2018.06.23 Saturday

リペア ファイル その467

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    ヤマハ FG-110 /  ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット交換

     

    楽器というものは、簡単に捨てられないものでいつまでも物置や押入れの隅で眠っていたりするものです。このギターもその類のものでしょう。親譲り品でした。

     

    ”赤ラベル”のFG−110です。60年代後半から70年代前半に作られましたが、ヴィンテージ感満載。オール合板ですが、直せば味のある音のギターですので 弾けるようにリペアしました。

     

    ネックの反りがひどいので弦高が高くなっていました。「アイロン矯正」で”順反り”と”仕込み角度”を修正します。次ぎにフレットを「すり合わせ」します。かなりフレットも磨耗していますが、「交換」までは求められませんので「すり合わせ」で何とかしました。

      

     

    低いフレットに各種ヤすりを駆使して山頂(ピーク)を再びつけ直します。ご覧の通りフレットも磨いてやればきれいになります。

      

     

    ナットはヘタっていたので新調しました。牛骨ブロックをピッタリの大きさに加工して、指板のアールに合わせたラインを半円のエンピツで写します。(1ミリの薄板の上にエンピツを置くと、そのラインまで上面を削ることができます)

      

     

    弦高が下がりましたが、サドルはいじっていません。(反りの修正と仕込み角度変更によって弦高が下がったことになる)

      

     

    レトロな雰囲気のヘッドとブリッジ。この角ばったラインがいいですね。サドルの6弦側の弦長補正がしっかり取られています。

      

     

    サウンドは柔らかく清々しい感じでした。OMタイプのボディですので低音側は期待できませんが、中域から高域のコード感がよく音がぶつからず通ります。たまに単音はいいがコードで音がつぶれるギターがありますが、このギターは経年変化でこなれたためかどちらも音が立っていました。

     

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    2018.06.19 Tuesday

    リペア ファイル その466

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      ギルド F-30 1997 / ネックアイロン矯正・フレット交換・ナット交換・サドル交換(オフセット加工)

       

      メールにて「表板の膨らみや落ち込み」「低いサドル」「フレットの摩耗」などいくいつかの点検要項を戴いています。実際送られて来た楽器を診て「表板の膨らみ」に関しては問題ないとお答えしました。その上でほかの必要な作業を施すことになりました。

      同時にサウンドの改善も図ります。

       

      まず、弦高を下げながらサドル高を上げるため「ネックアイロン矯正」します(「仕込み角度」修正のため) フレットを交換することになりましたので、フレットを抜いてからアイロンを掛けています。アイロンで矯正してから指板調整しますので、反ったネックの指板をたくさん削り過ぎることを避けられます。

        

       

      ミディアムフレットのjescar♯5509を打ち込んでいます。フレットの頭をストレートなヤスリで頭の高さが同じになる様に整えておきます。(新品のフレットですのでわずかですが・・)

        

       

      フレットの頭(ピーク)がヤスリで少し平らになったので、再び尖った頭になるように半丸ヤスリや三角ヤスリで切り出します。その後、ヤスリの痕をペーパーで擦ってキレイにし最終的に磨き上げておきます。

        

       

      ナットも新調します。ナットの弦溝の間隔はなるべく前のナットと同じにしています。サドルも新調しました。元々アンダーサドルピエゾが仕込まれていましたがそれを外し、新たなサドルがブリッジの底から立ち上がっています。どうしてもサドルの下に敷くピエゾは弦振動を吸収してしまうので、これを外すと音の輪郭がよくなりますね。

        

       

      完成。サドルはオクターブ調整済み(オフセット加工)。

        

       

      Dタイプヘッドとは違うヘッドがスマートなタイプ。インレイのデザインがアメリカっぽいなぁ。

        

       

      弦高を下げながらサドルの出がアップしました。サドルの出は音量アップに繋がります。もう少しローが出るようにしたかったのですが、F型はボディ厚が薄いためそこは難しかったぁ。(マーチンでいうOMタイプ)

      依頼主より、ほかからの引用だとお断りをもらいましたが、面白い比喩だったのでここで紹介させてもらいます。

      ギルドのサウンドを 「豆腐で例えると、島豆腐guild >木綿豆腐gibson >絹豆腐martin 」

      見事にギルドの”素朴なサウンド”を表現しています。こうだから世界中にギルドのファンがいるのですね。

       

       

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      2018.06.15 Friday

      リペア ファイル その465

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        モーリス W-100D/ ネックアイロン矯正・フレット交換(オーバーバインディング)・ナット交換

         

        ”縦ロゴ・MORRIS”はモーリスの上級機種でしたね。70年代に一世を風靡したコピー「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」で かまやつひろし氏が持っていたのも縦ロゴ・モーリスでした。この機種は”堀内孝雄モデル”のようです。

         

        この頃のかまやつさんは地毛だったのかなぁ。

           

         

        ネックの状態がよくなく弦高が高くなっていました。フレットも交換時期だったのでネック・フレットの「オーバーホール」をしました。「元起き」状態だったのでフレットを抜いてから「ネックアイロン矯正」で修正しました。

          

         

        次ぎは指板を調整します。指板全面に貝のインレイが入っているので指板をあまり強く削れません。なので「アイロン」であらかじめ「矯正」して指板の削る量を減らすようにしています。フレットタングで貝が割れるのを防ぐため切れ込みが広くなっていました。(メーカーの細かい配慮が伺えますね)

          

         

        (ギターが振動しないように鉄板の重しを載せて)フレットを打ち込んで行きます。オーバーバインディング仕様なので端を専用の道具で処理しています。

          

         

        軽く「すり合わせ」してフレットピークを整えて、再び山頂をつけ直し、フレットをピカピカになるまでペーパーやコンパウンドで磨き上げておきます。(「フレット打ち」後に「すり合わせ」しないやり方もありますが、私はやった方が精度が出るので行っています)

          

         

        完成。これだけの貝が入っているとゴージャスですね。

         

        ナットも交換します。ナットの高さを決めるには、鉛筆の断面を半分にしたもの(こうするとフレットのピークと同じ高さになる)を1ミリの薄板の上に載せてラインを描きます。次に薄板を外してもう一度ラインを描くと、ナットの上面ラインと弦溝深さラインが決まります。

          

         

        トップはスプルース単板。バックは合板ながらハカランダ/フレイムメイプルの3ピース構造で美しいです。

          

        指板上面で仕込み角度の変更がされているので、サドルをほとんど調整しないで弦高を下げることができています。

         

        上級モデルだけあって、ダイナミックレンジが広く透明感のある音がしました。永らくクローゼットで眠っていたお宝が復活したので、依頼主にも喜んでいただけました。

         

         

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        2018.06.11 Monday

        リペア ファイル その464

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          マーチン D-45 VR /   ピックアップ取り付け

           

          マーチン社のフラッグシップモデル D-45。品質・材料・仕上げ・音質、どれを取っても最高級であることが求められます。Dタイプはボディマスが一番大きいモデルなので音量やダイナミックレンジが大きいですが、ライブではマイク出力が必要になって来ます。ピックアップを取り付けました。

           

          いろいろ考えたあげく、一番無難なLRバックス社の「iBEAN Active」に落ち着きました。大きな改造なしに取り付けられますし、オールマイティなPUですので会場を選びません。後付け型のピエゾPUでアクティブなのでボリュームコントロールもできます。(「Lyric」はエアー感がよくこれも考えられますが「iBEAN 」よりハウリングに劣ると判断しました)

            

          「iBEAN」には電池駆動でないパッシブもありますが、こちらはあまりお勧めできません。出力が低くノイズがのりやすいですし、PA側でのコントロールも面倒になりますから。もしパッシブを選んだらプリアンプも必要とお考え下さい。

           

          専用のジグでサドル下に位置決めし、両面テープで圧着して固定します。プリアンプ内臓のアウトプットジャックは、エンドピンの穴を拡張して取り付けます。

            

           

          電池バックはネックブロックに取り付けるのが一般的ですが、私はブロック下の裏板に取り付けることが多いです。理由はブロックのロゴやシリアルナンバーが隠れない様にするためと、その位置だと案外電池交換がしにくいとの判断からです。ボリュームコントロールノブはサウンドホール脇で、ここしか取り付ける場所はありません。(これが落ちるケースもありそれが悩み。どうしてもノブを動かすときに下方向にも力が掛かかるのと、スポットライトでトップに熱が帯びるから)

            

           

          45VRのポジションマークはヘキサゴンでなくスノーフレーク/キャッツアイ。サイド&バックは柾目のインドローズ。裏表全体に貝が巻いてあるのが45の特徴ですね。ネックヒールの脇にも入っています。

            

           

          CFマーチンのロゴが指板にインレイされています。トップは目の細かいシトカスプルース。たぶん材料選択の段階でタッピングトーンを聞き、よい響きのものを45に使っていると推測しています。木材は一枚一枚タピングトーンが違うものなので、すぐれた音質を保障するならその作業は必要でしょう。(一度マーチン社に訪れて尋ねてみたいです)

            

           

          縦ロゴとロングサドル。ロングサドルですと、手の込んだ加工をしないとアンダーサドルピエゾを仕込むことができません。ですのでLRバックス社の「Anthem」が容易に選択できないです。

            

           

          グランドピアノのようなダイナミックレンジと煌びやかさがゴージャス感を醸しだします。PU出力ではやや大人しい感じがしますが、アコギ用PUに決定版がないため生音とPU出力した音とは別モノと考えた方がいいでしょう。しかしながら45はさすが45だと感じました。

           

          関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

           

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          2018.06.06 Wednesday

          リペア ファイル その463

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            ギブソン 1968年製  J-45 / ブリッジプレート増設

             

            トップ”妊娠”(表板の膨らみ)を心配されて持ち込まれたヴィンテージJ-45。弦高は問題なくアジャスタブルサドルの可変範囲も適正でした。たしかにやや膨らんではいますが、矯正するまでないと判断しました。矯正し補強材を入れるとサウンドが変化するので慎重な判断が必要です。ただアジャスタブル用のスタッドが前掛かりになっています。サドルをネック側に押し倒す力が長年掛かっていたので傾斜したのでしょう。

              

             

            なので、弦のボールエンドの位置を下げてサドルに掛かる力・作用(ベクトル)を増やす加工を施すことにしました。弦裏にブリッジプレートを増設します。固定は両面テープを使用で接着剤は使わないことに、理由は将来、駒を外したり、アジャスタブル用のアンカーを交換するようなことがあったりした時に作業しやすいように です。

              

             

            駒裏のショット。アンカーとブリッジを留めるビスが見えます。それらを外した位置にプレートを増設しています。

             

            見た目は変化ありませんが、サドルに下向きに掛かる力が増えている計算です。

             

            3連ペグに金色のロゴ。ブッシュが金属の”打ち抜き”でできています(うすっぺらな 感触がヴィンテージ感を醸し出しています)

             

            全体にクラックが入っていて貫禄万点。サウンドが軽めになるため、アジャスタブルサドルそのものを固定式の通常サドルに交換する方もいますが、これはこれでこれでしか出ない音になっておりそれを好むミュージシャンも見えます。エレキのブリッジのアイデアを持ち込むところが面白いですね。その当時フェンダーに負けず劣らずギブソンも革新的にメーカーだった訳です。経営破たんしたギブソン社ですが、ぜひぜひ復活して欲しいです。

             

            関連ブログ: ギブソンギター修理 インデックス

             

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            2018.06.02 Saturday

            リペア ファイル その462

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              ウード /  指板交換・仕込み角度変更・弦高を下げる・木芯入れ

               

              Oud(ウード)はアラブ圏の民族楽器でフレットのない5コース11弦の”撥弦楽器”(弦をはじく楽器)だそうです。私もはじめて見ました。演奏には細長いヘラのようなピック(プレクトラム)を使用していました。

               

              弦高が高く演奏しにくいので指板を張り替えて、弦との間隔を近づけるようにして欲しいとの依頼でした。指板を演奏者 自ら貼って改造してありましたが、それを外して新たに作り直します。ヒーターで熱をかけて指板を外しました。その下からオリジナルの指板が現れてきました。表板とフラットな作りだったのですね。

                

               

              ネックがずい分反っていたのでネック強度不足と判断し、黒檀の「木芯」を入れる加工をしました。ルターで溝を掘って黒檀棒を埋め込みます。木製の”トラスロッド”のようなモノです。

                

               

              指板面と表板には若干角度が付いていましたので、それを「面一(つらいち)」にするべく 薄いローズを貼ってネック上面をサンディングブロックで「平面を出し」をしました。それからローズ指板を貼り付けます。

                

               

              今度は弦と平行になるように指板面をクサビ状にカンナを使って整形しました。事前に計算して有りますが、実際弦を張らないと解らない部分もあり一度弦を張ってチューニングして指板面との距離を計測し、再びカンナで削り直して指板を完成させました。

                

               

              ナット部で4ミリ サウンドホール部で7ミリ。ナットも新調します。ヘッドは折れ曲がっていますので弦はナットに巻き付く感じになります。弦高は2ミリ〜3ミリ。

                

               

              12本のペグがありますが、11弦分だけ使います。サウンドホールは大1・小2。内部は覗けないですが、たぶんラダーブレイシングでしょう。駒から直接 弦が張られてサドルはありません。これは琵琶もそうですね。

                

               

              民族楽器ゆえ若干アバウトに作られているところもあり、精度が求めらるリペアがやりにくいところがありました。楕円形の胴には見事な象嵌で装飾されていました。

                

              演奏を聴かせていただきましたが、平均律ではない音階・音程で摩訶不思議な感じを受けました。そこがアラブ・中近東の音楽のミソでしょうね。音楽にはリュートや琵琶に繋がる”シルクロード”のかほりがしました。

               

               

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              2018.05.29 Tuesday

              リペア ファイル その461

              0

                フェンダー・ジャパン プレシジョンBass / トーンコントロールが効かない(コンデンサー欠線・交換)

                 

                最近人気が出て中古市場でも高値がつくようになってきた『Fender Japan』。フェンダー社が日本法人を作り特約店でしか『フェンダー・ギター』が買えなくなったのと、神田商会の『フェンダー・ジャパン』が廃止されたことから、市場に品薄感があるからと推測しています。新品の”レリック”を買うなら”中古”でいい、となりますよね。

                 

                「トーンコントロールが効かない」とのことでピックガードをオープン。点検するとコンデンサーの脚が切れていました。根元から切れており、交換するしかないです。ハンダを『吸い取り器』で取り除いて外しました。

                  

                 

                コンデンサーを0.1ufから0.047ufのスプラーグ社”オレンジドロップ”に交換しました。効きはゆったりでソフトな感じな音になります。

                  

                 

                アウトプットの接触も悪くジャックの接点をクリーニングしておきました。ピックガードが変形しているのがわかりますか?この感じがヴィンテージ感を醸しだしていて良いですね。"塩ビ"ではなく"セル"なのでしょうか?

                  

                 

                『フェンダー・ジャパン』のPGに"セル"のPGが使われていたという情報は持っていませんが、この”ゆらぎ”感が堪りません。

                 

                糸巻きは通常とは”逆回し”タイプが使われています。これも渋いところをついていますね。ヘッド裏にはストラップピンが装着されていてヴィンテージPBを忠実にコピーしています。

                  

                 

                細かいところですが、スラブ張りロース指板の断面がやや丸みを帯びているところが「いいね!」。サドルは螺旋切りされておりヴィンテージタイプ。アジャスト用イモネジはマイナスネジが使われています。

                  

                 

                と、ここまでUSAビンテージ感満載でしたが、ボディ厚が42ミリとやや薄いところと木材が”アッシュ”ではなく”栓(せん)”であるところが日本的でした。これはこれで良いと思います。栓の木目が日本調なんですよ。なんたって『フェンダー・ジャパン』ですから。

                 

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                2018.05.24 Thursday

                リペア ファイル その460

                0

                  ギブソン・レスポール・クラシック / ネック折れ修理(接着・タッチアップ塗装)

                   

                  ”チェリーレッド サンバースト”のレスポール。これが紫外線などで退色すると”レモンドロップ”になるんでしたよね?たしかそう。赤系の塗料は安定しないと言われていて、変色・退色して行きます。これはこれで面白い変化で味になります。

                   

                  「ネック折れ」で”亀裂”が入っています。割れ部を”接着”だけで修理することになりました。余分なところに接着剤がつかないようにマスキングしてから、粘度の違うエポキシ系接着剤 2種類を使って接着しました。

                   

                  エポキシ系接着剤は硬化まで時間の余裕があるので慌てず作業できますが、一度シュミレーションして工程を確認してから本番に入ります。接着後はサンディングしますので多少塗装面の色の濃い薄いができます。そこを”ぼかす”ように少し濃い目のチェリーレッドでタッチアップ(部分)塗装します。

                    

                   

                  半艶のクリアー塗料をのっけて”使用感”のある感じで仕上げました。ヘッド表にはダメージはありませんでした。”クラシック”モデルはクルーソンのブシュタイプのペグ使用しています。

                    

                   

                  PUはオープンタイプ。ストップテールピースの位置は、フロントボリューム・ノブの中心とテールピースの後ろのラインが重なるような位置関係です。

                    

                   

                  『ヒスコレ』とレギュラー生産の『クラシック』では細部の忠実な表現は『ヒスコレ』に軍配が上がりますが、それでもヴィンテージ感は『クラシック』もいい線いっています。

                  ’57とか’59とか元々どのモデルも仕様違いの年度別のレギュラー品でしたが、のちに評価される年度品が生まれると

                  ピックアップされて、そのモデルに近づける製品が誕生するのは面白い現象ですね。

                   

                  関連ブログ: ギブソンギター修理 インデックス

                   

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                  2018.05.20 Sunday

                  リペア ファイル その459

                  0

                    Breedlove  Premier D / ネック簡易リセット・フレットすり合わせ・サドル調整

                     

                    ブリードラブのこの機種ははじめて見ました。単板モデルで全体シンプルながら要所を押さえたいいギターですね。

                    弦高が高くなっていて「ネック元起き」が起っていたので「リセット」しました。

                     

                    ”ボルトオン”タイプなのでヒール部は簡単に外せますが、指板は接着してあります。こういうタイプの”ボルトオン”ネックはときどきあります。指板部は熱を加えて接着剤を弛めて外しました。

                      

                     

                    仕込み角度をつけるためヒール部をわずか削って行きます。何度か「仮組み」して角度調整し最終確認してからボルトを締め、指板部は接着します。”ダブテール”ジョイントネックよりは比較的短い時間で「リセット」できますので、私はこのタイプを「簡易リセット」と呼んでおります。

                      

                    日本人は”ダブテールジョイント”のギターの方を好まれる傾向があります。米国人は合理主義なのかあまり気にしないと聞いております。日本人は法隆寺に代表される「宮大工」の国だから伝統的に”木組み”に安心感があるのかも知れません。音は両者に差がないと感じています。

                     

                    仕込み後のフレット調整の意味と一部減ってバラつきが出ていましたので「フレットすり合わせ」もします。平ヤスリでフレットピークを整えてから半丸ヤスリ・三角ヤスリを使い再び山頂(ピーク)を削り出します。

                      

                     

                    ヤスリ傷が完全になくなるまでペーパーの番手を変えながら磨いて行って、最後は金属磨きで拭き上げます。ドットの位置が独特ですね。

                      

                     

                    仕込角度を強めにしたのでサドルをかさ上げしました。アンダーサドルPUの上に1ミリの”ベークライト板”を敷きました。オベーションでもこれを使っていますね。

                      

                     

                    仕上がったヒール部。

                      

                     

                    「元起き」に対して「アイロン矯正」も考えられましたが、指板裏の補強材が薄く効果が少ないと判断し「リセット」としました。

                      

                     

                    女性オーナー手作りのピックガードが添えられてかわいくなっていました。携帯でもスマホでもかわいく飾る能力は女性の方が高いです。自分で手を加えて愉しみながらオリジナルなモノに変えていくのは素敵なことですね。楽器業界も もっともっと女性の声を反映させて行くべきでしょう。

                     

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                    2018.05.16 Wednesday

                    リペア ファイル その458

                    0

                      Sunny D ukuleles / フレット音痴(フレットスケール補正・フレット打ち換え・サドル作製・オフセット加工)

                       

                      ウクレレ愛好家には有名だという”サニーおじさん”の作った一品。このおじさん 結構アバウトなのでピッチが狂っていてもおかまいなし、のよう・・・ それも味だと言われたらしい。でもコードが不協和音・・・直らないかと相談にみえました。(耳がいい方です)

                       

                       

                      12フレットの位置からフレットスケールを割り出します。それを透明な板に写してフレットに当ててみます。少しズレていますね。また弦長を計測したらサドル位置もちょっとおかしい・・・

                        

                       

                      「5フレット以下は使わない」と依頼者が言われるので、5フレットまでやり直すことに。まずフレットを抜いて、それからローズの薄板をフレット溝に埋め込みます。

                        

                       

                      サンディングしてフレットを均して、正確なピッチに合わせてノコギリで溝を切り込みます。そしてフレットを打ち込んで・・・

                        

                       

                      平ヤスリで「フレットすり合せ」をして5フレット以降の”フレット高”と同じレベルに調整します。フレットの山頂(ピーク)を三角ヤスリで「すり合わせ」で台形になったフレットを鋭角な山頂(ピーク)に切り出します。

                        

                       

                      その後 磨いて完成。これでピッチが安定するでしょう。

                        

                       

                      お次はサドルを作り直します。オリジナルのサドルの位置より少し前に正確なポイントがありましたので、サドルを”L”型に作製して、サドル溝を切り直すことなく正確な補正ができるようにしました。この楽器は”ローG”なので4番線には太い弦が張られています。そのため補正は後方にしてあります。

                        

                       

                      オールコアで作られて、トップの厚さは2ミリと薄く作られています。形はドレットノートのようですね。演奏するにはピッチが正確なのがいいに決まっていますが、”ハワイアン”のゆるい雰囲気はピッチの正確性だけでは表現できないところもあるようです。というのは、ウクレレ製作家が「ギター製作家が作るウクレレは小さいギターでウクレレじゃない」「ウクレレは自由なのよ」と言われたからです。

                        

                      フラダンスやハワイアンキルトなどハワイアン文化の中にウクレレ・ミュージックがあって、その全体が”癒し”を醸しだしていると感じます。ユル〜い人間じゃないとウクレレが作れないと言われれば、そうかも知れないと頭の硬い私は思うのでした。

                       

                       

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