2018.12.10 Monday

リペア ファイル その504

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    ヤマハ L−10 /  バインディング剥がれ・ロッド調整・サドル調整

     

    未だ中古市場でも人気の高いYAMAHA L-10。ジャパンビンテージに呼ぶにふさわしいギターです。トップ/エゾ松単板 ・バック&サイド/パリサンドル単板仕様ですね。きれいな個体です。

     

    指板のバインディングが剥がれています。これを安直に瞬間接着剤(アロン)でくっ付けると、アロンが飛び出してネックがくちゃくちゃになってしまいます。難しい作業でないですがプロに任せた方がいいでしょう。アロンはきれいに駆除できないので。私はエポキシ系の接着剤で修理します。セル用の接着剤もありなんですが、有機溶剤が強すぎてバインディングが縮むことをメーカー勤務時に聞いておりますので、めったに使いません。

      

     

    ナットの底をクリーニングしてからナットも接着。こちらはアロンを少々使います。理由はナットは交換することがありますので、軽く付けるのが基本だからです。ときどきしっかりくっ付けてあるナットに出会いますが、リペアマン泣かせです。

      

     

    弦高を適正(12Fで1弦2ミリ6弦2.5ミリ)にするために「ロッド調整」してから「サドル調整」します。ロッドを回すときは必ず弦を弛めてから行ってください。弦を張ったまま締めると木部に食い込んでロッドの効きがだんだん悪くなってきます。またロッドは一度弛める方向(左巻き)に少し動かしてから締める方向(右巻き)に動かして調整してください。ロッドが錆びていたり、回りきっていたりすることもあるので、一度弛めてから再度締める方が「ロッド切れ」が起こりにくいからです。

      

     

    ポジションマーク/インレイはスノーフレイク・タイプですね。マーチンと少し違うところがミソです。

      

     

    ヤマハのフラッグシップモデル(最上級機)である”Lシリーズ”は現在『LL・LS・LJ』とあり、これは『LL』にあたります。いわゆるドレットノートタイプですね。一番音量があり低音から高音まで鳴らすことができます。一見ゴージャスなサウンドを想像しますが、そこはヤマハさん実に繊細な音色をかもし出すので、マーチンとは住み分けされてたしかなポジションを得ています。

      

     

     

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    2018.12.06 Thursday

    リペア ファイル その503

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      マーチン D−15M / ピックアップ取り付け加工・弦高調整・サドル調整

       

      一本ギターにピックアップを取り付けをしたら「このギターも」と持ち込まれたオールマホガニーのマーチンD−15M。飾り気のないギターなれど”ブルースマン御用達”のギターですね。

       

      LRバッグス社の”リリック”を取り付けます。マイク集音方式のPUなのでピエゾタイプのPUよりエアー感があります。その分、演奏会場によってはハウリングの心配がありますが、心配ならばプリアンプを組み込んでイコライジングしたりノッチフィルターを掛けるといいでしょう。

        

      エンドピンジャック用の穴を開けます。”トゥルーマイク”(PU)はブリッジ下に貼り付けます。ジャックからのコードをボディサイドなどに配線しながら電池ボックスとコントローラーも貼り付けました。

       

      サウンドホール横にちょこっと顔を見せているボリュームコントローラー。両面テープで固定しますが、貼り付ける部分はシンナーなどで油分を取り除くことが大事です。

       

      パーフリングなどは入っていませんね。トップもバックもそのままサイドにくっ付けてあるのが解ります。大きなウクレレのようでもあります。実際そのサウンドもやや角のない甘めの音で、スプルーストップとは明らかに音質が違います。高域側のレンジが広くない分ミッド〜ローが広がって、低音を鳴らしながら弾くブルーズなどに合っているかと思います。

        

       

      ペグはオープンタイプ/ウエーバリーのバタービーンズ型ボタンが載っています。

        

       

      指板のドットはハイポジにはないシンプルな構成でサウンドホールのリングは一重の”ワンリング”。塗装はオールつや消し仕様、ピックガードはべっ甲柄です。

        

      これから弾きこまれてボロボロになるとさらに味が出て来るだろうなぁ。

       

       

      関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

       

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      2018.12.02 Sunday

      リペア ファイル その502

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        フェンダー 70'S テレキャスター / フレット交換・ナット交換

         

        ギタリストの土門秀明氏は英国でライセンスを取って路上パフォーマーをやった最初の日本人で、その日々を本に著している作家でもあります。遅まきながら私も入手し(CD付き)読んでみましたが、地下鉄構内での聴衆とのやり取りが臨場感溢れ再現されていて、思わずその世界に引きこまれてしまいました。私もロンドンに憧れていたときがあったからなおさら(The Clashファンなんで)です。

         

        毎度、難問を依頼されますが、今回は「ヴィンテージ テレキャスの指板を触れらないでフレットを交換して」というもの。「そんなん無理!」と言いたいところですが、全体のルックスを見るとたしかにこの風貌で指板だけピカピカでは台無しだな、と私でも思います。何とかやってみます。

          

         

        フレットを慎重に抜いて指板面にバリがでないように・・・ずっごく時間を掛けました。フレット溝端をアロンで固めてからフレット幅のヤスリで凸凹を調整します。フレットはジェシカーミディアムゲージを打ちました。

          

         

        指板面を削って調整できなかったので、平滑度はフレットピークで合わせます。精度を出すため強めに「擦り合わせ」しています。その後ピークを各種ヤスリを使って削り出します。

          

         

        ヤスリ傷を取るためペーパーを当てますが、あまりピカピカにすると興ざめしますので艶が出る前にやめます。

          

         

        ナットも交換しましたが、これも古めかしく仕上げます。レリック仕上げですね。

          

         

        CBS傘下時代のフェンダーの糸巻きはこんな感じでした。リテイナーも二つ付いています。こうすれば3弦にテンションが掛かりますね。

          

         

        難題でしたが「やればできるじゃん」と我ながら思いました。これで雰囲気を壊さずフレットだけ新しくできました。

        先の本の話に戻りますが、大道芸で生活していく度量は、いかに臨機応変に対応できるかにあると推測します。バスカー(路上ライブでお金を稼ぐ者)として12年ロンドン暮らしをした土門氏は、いくつもの難問を超えて来た人物であることは間違いないでしょう。

        三鷹市の蕎麦屋「や乃家」で生BGMの彼のソロギターが聴けるらしい・・・

         

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        2018.11.28 Wednesday

        リペア ファイル その501

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          Sadowsky Ultra Vintage / ネック・ボディ打痕修理

           

          ハイエンドギターの雄”Sadowsky サドウスキー”。レアなカラーリングのギターの打痕修理です。オーナーは電装系の知識と経験が豊富な方で、折に触れて当工房でもアドバイスを戴いています。このギターもオリジナルに手が加えられています。

           

          今回は当方は木工・塗装の専門としてそっちに勤しみました。ネックは極薄塗装なのでへたにサンディングすると木地を痛める心配があったので、打痕部分にラッカーを盛り上げました。

            

          ボディはウレタン塗装の剥離だったのでアロンアルファを塗装面のように盛り上げました。

           

          打痕修理はうまくいきましたので、オーナーによって手が加えられた配線を見てみましょう。

          ピックアップは全て交換されています。フロント・ミドルは suhrの "ランドゥ" リアは suhr の”アルドリッチ”に交換。5wayはスーパースイッチに交換されています。スーパースイッチは4回路5接点になっており24個の端子があるといいます。これをうまく組み合わせると面白い回路ができます。この機は、1、フロント 2、フロント+ミドル 3、フロント+リアタップ 4、ミドル+リアタップ 5、リア と実践向きに組まれています。(シングルミドル一発はあまり使わないですからね)

          コンデンサはエマーソン、配線材はベルデン、ヴォリュームにはスムーステーパーが加えられています。

           

          ペグも交換されています。SPERZEL (スパーゼル)のロックペグ。3・4弦にもテンションがかかるようにポスト高が低いものが使われています。

           

          一度交換されているフレットは、オカダインターナショナルでリペアされていました。フレット端の丸め処理はもちろん指板エッジが面一できれいに丸めてあるのは特筆もの。大いに勉強になります。

           

          ネックの精度・セットアップ精度どれもが高いのがハイエンド・ギターです。これを使いこなすにはプレーヤー側にそれなりの力量が求められますが、製造側にも高い技術力・材木の管理力・想像力富んだ企画力があってこそ完成させることができた、と言えます。

          多くのプロをも唸らせるSadowsky。お見事!

           

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          2018.11.23 Friday

          リペア ファイル その500

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            Fender USA・プレシジョンBASS / フレットレスベース指板にラインを入れる・PU交換・ナット交換・アウトプットジャック交換

             

            この70年代製米国フェンダーPBは、はじめからフレットレス仕様でダブルベースの指板のような真っ黒な指板面でしたが、フレット位置にラインを入れて欲しいとのこと。そこでフレット位置から割り出すところから始めました。

             

            フェンダーの正規の弦長から各フレット寸法を割り出します。ネット上に計算式が載っていますので簡単に数値を得ることはできます。ただし、弦長補正分はここには現れませんので注意が必要です。(弦の太さにもよりますが1弦で1.5弌。憾垢6.5佇簑しています)

              

            数値をテンプレートに写し、それをさらに指板面に写しておきます。

             

            今度はその位置をノコギリで正確に切り分けていきます。簡単なジグを作ってラインがブレないようにしてあります(すでに指板にアールが付いているので仕事がやりにくかった)。

              

            ノコギリ溝にぴったり合うように、メイプル板をフレットタングを削る道具を使い厚みを仕上げています。

             

            メイプル薄板にも指板アールと同じようなアールで切り抜いて、溝に金槌で叩き込み、最後に接着剤を流して固定してあります。

              

            余分なところを除いてから、指板を整形しました。

             

            オイルで指板面を濡らして仕上げてあります。これでラインもくっきり。

              

             

            オリジナルPUは断線していたので、フェンダー純正PUと交換しました。(62年モデル)

              

             

            同時にアウトプットジャックも交換しておきます。アウトプットジャックは消耗品とお考えください。

              

             

            ナットも牛骨で新調しました。ブリッジサドルの弦高調整用のビスはマイナスビスが使われていました。マイナスビスは6角レンチタイプより錆びても回しやすく弦高調整がしやすいところがいいです。(何度錆びたビスに泣かされたことか・・)

              

             

            フレットレスBASSの「ぶびぃぃぃーーーん」と唸るサウンドは独特な世界を構築します。PBの太い音とも相性がいいですね。

              

            ブラックボディにブラックピックガード、ローズ指板にフレットレスとはなかなか”かっこいい”です。スティングが持っていてもいいくらいのルックスだと思いました。

             

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            2018.11.19 Monday

            スモークド乾燥処理スモークド済み「ホセ・アントニオ No.1」の販売

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              スペイン製クラシックギター「JOSE ANTONIO No1」(杉)を”スモークド乾燥”処理し、細部調整してあります。

              この個体をHP内のShopで販売致します。   ¥125,000(税込み・送料込み)ハードケース付き

              クラシックギターの普及機はトップ単板、サイド&バックが合板製のものが2〜5万で販売されており、一方プロユースの高級機は50万以上、コンクールの使用に耐えられる楽器は100万以上します。この機はオール単板仕様であり、スモークド乾燥処理をすることにより中級機(20万以上)としての実力を備えています。音量・バランス・ハイポジでの音の伸びなどご満足いただけると思います。オール単板の良品「クラシックギター」をお探しの方にお勧めします。

               

               

              スモーク乾燥庫で30時間薫煙しました。燻すことによって木材内部の細胞変化が起り”音の伝達率”が向上しております。「音量が大きくなる」「音の立ち上がり速度が速くなる」「全体の剛性が上がることによってサスティーンが伸びる」など感じていただけると思います。

               

              トップは杉単板、サイド&バックはローズ単板、弦長650ミリ。ブリッジには”ダブルホール”が採用されています。ダブルホール仕様はサドルへ掛かるテンションが増すため、音の立ち上がりに優れます。

                

              弦高は12フレットで1弦2・5ミリ 6弦4ミリと低めに調整してあります。

               

              指板は黒檀が使われ、指板がサウンドホールへ向かってやや傾斜しています。簡易の”レーズドフィンガーボード”になっています。演奏性能向上のためというよりトップに対して角度を付けることによって、弦振動のエネルギーロスを減らす設計だと私は解釈しています。

                

              フレットはミディアムゲージ仕様で背が高く 早弾きに有利で、また左指への負担軽減になるでしょう。

               

              糸巻きは高級機には劣りますが、実用には問題ありません。マホガニーネックの中央には黒檀が挟んであり”木芯”として強度を稼いでいます。ジョイント方法は「スペイン式」でネックとヒールブロックが一体化しています。

                

               

              Top/Solid Cedar
              Back & sides/Solid Rosewood
              Fingerboard/Ebony
              Scale/650 mm
              Nut Width/52 mm

               

               

               

              Made in Spain

               

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              2018.11.14 Wednesday

              リペア ファイル その499

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                ギブソン J−200 /  ウルフ対策・スモークド乾燥処理・ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット交換

                 

                『共鳴』の症状があるとのことで、お預かりして点検しました。アコースティックギターで『共鳴』や『共振』が起る場合、考えられるのは『ウルフトーン』という現象です。ボディの固有振動数と弦の振動数が近いポジションに来ると「音が唸ったり」「小さきなったり」「大きくなったり」雑音っぽく聞こえるのです。ボディマスやウエイトをコントロールするのは現実的な対処でないので、「スモークド乾燥」処理を試してみることにしました。(以前スモーク処理して作製されたクラギがウルフが少ない事例があったので)

                 

                ネックの反りもあったため「スモーク乾燥」する前にアイロン矯正しました。(その後、スモークしてネックを安定させたいため)

                 

                スモーク庫の中にも火の粉が飛ぶことがあるのでギターを袋詰めしています。ヤニで真っ黒になった袋から、”ひょっこり”とヘッドが顔を出しました。

                  

                 

                全体に薄っすらとヤニが付着していますのでエチルアルコールで拭き取り、その後バフで全体をクリーニングします。

                  

                 

                フレットを軽く擦り合わせしてから、ピークをつけ直して、フレットを磨いておきます。

                  

                 

                ナット鳴きもあったので、オイルドボーンでナットを作り直しました。

                  

                 

                J−200のヘッドはレスポールよりも大きいですね。J−200はギブソンが得意としているアーチドトップ・ギターの姿に近いと思います。ボディシェイプもL−5とかに近いですし、材料もメイプルとプルースという組み合わせはマーチンになく、むしろヴァイオリン属に近いです。

                  

                 

                ボディマスはフラットトップギターの中で最大です。サイド&バックには見事なフレイムメイプルが使われていました。だれかがJ−200をキャデラックに例えていましたが、それもうなづけます。

                  

                 

                さて、肝心の『共鳴』ですが、わずか残っています。スティール弦のギターでは、あまり『ウルフトーン』の問題を言われないですが本来ギター属、ヴァイオリン属ともにあります。耳のいい方はそれを聞き分けるでしょう。注意するとエレキでもあります。

                完全に解決できないで依頼主には申し訳なく思っていますが、感想をいただきました。

                 

                「音量、たしかに大きくなってます。音量もさることながら各弦の音が独立してハッキリとそれぞれが聞こえる様なメイプルらしいというかいい感じに調整していただいてるなと実感しました。ハイコードもしっかりとした音量を保てておりかなりいい感じです。

                共鳴、確かにまだ残ってますね。もうこればかりはこの子の個性と思う他ないですね。もう少し弾き込んでみてどう変わるかに期待します。
                弾いていくにつれて消えるとまではいかないまでも馴染んで邪魔にならないくらいにはなってほしいところですが。

                匂いについて思ってたよりも強烈に残るものなんですね。ただ嫌いな匂いではありませんし、何より確かにお酒に合いそうです。
                仕事帰りにバーボンとチーズを買って来てしまいました(笑

                見た目について、トップを見ると明らかに木目が詰まっているのがわかります。乾燥が進んだということなんでしょう。バインディングも焼けた色になっており、これは個人の主観もあるのでしょうが私的にはgood lookingですね。

                 

                感想ありがとうございました。

                 

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                2018.11.10 Saturday

                リペア ファイル その498

                0

                  フェンダーUSA JAZZ BASS / ネッアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット交換・PUアジャスト用ウレタン交換・弦高調整・アウトプットジャック交換

                   

                  米国産1970年代製のJB。「音量が落ちて来た」とのことでチェックしました。ネックが反って弦高が高く、そのうえピックアップから弦までに距離がありました。

                   

                  PUを外してみると、古いアジャスト用のウレタンフォームが完全につぶれて、PUを持ち上げることができない状態でした。

                    

                   

                  石油系の素材は、経年変化で一部がドロドロにもなります。それを拭い去って、新たに固めのウレタンを底に敷きました。

                    

                   

                  順反りになったネックをアイロンヒーターで加熱して矯正します。木材は加熱すると曲がる性質があります。逆反りになるように矯正してあるので、「擦り合わせ」もストレートにするというより”山なり”に仕上げてあります。(弦を張って真っ直ぐになる感じにしてあります)その後、ピークをつけ直し、一本ずつフレットを磨いて行きます。

                    

                   

                  プラスチック製のナットが劣化して欠けていましたので、牛骨で新たに作り直しました。JBのネックにはバインディングが入っていますので、ナットはその間に収まるように作ります。

                    

                  この時期のネックはヘッド側でロッド調整するようになっています。

                   

                  同じくこの時期のフェンダーには、ネックアングルを調整する機能も付いています(小さな穴から6角レンチを突っ込みビスを押し上げる仕組みです)。わずか「仕込み角度」を付けました。

                    

                   

                  ピックアップもしっかり立ち上がり、サドルの脚も上げてブリッジエンドからサドルピークへの「立ち上がり角度」も充分取れました。よくこの角度が浅くペタペタのサドルを見かけますが、これではタイトなサウンドを望めません。反対にこの角度が強すぎると太い弦の剛性に負けて、弦の振動する幅が狭くなる現象が起ってしまいます。適切な角度というものがあるのです。

                    

                   

                  ジャックは消耗パーツですので、この機会に交換しておきます。

                    

                  アッシュボディに3トーンサンバーストがかっこいいです。出音は、音の粒立ちと輪郭がはっきりし音量もアップしています。いいころ加減に枯れているJBサウンドは、ベーシストが一本は持っていたいと願う音であろう、と思いました。

                   

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                  2018.11.06 Tuesday

                  リペア ファイル その497

                  0

                    コポーメント・カスタムストラト / フレット交換・ナット交換

                     

                    MJTのエイジドSTボディを完成させた固体の「フレット」を交換しました。ボディやネックそれに好みのPUを選んで一本のギターを作るのを80年代は”コンポーネント・ギター”と呼んでいました(Moonやシェクター・ESPなどがありました)が、現在はなんと言うのだろう? 

                      

                    MJTとワーモスとは違いは、MJTの方はエイジド/レリック塗装が本業だそう。

                     

                    フレットを抜き去り指板をまっすぐ(わずか逆反り)に調整します。フレットは「ジェシカー♯55090」を使用。フレット溝とタングの関係を見極めながら一本一本打ち込んで行きます。

                      

                     

                    その後、フレットピークのレベルが全て揃うように平ヤスリでピークを調整してから、再びピークを切り出して磨いておきます。

                      

                     

                    ナットも交換。ヴィンテージタイプの指板でしたのでアールはきつめの『7.25インチ』で、ナット底も同じようにアールをつけます。取りつけたらナット溝を専用ファイルで切り込みます。

                      

                     

                    フレット端はやや立ち気味で仕上げ、軽く丸めてあります。こうする弦落ちしないで指板幅いっぱい使えるようになります。

                     

                    ピックアップは米国製の”Kliein Pickups"の"Jazzy Cat”。ジョンメイヤーが使用して有名になりました。ミッドが強調されたクリーントーンが特徴で、PRSから販売された”Silver Sky"のピックアップもこのトーンを表現してるとか。

                      

                    ピックガードはセル製。やはり塩ビ製より表情が深いですね。

                     

                    ストラトにはこの「セラコン」(セラミックコンデンサー)がいいと私も思います。オイルやフイルムよりもシングルPUのアタック感が際立ってストラトらしいから。

                      

                     

                    塗装にクラックが入ってヴィンテージ感満載。(これを再現するところがMJTの塗装技術)

                      

                    シンクロナイズドトレモロのサドルは”Raw Vintage"に交換されていました。もちろんスプリングも”Raw Vintage"でした。

                     

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                    2018.11.02 Friday

                    リペア ファイル その496

                    0

                      F.Mueller(フリッツ・ミュラー)8弦 / 調整・ネック塗装

                       

                      バッハ協会理事のギタリスト中峰秀雄先生の8弦ギターを調整させてもらいました。その先生のブログ内で『メンテナンス/調整』の意味をうまく解説されていたので、承諾を得てブログを転載させてもらいました。(なかなか一般にギター・メンテナンスの必要性が理解されないのでリペアマンとしてはありがたい内容です)

                       

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                      F.Muellerメンテナンス

                       

                       

                       

                      ミュラーF.Mueller2010年の調整・9notesにて完了。
                      8月に、飛行機持ち込み対策として、
                      棹、ボデイーの脱着可能に改造していたのですが
                      (よせば良いのに?やって見ないと納得しない私でした。(/^@^_)
                      やはり、棹とボデイーの接合部に歪が出るのか?
                      弦高が高くなりイマイチ、よろしくない??
                      オリジナル状態に復元して頂きました。
                      楽器のメンテナンスは、車と同じで必要ですね。
                      弾きにくい、疲れやすいと感じたら?故障・調整のサイン。
                      今回は、復元の他、棹の反り修正のアイロン処置と、
                      弦高,鬘隠殴侫譽奪箸韮押ィ献潺蠅膨汗旭様蝓
                      ミュラーのオリジナルの棹は、オイルフィニッシュでほぼ、
                      生地状態だった。(これは、気に入っていたのですが)
                      反り予防対策として、湿気予防に、新規に塗装もして頂きました。
                      完璧にリフレッシュして、以前にも増して良い音です。
                      私一番のお気に入りのG.Yulongと互角の音量・パワーになりました。
                      Yulong, Mueller共に大音量ですが、それぞれ鳴り方のコンセプトが異なります。
                      凄い8弦を二つ、所有している幸せを今更ながら再認識した、一日でした。
                       

                      中峰秀雄・新ギタリスト日記(2018/10/31からの転載)

                       

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