めていないのが現実です。



                上の写真は、サイドドット用の穴を開けているところ、これがまたね、ドリル刃が逃げないかドキドキしながらやっています。

                ちなみにドリル刃は、鉄鋼用ドリルをセンターポイント付き木工用にグラインダで改造して使用するのが木工界では常識ですが、「研ぎ屋」さんでも加工してくれます。

                それでも、木目によって逃げることがあるので注意が必要です。千枚通しの先端でマークを付けてから慎重に開けていきます。

                (逃げるとは、開けたいところから刃先が違う方向へ勝手に流れ出すことを意味します。例えば冬目と夏目があると硬さが違うので、硬い冬目から軟らかい夏目に刃先が動いてしまいます。)

                本当は「穴あけ加工」はドリル刃よりも「ルーター刃」の方が木目で逃げることなく正確に開くのです。その方が正解なのですが、工房レベルですとそこまでなかなかやれなくて、リスクを背負っての仕事になります。

                穴がずれたらカッコ悪いですものね。ドキドキ。

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                2012.11.01 Thursday

                ネック削り

                0

                   写真はストラトネックのシェーピング・ネック削りです。

                  大まかに機械加工した後、細部を削り出して行きます。ここでは南京カンナが重宝します。
                  両手でカンナの両翼を持ち、ネックの隅まで刃物をあてるのは、南京カンナの得意とする仕事です。



                  よく道具屋さんの宣伝写真で刃物が内丸の洋物南京カンナで「ネックの削り出し」をしているのを見かけますが、よっぽど熟練し、同じアール加工を数こなす仕事以外は、内丸かんなは、使いにくいと私は思います。

                  なぜなら刃物を内丸に研ぐのは難しいからです。

                  内丸の刃をつけるのは、外丸の砥石が必要になります。それも内丸にぴったりの砥石が。
                  それも荒研ぎ用・仕上げ用2丁必要です。

                  専用の外丸砥石は自分で作るほかないので、ブロックや番手の荒いペーパーで四角い砥石を擦って作るほありません。それも精度が要求されるので結構時間のかかる仕事です。

                  精度が要求されるのは、南京カンナ本体のアールがあらかじめ決まっているからで、南京カンナのボディは樫の木でできているのですが、そこから刃物が均等に出てボディと刃物のアールが一致しないと「カンナ」として機能しないからです。

                  この精度を維持するのは、大変なんですよ。砥石は研ぎ方によってアールがくずれていくし、
                  荒砥と仕上げ砥石のアールをいつも同じにキープすしないと刃物に刃がつかないし、カンナのボディもへこんで、本体自体の内丸アールも変わっていくし、気にすることが多すぎだからです。

                  実際には、曲面には平カンナの刃にボディが前後のアールのついた「反り台」の南京カンナを使うのがベスト。注意点は仕上げ段階に差し掛かるにつれて、「刃物の出を少なくする」が正解でしょう。

                  木工現場では、こうしているのが多いと思いますよ。以前、手仕事で家具を作っている「松本民藝家具」を案内してもらったとき、職人さんが猫脚と呼ばれる複雑な脚を、数本の「反り」南京カンナで仕上げているのを拝見したことがあります。

                  カンナの刃物口は真鍮の薄板で補強してあって、減ったりしないようにしていました。また、しばしば油をカンナ口にすりつけて、すべりを良くし摩擦によって温度上昇しないようにしていました。

                  (南京カンナは一枚刃なので逆目が止まらないものですが、腕の立つ方は止めています。どうするかは企業秘密で教えてもらえませんでしたが、どうやら刃先を2段角度にしているようです。裏刃付きより、「木味が出る」とも言われています。解ります?「木味」って。)

                  カンナについていろいろ書きましたが、親方から実際の仕事を「盗む」(見て真似ること)経験が減った世代には、こうしたコメントも有効かもと、書いてみました。

                  そう言う、私もまだまだなんですがね。
                  先輩職人さんには、今でも若造扱いされますから。たぶん先輩方もその上世代には、歯が立たないのでしょう。そんなもんです。

                  たしかに昔の職人さんの方が、厳しい修行をされています。厳しいのがいいと、一概に言えませんが、多くの方は己にも厳しく納得の仕事のレベルが非常に高いです。そこは見習わないといけません。

                  仕事に油がのる30代・40代は腕に自信が出る頃、上の世代の小言と思える発言は毛嫌いしがちです。私もそうでした。

                  そうかっ。50代になると知らずに語り調が「小言」になるのか。
                  ・・・気をつけます。

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                  2012.08.29 Wednesday

                  エレキギターのネックとボディの木取り

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                    写真は14年ほど寝かしたハードメイプル材からストラト用ネック材を木取りしているところです。
                    全部とはいきませんが、思ったより虎杢が入ってくれていて嬉しい!(手前はローズ指板・メイプル指板用板材)

                    この材料は、楽器材用を購入したのではなく、建材店から選んで入手しました。馴染みの材木屋さんがあって、いつもはときどき入る欅材を主に買っていたのですが、鴨居用のメイプルが何十本も立てかけてあったので何気なく見てみると、うっすら杢らしきものが見えるではありませんか。

                    探してみると他にも杢が入っているのがあります。その山をバラして4本メイプル鴨居材を購入しました。ふつう山をバラして木を選んで買うのを業者はあまり喜びません。悪い材だけ残っても困るからで、業者がバランスよくどちらも損得ないよう見計らって選んでくれます。

                    この辺が馴染みになると少々の無理が利くようになるのです。ありがたいです。
                    こちらも相手を立てて、材を購入することもあるので話はイーブンですね。昔ながらの商売の仕方かも知れません。

                    材木市が立つときは、材木屋はお客に酒は出すわ、寿司やツマミを出していい気持ちにさせるわ、で商談します。こう言う古いやり方は減っては来ましたが、職人相手の商売はこれがよかったのです。



                    アッシュ材のボディとテンプレートです。塗装前の材木は湿度で動きます。特に板目での木取りでは、木表側に反り返る性質があるので、そこを考えながら接ぐ必要があります。木の裏表や木の末(上側)元(根側)を知らなくてもギターを作ることは可能ですが、知らないと昔ながらの職人は恥ずかしいと思ったものです。

                    鉋(かんな)や鑿(のみ)の刃物を砥石で研げなくても、ペーパーやヤスリでギターを作ることも可能です。アメリカの製作学校では上半身裸の筋肉マンたちが、ネックをヤスリで削り上げていく様にびっくりした記憶があります。

                    「木工は刃物がないとできない」という考えも日本的で古いのかなぁ。
                    ここはひとつ、ハイテクも取り入れて行きましょうか。(ハイテクと言うのが古臭い。ハイポジとかハイファイとか若い子は知らないだろう。)

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